ヘルメットのサイズは痛くなければOK……じゃない! SHOEI パーソナルフィッティングシステムとは

  • BRAND POST[PR]: SHOEI

技術の進歩によって安全性や機能性が高まり続けるヘルメットだが、頭の形に合うかどうかというフィッティングについても改めて注目してみたい。“本当のジャストフィット”の快適性を知ったら、もう元には戻れない!

●文:吉岡直矢 ●写真:長谷川徹 ●イラスト:田中斉 ●BRAND POST提供:SHOEI

「自身の頭が最良のサンプルでした」……Mだと思ったらLだった、そんな体験が始まり

「レース生まれの技術です! ……なんて言えたらカッコイイんですけどね」

そう言って笑う海老沢さんは、SHOEIヘルメットの購入者の4割程度が実施するというPersonal Fitting System(P.F.S.)の仕掛人だ。

Interview【海老沢孝さん】……SHOEIで広報を担当しながら、自らの経験をもとにP.F.S.を推進した仕掛人。他人の頭を見るとついパッドの厚さを計算してしまうという。

P.F.S.(特許取得済み)は、2011年に始まったSHOEI独自のヘルメット内装調整サービスで、当初はイベント出店のみだったが、現在は全国約90店舗の用品店で実施している。頭部を計測し、最適なサイズを診断、さらに頭の形に合わせたパッド調整を受けると、まるで魔法のようにフィット感が増す。

「人間の頭の形は、皆さんが思っている以上に個人差が大きいものです。被っていて痛みがなければOKだと思われがちですが、実際にP.F.S.を実施すると『合っていると思っていたのに』と驚かれる方が多い。ヘルメットは布でできた帽子のように変形するわけではなく、隙間が空いていても隠れて見えないから意識されないだけなんです」

そう言われてハッとする。筆者も『痛くないからOK』と思っていたクチだ。

「ヘルメットの内面形状は大きく分けて国内(アジア)向けと欧米向けの2種類があり、それぞれなるべく多くの方に合わせるべく最大公約数的な形状で設計していますが、実際には日本人の中でも個人差が多く、例えば基準としている前後はSでも幅がLなど比率が2サイズほど変わることもしばしばです」

そういえば日本人には絶壁アタマが多いと聞いたこともある。

【サイズ合わせはレースよりシビア!?】レースではキツめの固定感が好まれ、細かい調整は求められない。ツーリングのほうが快適性にはシビアだ。

「実は私自身の頭もそうなんです。15年以上前ですが、X-イレブンという機種で初めてM/Lそれぞれを専用帽体とした時、自分はMサイズだと思っていたのに横がキツくなって痛い、実はLサイズだったということがありました。共通帽体の時代は内装の厚さ違いで対応していたため、より厚みのあるMサイズ内装が潰れることで吸収できていたのですが、各サイズ専用帽体になると、本当に適正なサイズでないと合わないわけです。そうして横幅を適正にしたら前後が緩くなったので、前後にパッドを入れたら、すごく安定することに気付きました。さらに、私は頭部がやや斜めに変形しているので、これも合わせたらもう快適で……」

実際の調整工程は下の欄に詳しいが、実際には計測だけではなく施工者の経験がモノを言う。この10年でP.F.S.の認知度も上がり、対応店舗の整備が進んできたため、2021年10月にはサービスの有料化へと踏み切った。

「すぐに痛くなるのは論外としても、ツーリング中にヘルメットが動いては戻すということを無意識にやっている方は意外に多いものです。ユーザーの頭の形に寄り添ったP.F.S.で“本当のジャストフィット”を知っていただきたいと思います。本来はメーカー毎に○○頭なんていうものは存在しませんから」

ヘルメットサイズのQ&A

Q「サイズ合わせはどこで判断すればいい?」

A「頰のきつさではなく鉢周りで選ぼう」……入り口の広さで判断する人も多いが、あくまでも頭が収まった時のフィット感を見る。チーク(頬)パッドはウレタンの厚みが大きく、経年で変化しやすいためユルユルになる可能性があるという。

Q「P.F.S.なしでもピッタリ合う確率は?」

A「わずか1割弱! 約4割はサイズも変わる」……頭の形は十人十色。調整不要の人は1割に満たない。また、鉢周りの数字のみを参考に購入してもサイズが合わない人は4割にも上るという。前後長や左右幅、さらに形状と千差万別なのだ。

【痛くなる場所は……】長時間の圧迫により痛みが出やすいのが○で囲った部分。サイズに余裕があったはずでも、他の箇所が緩いことで力が集中してしまう場合もある。

【論より証拠】編集部員がP.F.S.を体験!

