全てが別格、ハーレーダビッドソンの最高峰メーカーカスタム車に触れてみた【CVO ロードグライド|FLTRXSE】
スタンダードモデルをベースにメーカー自らがコンプリートのカスタムマシンを手がけた、ハーレーダビッドソンの最高峰シリーズが「CVO」。そのうちのホットロッドバガーのハイエンドが今回紹介するCVOロードグライドだ。外観だけではなく、走りも別格。WITH HARLEY編集長の青木タカオが実際に試乗したのでその感想をお伝えする。
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:磯部孝夫 ●BRAND POST提供:ハーレーダビッドソン ジャパン
ルックス、走り、そしてサウンド、カスタムに積極的なH-Dの集大成。熱き魂と確固たる技術ここに極まる
そこにいる佇まいからして、別格であることを感じてならない。ボリューミーな車体に迫力があるだけでなく、搭載するエンジンや組み込まれるパーツ、塗装の仕上げなどすべてにこだわりを感じ、スタイルも洗練され磨きがかかっている。見る者の視線を釘付けにする凄みがあり、それは決して不穏なものではなく、上質感やプレミアムなムードが漂う。
さすがはハーレーダビッドソンの最高峰シリーズ「CVO」である。ファクトリーカスタムの真髄と言おうか、スタンダードモデルをベースにメーカー自らがコンプリートのカスタムマシンを手がけ、正規ディーラーで新車がオーダーできる。
最新版は4機種で設定され、そのうちの1台がホットロッドバガーのハイエンド「CVOロードグライド」だ。唯一無二、個性的なフロントマスクを演出するデュアルヘッドライトを埋め込む大柄なシャークノーズフェアリングに、ダウンチューブを覆い隠すスポイラーが追加され、存在感がますます強調された。
デコレーションを派手にし、とにかく盛り込んだというわけではない。スモーク仕様のウインドシールドは極端なまでに短くカットされ、スポーティさを増す。全体をブラックアウトし、おどろおどろしく黒で描かれたフレイムスパターンを、光によって様々な表情を見せるグリーンと合わせ、ダークにコーディネイトした。
伝統の空冷VツインエンジンはオーソドックスなOHVのバルブ機構のまま、排気量を1923ccにまでスケールアップ。最新のパワーユニット「ミルウォーキーエイト117」はボア・ストロークを103.5×114.3mmとし、相変わらずのロングストローク設計で心地良いパルス感を伴いつつ、169Nmもの最大トルクを発揮する。405kgもある巨体にもかかわらず、クラッチミートに神経を使うことなく、いとも簡単に発進させ、わずか2000回転も回せば容易く常用速度域をカバーしてしまう力強さだ。
エルボー型のハイフローエアクリーナーは視覚的にも強烈なインパクトで、超弩級エンジンであることが一目瞭然。ハーレーダビッドソンのレーシングブランド「スクリーミンイーグル」のプレートがシリンダーヘッドに掲げられているのは伊達ではなく、ハイアウトプットな鍛造ピストン&リング、バルブリフト量を大きくとった高効率カム、ハイフローフューエルインジェクター、大径スロットルボディなどパフォーマンスパーツが惜しみなく組み込まれた。アクセルをワイドオープンすれば、高回転までトルクの落ち込みなど一切なく怒涛の加速をぶちかましてくれる。
ベースとなるロードグライドスペシャルとの相違点は多岐にわたるが、決定的に違うのはフロントエンドにもあり、2インチアップの21インチ大径ホイールが勇ましいスタイルを決定づけた。特別仕様といえども、メーカー出荷時の新車で、これをやってのけるとは度肝を抜かれる。
気になるのはステアリングフィールだが、思いのほか軽快でクセがなく、車体を寝かせるのに余計な意識は要らないし、旋回中は手応えのある落ち着いたハンドリングで狙ったラインを外すこともない。
これはロードグライド伝統の2眼フェアリングがフレームマウントで、ステアリング機構に干渉していないことの影響が大きい。ヘヴィな操舵感が出てしまうのか、バットウイングフェアリングをハンドルマウントするストリートグライドでは、同じCVOであってもフロントホイールは19インチのままとする。
そして、CVOを説明する上で避けては通れないのが、オーディオのグレードアップ。ロックフォードフォズゲート社製の「ステージ2」スピーカーが、高速クルージングでもクリアでパワフルなサウンドをライダーに提供してくれる。
75Wから最大150Wに出力を向上したアンプ付きの3ウェイスピーカーは、ミッドレンジとツイーターに加え、低音を担うウーファーで構成され、歪みのない高音質な音楽が環境を問わず堪能できる。押しも押されぬアメリカンサウンドの王道、ロックフォードのパンチの効いた音色はハーレーとの相性もぴったりで、CVOの価値をさらに上げている。
こうしたハーレーのカスタムに対する積極的な姿勢は、豊富に用意される純正パーツやペイントセットなど、さまざま方向からも見て取れる。正規ディーラーどうしでカスタムのセンスや技量を国境を越えて競い合ったり、世界の名だたるビルダーやデザイナーたちともコラボレーションするなど、アーティストらによるアレンジへの後押しも後を絶たない。
CVOはそうした動きの中から生まれた集大成のひとつであり、ファンにとっては夢のカタチ、憧れの存在である。日本に初めて正式導入されたのは2002年で、07年式以降カタログに名を連ねる。受注生産による一部マニアのためのものであったが、ディーラーで予約を入れる者は少なくない。高品質であり、信頼性という点でも折り紙付きの純正パーツでカスタムし尽くされ、納車してからはもう手を加えるところがないほど満足度が高い。だからこそ、選ばれている。
RIDING POSITION 身長175cmの筆者の場合
シート高は680mmと低く、足つき性に優れる。400kg超えの巨体ながら、車体を起こしたり押し引きするのに苦労はしない。足がしっかりと地面に届き、踏ん張りが効くからだ。ハンドルは絞り込まれ、ライダー寄りにプルバックした形状でグリップ位置も遠くない。
FLTRXSE CVO ROADGLIDE
※本記事はハーレーダビッドソン ジャパンが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。