![[自分だけのバイク選び&最新相場情報]Z900RSとの比較つき! カワサキ「Z900」(2018) 試乗レビュー](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
中古車を選ぶ際、なかなか悩ましいのが何を持って完調の状態といえるかわからないこと。そこで役に立つのが、劣化や不具合のない新車当時の試乗レビューだ。自分が中古車を試乗して、それぞれの個体の状態を確かめる際の参考にしてみて。
●文/写真:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:カワサキ
カワサキ「Z900」(2018) 試乗レビュー
この記事ではカワサキの大型ネイキッド、Z900の2018年モデルについて紹介するぞ。今や押しも押されぬ人気のZ900RSのベースとなった一台だ。 ※以下、2018年6月公開時の内容に基づく
ライバルはCB400SF?!
以前、Z900RSに乗った時「Z900RSは普通のバイク」とインプレしたが、そのベースとなったZ900はもっと普通のバイクに近づいていた。その印象は大きなエンジンを積んだCB400SFといったもので、サイズ感やライディングポジション、車重に大きな違いがない感じだ。
また、制御の進んだ現代のエンジンは従順で扱いやすく、ここでもCB400SFの守備範囲をカバーする。もちろん、上の領域は段違いで125psを発揮する948ccの並列4気筒エンジンは6000rpmも回せばアグレッシブに加速し、そのあたりで吸気音は野獣系となりライダーを奮い立たせてくれるのだ。
試乗を終えて価格やスペックをCB400SFと比較してみたら、Z900は95万400円という大型の並列4気筒モデルで2番目となる安値を実現していた一方で、CB400SFは同じABS仕様で86万6160円~というプライスになっていた。
その差はわずか8万4240円、車重にして9kgだ。ビッグバイクがもてはやされた頃、モデルチェンジを重ねるCB400SFに試乗する度、多くのライダーがその完成度の高さと扱いやすさに驚かされていた。それが今に至っては、扱いやすさを実現する技術も大きく進歩し、リッター直4ネイキッドでもCB400SFなみに扱いやすい仕上がりを実現している!? そして価格まで接近…という印象をZ900に持ったのだ。
シート高はCB400SFが755mmとなっているのに対しZ900が795mmなので4cmほどZ900が高いが、Z900はシート下がスリムにまとめられているので身長172cm、体重65kgのライダーではほんの少しヒザが曲がるぐらいの足着き性となっていた。Z900RSの厚みをもたせたネオクラシックスタイルのシートよりも足着き性はいいだろう。
【KAWASAKI Z900(2018model)】ABSを装備しつつETC2.0が標準装備。カラバリは、写真のキャンディパーシモンレッド×メタリックスパークブラックとパールミスティックグレー×メタリックスパークブラックの2色。発売当時価格は95万400円。
他の大型ネイキッドと比べるとどうなのか?
並列4気筒以外に目を向けると、Z900のライバルはMT-09だろう。MT-09の価格は100万4400円と近く、出力は116psとZ900よりも落ちるが並列3気筒エンジンのおかげで車重は193kgと普通免許モデル並みを実現している。
ただし、キャラクターは異なっていてMTは超アグレッシブ。軽さと押しの強い出力特性からくる走りは、バイクに飽きかけているようなライダーでも目を覚ますような元気印で人気となった。対してZ900は、4気筒の滑らかさと安定感がまず先にあって、高回転域でMT-09と同等かそれ以上のアグレッシブさを発揮するという2面性を持ったキャラクターだ。
常用域でも熱くなりたいライダーだったらMT-09がいいだろう。他にはスズキのGSX-S750も価格は96万9840円とほぼ同じだが、排気量は749ccなのでここで大きな差がつく。
最後に、比較すべきはやはりZ900RSだろう。もっとも大きな違いは説明するまでもなくそのスタイル。それ以外の面で言えば排気音がまったく違っていた。
RSのエキゾーストノートはかなりワイルドで、それを聞きながら走るとハンドルやシート位置の違いもあり、大型バイクに乗っている満足感に浸れるのだ。Z900のポジションはコンパクトでライダーの位置も重心に近そうな感じなので、これまで述べた扱いやすさにつながると思われる。またエキゾーストノートもジェントルなのでライダーを急かさない。
【KAWASAKI Z900RS(2018model)】Z900RSは、2019年型も価格据え置き、カラバリそのままで7月1日に発売することが発表された。下段の左列はZ900のシートとマフラーだ。発売当時価格は129万6000円/132万8400円(火の玉)。
こちらはZ900とZ900RSの出力特性の比較図。RSのワイルドな排気音や厚いトルクは迫力を感じさせるものがあり、音も静かで高回転型のZ900は常用域はむしろ従順で扱いやすい印象を持たせる。
Z900RSを含めたライバル車との比較表。いずれも2018年モデルだ。
カワサキ「Z900シリーズ」の最新相場情報