特許取得済みのP.F.S.用計測器。

長年にわたってSHOEIヘルメットを愛用してきた編集部員YがP.F.S.を初体験。Mサイズ(57-58cm)を被っていたこともあるが、適正サイズはLだと認識している。現在はJクルーズ&X-Fourteenをそれぞれ1時間以上被っていても平気で、まさしく「痛くないんだからいいじゃん」と思っていたクチだ。絶壁アタマだということは自分でもわかっているぞ。

1.【前後左右を測定したらサイズはLで合っていた】P.F.S.専用のゲージで頭部を挟んで測定する。周長約59cmで、Lサイズで適正な横幅に対しやや前後短いことも判明した。これにてデータ的にも絶壁が確定。

2.【ゲージでは測れない形の違いを経験で見抜く】編集部員Yは絶壁なだけでなく後頭部の下の方が盛り上がっていることがわかる。これを実際に触って判断し、どこにどの程度のパッドを当てるかを決める。

3.【パッドの硬度も何通りか試した】後頭部の形に合わせたパッドを追加するが、硬度の異なるウレタンを貼り合わせることでフィーリングも追求。ライダーと相談しながら好みのものに決める。

4.【追加したのは後頭部だけじゃない】ヘルメットの高さを適正に合わせるため、頭頂部にも薄めのウレタンドを追加した。狙った場所に適正な厚さのパッドを配置して合わせ込んでいく。

5.【当たったことのない場所にしっかりサポート感アリ】 今までいかに隙間があったか実感。ヘルメットがブレないので実重量よりも軽く感じる。往復250kmのツーリングで試したが高速道路でも安定感抜群だった。

【TIPS】欧米人は頭部が前後に長く、日本人を含む東洋人は横幅が大きめということが知られている。ただ、これはあくまでも大まかな傾向であって、個人差は想像以上に大きいのだ。

P.F.S.施工料金

最適なヘルメットサイズを診断し、さらに専用パッドを用いてジャストフィットする内装を作るのがP.F.S.だ。SHOEIテクニカルショップは年々増加し、現在は約90店舗近くある。

・新規購入時:平均3300円程度
・持ち込み対応時:平均6600円程度
・頭部計測&サイズ診断のみであれば無料

※上記の施工料は目安。店舗により持ち込みを受け付けていない場合、また料金が異なる場合があるので詳細は利用の店舗へ。

SHOEI Gallery 東京/大阪

SHOEIは、東京と大阪の2拠点にオフィシャルショールームを構える。大阪は2021年12月10日にオープンしたばかりで、東京/大阪とも同社のフルラインナップを展示するとともに内装調整サービスのP.F.S.(10月1日より有料化)を実施。コロナ禍もあって来店は全てWEBからの予約制で、1時間枠に2名ずつのの受け付けとなっている。都外からの来客も多い東京は2週間先の予約まで埋まりがちだが、大阪もオープンが認知されていけば同様になりそうだ。それでもフルラインナップを一堂に眺めることができ、被って比較できて、さらにアドバイスや内装調整も受けられることの価値は計り知れない。

定休日は火曜・水曜で、基本的な営業時間は平日11時〜19時/土日祝10時〜18時。専用の駐車場/駐輪場はないので、事前に付近のパーキングを調べてから来店されたし。

SHOEIギャラリー東京(東京都千代田区外神田2-15-2新神田ビル)は2020年3月にオープンした初の公式ショールーム。フルラインナップが並び、もちろんP.F.S.も実施。

新大阪駅から徒歩5分のSHOEIギャラリー大阪(大阪府大阪市淀川区西中島5-11-8 セントアネックスビル)は2021年12月10日にオープンしたばかり。


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