カスノモーターサイクルは創業49年、AELLAはブランド設立32周年を迎えて【ファクトリーマシンへの憧憬から始まったスペシャルパーツづくり】

  • 2023/03/24 6:30
  • BRAND POST[PR]: AELLA[カスノモーターサイクル]

京都のカスノモーターサイクルが自社開発・製造のカスタムパーツブランド『AELLA』を立ち上げたのは1991年のこと。2023年創業31年をむかえたアルミ削り出しスペシャルパーツメーカーは、工場も新設。新たに5軸マシニングセンタも導入し、より緻密なものづくりへの道を探究しようとしている。

●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●写真:米村栄一、カスノモーターサイクル ●BRAND POST提供:カスノモーターサイクル

レースの知見と経験を活かしたスペシャルパーツづくり

カスノモーターサイクルの創業者である糟野雅治さんは、1970年にMFJ全日本ロードレース選手権250ccクラスでチャンピオンを獲得するなど、数々のレースに参戦。糟野さんが17歳の頃の1966年から1993年の27年間に渡るレース経験がベースとなり、『AELLA』は生まれた。

【カスノモーターサイクル50周年の節目を前にAELLA新工場も完成!】糟野雅治さんのチャレンジ精神とは? >>記事はこちら

MIGLIORE|ミリオーレ|カスノモーターサイクル|AELLA|アエラ

2023年の年明け早々には、工場内に新規導入のマシニングセンタも納入。

「市販レーサーを改造したい、自分の部品をつくりたいという思いが募って、まず機械を買った」と、糟野さんは『AELLA』創業当時を振り返る。納得のいくライディングをかなえるためのパーツが欲しいが、見つけることができないもどかしさ。「ないなら、じゃあ自分たちでつくればいい」というシンプルな思いがブランドを生み出したのだった。

当初は至極個人的な熱意からだったが、やがてレースシーンに必要な精度の高い操作性をかなえるパーツや、機能だけでなく美しさも兼ね備えたパーツを一般のライダーにも広めたいという思いが広がっていった。こうしたものづくりを続けることが、日本のバイク文化発展の一助になるだろうという希望もあったのだろう。

その希望の灯火はいまだ途絶えず、74歳の大将(糟野さんのことを親しいお客様は皆こう呼ぶ)は、昨年末には『AELLA』の工場を新設した。

MIGLIORE|ミリオーレ|糟野雅治|カスノモーターサイクル|AELLA|アエラ
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新しい工場に設置されたマシニングセンタを前に笑顔の糟野さん。『AELLA』創業時に購入した古い機械も、新工場に移設。

レーサーが集い、理想のパーツづくりに邁進

現在ではアルミ削り出しパーツは多くのメーカーが手がけているが、その当時は一個人がはじめたショップが機械を購入してバイクパーツをつくるというのは皆無だった。しかし『AELLA』は、スタート当初から大きな設備投資を行い、精度の高いパーツづくりを展開。現在まで企画開発から製造、販売まで一貫して自社で手がけている。

そして高精度な機械を導入しつつも、バイクのパーツはライダーの身体の一部として機能することを一番と考え、ものづくりにおいては職人の感性を大切にしている。

「とはいえ俺は言葉で表現するのが下手。言葉で伝えられない思いをひたすらぶつけて、汲み取ってもらわないと『AELLA』のパーツは完成しないのよ。だから古屋(『AELLA』の技術顧問)がいなかったら『AELLA』はとっくに終わってたと思う」と、糟野さんは語る。

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その当時の写真より。写真左から5番目が古屋さん、中央の白Tシャツ姿が糟野さんだ。カスノさんの隣はジャコモ・アゴスティーニさん。

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『AELLA』がスタートした当時から開発を担う古屋喜一郎さん。古谷さんは今も技術顧問として、若手の指導にもあたる。

MIGLIORE|ミリオーレ|カスノモーターサイクル|AELLA|アエラ
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AELLA創業時、アルミ削り出しのステップを装着していたのはメーカーのファクトリーマシンだけ。糟野さんは、自分のレース用パーツを製作しつつ、ドゥカティなど外車のパーツの製造販売を始めた。最新プロダクトは初期のものと比較すると細部までデザインされ、より複雑な形状となっていることがわかる。また、ステップの車体へのマウント方法も異なり、ステップバーはローレットから削り出しに変化。バーとペダルは別軸の機構となっている。複雑になっている背景には車体構造の複雑化に起因しているが、精度や強度といった操作性を左右する機能面は初期のモデルから繰り返しアップグレードされてきた「証し」そのものといえる。

『AELLA』のキーパーソンである古屋喜一郎さんと糟野さんの出会いは、1981年のこと。古屋さんがカスノモーターサイクルでヤマハTZ250を購入したことがきっかけだった。糟野さんの「古屋がいなかったら『AELLA』は続かなかった」という言葉を、古屋さんに伝えると「そんなしおらしいこと言うてましたか?」と笑った。

