
ヤマハが、欧州および北米で2025年モデルとして発表済みの「YZF-R9」。日本へも2025年春以降に導入すると発表されており、2025年の各モーターサイクルショーで展示された際は、来場者のアツい視線を浴びていた。正式な発売のアナウンスが待ち遠しい今、ヤングマシンの人気記事とともに現時点で明かされている情報や魅力を振り返ってみよう。
●文:ヤングマシン編集部
新型スーパースポーツ「YZF-R9」の国内導入を2025年春以降に発表
欧州および北米ではすでに正式発表されている新型スーパースポーツモデル「YZF-R9」。日本国内にも2025年春以降に導入されると明らかになったのは、2024年10月のことだ。YZF-R6に代わる次世代のミドルクラススーパースポーツとして注目されている。
北米での価格は1万2499ドルで、これは最新型のMT-09 SP(北米価格1万2299ドル)とほぼ同額レベル。このことから、日本国内でも150万円を切る価格帯での登場が期待される。YZF-R9の開発コンセプトは“Re-DNAed Supersport”で、ミドルクラス最強のトラックパフォーマンスと、スキルやステージを選ばない取っつきやすさを両立した「懐の深いモデル」となる予定だ。
外観デザインは最新世代のR-DNAを受け継ぎ、とくに特徴的なウイングレットはフロントスポイラーと融合した先進的なスタイルを採用している。
おもな特徴としては、トルクフルなCP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)エンジン、ヤマハ歴代スーパースポーツ最軽量の新型アルミ鋳造フレーム、緻密な減衰コントロールが可能な前後KYB製新型サスペンション、先進的な電子制御システム(YRC、クルーズコントロールなど)、ラップタイム計測アプリ「Y-TRAC」連携機能などが挙げられる。
ヤマハの3気筒スーパースポーツがついに登場! ヤマハは、欧州および北米で正式発表されたYZF-R9を日本国内にも2025年春以降に導入すると明らかにした。価格や諸元については国内未発表だが、欧州仕様の[…]
ヤマハ新型YZF-R9、WSBKでレース仕様初公開!
2025年シーズンからワールドスーパースポーツ選手権(WSSP)へ投入され、すでに勝利を上げた新型YZF-R9のレース仕様。初お披露目されたのは、2024年10月18~20日にスペインのヘレスサーキットで開催されたワールドスーパーバイク選手権(WSBK)のレースウィークでのことだった。
デモランでは、長らくWSSPの主戦機であったYZF-R6の初代勝利ライダーであるジェームズ・ウィサム氏と、最後の勝利を挙げたステファノ・マンツィ選手が走行し、世代交代を印象付けていた。この時点で、ヤマハレーシングのSNSでは、新しい3気筒レーサーのサウンドも公開された。
R6の最初の勝利ライダーと現役ライダーがランデブー走行を披露 ヤマハは、これまでYZF-R6(欧州名:R6)で戦ってきたワールドスーパースポーツ選手権(WorldSSP=WSSP)に、来シーズンから新[…]
開発者が語る企画意図と車体 − MT-09エンジンをSSにする挑戦
開発者へのインタビュー記事前編。彼らの言によれば、需要低下の中でもスーパースポーツジャンルを大事にしたいとの思いからYZF-R9を開発したという。2022年登場のYZF-R7の成功(北米・欧州での販売好調やステップアップ層獲得)を受け、R7より本格的なSSとしてR9は企画が始まった。
本格的な走りを追求する一方、スーパースポーツに憧れるもポジションに不安を感じる層の声も聞き、軸足は本格スーパースポーツに置きつつも、ライディングポジションのキツさを和らげ、ツーリングでの快適性も考慮したという。
開発者が謳う「ミドル最強のトラックパフォーマンス」とは、最速のエキスパート向けではなく、多くの人にとってパフォーマンスを引き出しやすいという意味であり、「最強」という言葉にその狙いが込められている。公道で性能を使い切る楽しさという点では、YZF-R1の代替としても考えられる可能性を示唆した。
開発においてもっとも苦労したのは、MT-09の汎用エンジン(CP3)をスーパースポーツとして成立させることだったという。出力特性やエンジンの大きさ(前後長や幅)など、スーパースポーツには不利な点が多かったためだ。この課題を解決するため、フレームは新規開発されたアルミ鋳造フレームを採用している。
ステップアップの階段・R7の成功が生んだR9 YZF-R9の開発者・お二人にインタビュー 編集部:まずはYZF-R9(以下R9)の企画経緯や狙いを教えてください。 兎田:他社さんを含めてスーパースポー[…]
開発者が語るエンジン/足まわり/空力などのこだわり
開発者へのインタビュー記事後編。YZF-R9はMT-09の汎用エンジンをスーパースポーツとして成立させるため、エンジン本体の変更はコスト抑制のため点火時期や燃調などに留めた一方、車体各部に徹底的なこだわりが見られる。サスペンションはKYB製の新作で、全日本JSB1000クラスのファクトリーYZF-R1が使用する仕様とほぼ同等ながら、構造を工夫してコストを抑えつつ高性能を実現した。
とくにリヤショックにはR1以上の性能を持つKYBの特許技術が採用されている。ホイールはMT-09系のSFWではなく、YZF-R6用の流用。これはコストダウンのためではなく、R9の高い速度域で必要とされる剛性を満たすためであり、走行性能を優先した結果だという。
デザイン面では空力性能にこだわり、ヤマハ歴代スーパースポーツで史上最良のCd・A(空気抵抗係数×全面投影面積)値を達成した。特徴的なウイングレットはデザイン当初から織り込まれており、前方からの空気利用でダウンフォースを高める構造を持つ。
その効果はストリート向けに最適化されており、150km/h以上で安定効果を発揮するように調整されているという。電子制御も充実しており、モトGP由来のロジックをベースとし、MT-09の資産活用によりR1よりも多機能な面も持ち合わせている。
開発者は、ヤマハのスーパースポーツ開発哲学として「スタンダードでやり切る」姿勢があり、上級グレード(MやSP)の可能性は低いことを示唆している。
YZF-R9の開発者・お二人にインタビュー スピンフォージドホイールを非採用の理由とは? (前編から続く)編集部:エンジンですが、内部部品や吸排気系も含め、基本的にはMT-09と共通です。YZF-R9[…]
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