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(自分だけのバイク選び)
ホンダGB350S(2021)試乗レビュー この記事では、手頃な価格と心地よい鼓動感が魅力のホンダGB350のスポーティーバージョン、GB350Sの2021年モデルについて紹介するぞ。現役レーシングラ[…]
ホンダCBR600RR(2020) 試乗レビュー 排気量も気筒数も関係ない、コイツがいい! 仕事柄、しばしば「スーパースポーツが欲しいんですけど、リッタークラスとミドルクラスのどっちがいいと思います?[…]
ホンダCBR600RR(2020) サーキット試乗レビュー 戦闘力と乗りやすさの最適バランスがここに 最後のモデルチェンジから7年ぶり! ホンダCBR600RRも控えめながらウイングレットを装備し、電[…]
ホンダCB400スーパーフォア試乗レビュー 姿は変わらずとも進化を続けた直4ネイキッド 教習車として多くのライダーを路上に送り出してきたエントリーモデルであるのと同時に、普通二輪免許で手にできるフラッ[…]
カワサキW800(2020) 試乗レビュー この記事では、レトロな見た目と味わい深いエンジン特性が魅力的なカワサキのW800の2020年モデルについて紹介するぞ。 [○]フロント19インチの味わい。こ[…]
最新の関連記事(Z900)
カワサキモータースジャパンは、2025年3月に開催予定の「第41回大阪モーターサイクルショー2025」「第52回 東京モーターサイクルショー」、4月に開催予定の「第4回名古屋モーターサイクルショー 」[…]
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは昨秋、欧州でZ750→Z800に連なる後継車として2017年に948cc並列4気筒エンジンを搭載したスー[…]
さとみ(すとぷり)がアンバサダーに就任! 日本二輪車普及安全協会は、2025年3月開催の「第41回 大阪モーターサイクルショー2025」および「第52回 東京モーターサイクルショー」の開催概要を発表す[…]
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン” カワサキは、2017年にZ750→Z800のさらなる後継車として948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z9[…]
ETC2.0車載器を標準装備するカワサキケアモデル カワサキはZ900の2024年モデルを発表。ニューカラーを採用し、赤フレーム×灰色ボディだった2023年モデルから、さらに赤を多用した“熱い”カラー[…]
人気記事ランキング(全体)
3種のグレードそれぞれに専用カラー カワサキモータースジャパンは、前18/後16インチホイールを履くロー&ロングフォルムなミドルクラスクルーザー「エリミネーター」シリーズの2025年モデルを発表した。[…]
【受注期間限定】SHOEI「EX-ZERO」新色モスグリーン 「EX-ZERO」は、クラシカルな帽体デザインにインナーバイザーを装備し利便性に優れる一方で、着脱式内装システムや、万一の際にヘルメットを[…]
“主婦向けスクーター”がゴールドラッシュに バイクが売れに売れた1980年代の日本。近年の2輪車販売台数が年間約40万台前後で推移しているのに対し、当時はその数300万台以上。俗に言う日本の「バブル期[…]
コーデュラ(R)ユーロ3Dメッシュジャケット:プロテクションと通気性を両立 ライダーの安全と快適を追求した一着。腕部分には耐摩耗性に優れたコーデュラ(R)素材を採用。万が一の転倒時にもダメージを軽減す[…]
PROSPECを謳い一人称カタログで語る自信のほど! ’80年代の2ストレプリカ時代を知るライダーは、’88のNSR250Rを史上最強のマシンに位置づけるファンが多数を占める。 実はホンダにとって2ス[…]
最新の投稿記事(全体)
ドゥカティ初の単気筒モタードモデル モタードモデルといえば、通常はオフ車の派生モデルとして作られるが、この「ハイパーモタード698モノ」は、ロードスポーツキャラに100%振りきって、車体剛性も高めに設[…]
従来のグローブとは異なり、ナックルカップのベースを浮かせて縫製 軽くて高防御性を誇るカーボンナックルだが、夏場にはナックルカップに熱が籠りやすく、操作時に甲部分が引っ張られるような感じがする。安全性を[…]
2013年モデル概要:電子制御ABSモデルもラインナップ 2003年7月の発売以来、安定した走りと高いポテンシャルによって、サーキットのみならず市街地でも快適なライディングを実現したスーパースポーツと[…]
カワサキ「Z900」(2018) 試乗レビュー この記事ではカワサキの大型ネイキッド、Z900の2018年モデルについて紹介するぞ。今や押しも押されぬ人気のZ900RSのベースとなった一台だ。 ※以下[…]
2025新型「MT-07」について概要を知りたいなら… こちらの記事をチェック。2025年モデル最大のトピックといえるのは、MT-09に続きクラッチ・シフト操作不要な「Y-AMT」仕様をラインナップし[…]
- 1
- 2