「TZ250の購入がきっかけでレーシングチーム『フライングドルフィン』(糟野さんと根本健さんが1972年に設立)に僕も加わって、そこから今日まで続いていて……。社長は天邪鬼だから(糟野さんも自身のことを天邪鬼と言う)、言うことが時々で変わる。だから一つの製品を具現化するだけでも本当に大変でしたよ。今でも大変ですわ。でも、高い精度でものづくりできる『AELLA』の環境が魅力で、とにかくいろいろ覚えたかったし、高精度なパーツを生み出したい。その思いだけでしたね」と、古屋さんは語る。

MIGLIORE|ミリオーレ|カスノモーターサイクル|AELLA|アエラ
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『AELLA』アルミ削り出し可変ハンドル(Kawasaki Z900RS)。7万9750円。スポーティなライディングポジションを可能にするアルミ削り出し可変ハンドル。ハンドルの絞り角(純正21°固定)に対して、このプロダクトは19°/21°/23°の3つから選ぶことができる。またハンドルを手前に倒せば、垂れ角を作ることも可能。アルミ削り出しの肉抜き加工によって、剛性の最適化と軽量化も実現。

MIGLIORE|ミリオーレ|カスノモーターサイクル|AELLA|アエラ
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アルミの塊から、可変ハンドルのパーツが出来上がるまで。

MIGLIORE|ミリオーレ|カスノモーターサイクル|AELLA|アエラ
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治具や歯を複数回取り替えながら切削を繰り返す。

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可変ハンドルは、従来のハンドルとはまったく異なる概念で生み出された。他にはないグリップバー基部に高精度の可変機構を備え、これにより様々なポジションを設定する事が可能に。多くの日本人ライダー用に全幅を狭め、絞り角も選ぶことができる。

操作性の向上は疲労を軽減させる。そして、それは安全に繋がる

糟野さんと古屋さんはレーサー業もこなしながら、ビジネスを展開。こうして始まった『AELLA』は、走る、曲がる、止まるという基本機能を徹底的に考慮し、操作性を高めたポジショニングを追求したことで生まれてくる「機能美」を目指したものづくりをブランドフィロソフィとしている。

バイクにおける「機能美」は言葉にするとシンプルだが、実際はとても重要なポイントだ。たとえば適切なポジショニングをかなえるパーツによって操作性が向上すると、それは疲労の軽減にも通づる。疲労の軽減は安全という面ではかなり大きく、これは公道であろうとサーキットであろうと同じこと。すべてはライダーが安全にバイクを楽しめるようにという思いが根底にあり、現在では公道を安全に走ることや日常的スポーツを主な目的とした製品開発も行なっている。

またカスノモーターサイクルがドゥカティやBMWなどのバイクを取り扱うようになれば、海外メーカーのバイクの部品開発を『AELLA』でも展開するようになっていった。

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1983年の全日本選手権で3位となった古屋さんのレースシーンの一枚より。

「社長も同じだと思いますが、私の原点はやっぱりファクトリーマシンなんです。時間もお金も度外視してとにかく“良いもの”をつくる。その“良いもの”が、ライダーに楽しみと安心感をもたらすんです。もちろんこれをそのままビジネスにするのは難しいんですが、その思いが原点ですね。

そして具体的に言葉で説明するのは難しいんですが、ドゥカティとBMWのパーツを同じようにはつくれないんですよね。それぞれにブランドの哲学があって、それに見合う美しさのあるパーツでありながらもライダーに喜ばれる機能も併せ持つパーツをつくりたいんです。

新しい工場には、5軸のマシニングセンタも導入しました。これまで以上に覚えないといけないことは多々ありますが、『AELLA』のものづくりがさらなる高みに近づけるよう精進するだけです」と、古屋さんは語る。

生粋のバイク好きが集結している『AELLA』が、今後どのようなプロダクトを展開していくのか。期待は高まるばかりだ。

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『AELLA』ライディングステップキット for DUCATI Panigale V4/V4R。10万9780円〜。市街地のみならず、サーキットでも検証・開発し、正確な操作、ダイレクトなフィーリング、そして最適化された選べる4ポジションなど走りに集中できる多くのメリットを備えている。『AELLA』の特徴の一つともいえる、ディテールデザインの美しさが際立つ。

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『AELLA』トップブリッジ MotoGPデザイン(BMW S1000RR 2019-)。7万3920円。ハンドリングに大きな影響を与えるトップブリッジは、過度な硬質感は自然な感覚を損なう場合もある。そこで『AELLA』ではトップブリッジに肉抜きを行い、剛性を適度に上手く抜くことで素直なハンドリングを生み出そうとデザインしている。切削面を美しく見せるためにあえて残されたツールマークや、コクピットを精悍に演出するMotoGPデザインなど、特別な一台を所有する「喜び」も生み出す。※単品では使用できないので、AELLA製セパレートハンドルと併せて使用を。


※本記事はカスノモーターサイクルが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。