
昨シーズン、Honda二輪デザイナーとのコラボによるレインジャケットを発売して二輪業界をザワつかせたワークマンが、ライダー目線でさらに進化させたモデルを投入! 耐水圧、透湿度ともハイスペックな生地を使いながら、お値段は何と4900円。ブラックは4Lと6Lサイズもあるぞ!
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:大屋雄一 ●外部リンク:ワークマン
コラボモデルは継続販売、新作も生地は同スペックだ
イナレムプレミアム レインジャケット ライディングモデルは継続販売。色はグローイングレッド、カデットブルー、オーガニックグリーンの3種類。4900円。
昨年、Honda二輪デザイナー監修の「イナレムプレミアム レインジャケット ライディングモデル(4900円)」を発売したワークマン。これが大好評だったことから今シーズンも継続販売するとともに、さらに機能性を高めた「イナレムプレミアム バッグイン レインジャケット(4900円)」を追加した。
新作となるイナレムプレミアム バッグイン レインジャケット。色は写真のベージュ以外にブラックとモクグレーがある。4900円。
この新作レインジャケットの開発に協力したのは、当サイトでもおなじみのモーターサイクルジャーナリスト、相京雅行さんだ。今年も販売されている前作は、街でもスマートに着られることを目的としていたが、新作はライダー目線で各機能を強化しているのがポイントだ。
特徴的なのは前合わせで、前作は止水ファスナーの内側に防水用のフラップを設けていた。これはできるだけ街着っぽく見せるための工夫であり、少々の雨ならしのぐことができるが、降り方が強くなると少しずつ浸水していたのも事実。そこで新作では、一般的なレインジャケットと同様に、外側に二重のフラップを設けてきたのだ。
前合わせは止水ファスナー+二重アウターフラップで浸水をシャットアウト。
なお、生地については前作、新作とも共通で、耐水圧35,000mm、透湿度30,000g/㎡/24hというハイスペックな透湿防水3レイヤーを採用している。表面には撥水加工が施されているほか、縫い目はすべてシームテープで処理されている。
黒い帯状のものが、縫い目からの浸水を防ぐシームテープだ。
バックパック派に朗報! バッグインシステムを採用
その他、前作との大きな違いとしては「バッグインシステム」の採用が挙げられる。これは後ろ身頃のセンターにあるファスナーを開くとマチが大きく広がる仕組みで、バックパックを背負った状態でも上からこのレインジャケットを羽織ることができるのだ。大切な荷物も一緒に守れることから、このシステムはアウトドア全般で活躍するだろう。
バッグインシステムを展開した状態。大きめのバックパックも許容する。
裾にはドローコードが挿入されており、タイトに絞ることができる。
ポケットが使いやすく進化、フードのパッカブル構造は技アリ!
ポケットは前身頃に4か所ある。上部の二つは前作と同様にファスナー開閉式だが、手が差し込みやすい角度へと進化。また、下部のポケットはマチ付きの大容量タイプとなり、コンビニで買ったペットボトルやらおにぎりやらがたくさん放り込めたのには感動すらした。
前身頃のファスナーポケット。その上にはベンチレーションが設けられている。
下部の大容量ポケット。浸入した雨水は水抜き穴から排出される。
フードはエリの袋に収納するタイプではなく、ファスナーを閉じると身頃の方に垂れ下がる仕組みで、出し入れが非常に楽チンだ。さらに、展開したフードの中に本体がすべてしまえるパッカブル構造となっているのもポイントだ。
フードの中に本体をしまった状態。収納袋を紛失する心配がないのも良い。
防水性は非常に高く、蒸れ感も少ない。4900円はマジで“買い”だ!
商品が手元に到着して以降、雨天走行はまだ2回しか経験していないが、今のところ目立った浸水はなし。前合わせの二重アウターフラップ、そして袖口の面ファスナーによるアジャスターともきちんと機能しているほか、ベンチレーションの効果もあってか蒸れ感も少なめ。ライダー向けのレインジャケットしては及第点以上が与えられる。
フードを出した状態。遠目にはマウンテンパーカ風に見えるだろう。
袖口のアジャスターは幅が広く、グローブの裾をすっぽりと覆うことができる。
雨の日は周囲が暗くなるので、安全面を考えると被視認性も高めたいところ。このジャケットの背中と腕周りの縫製には反射糸が使われており、ライトを当てるとかなりの存在感を発揮するのだ。
ライトを当てたところ。実際にはもっと明るく反射する。
サイズ感としては、アウターの上に羽織ることを想定してやや大きめであり、心配な人は実店舗で確認してほしい。サイズはSから3Lの5種類で、ブラックのみ4Lと6Lを用意している。これを執筆している4月下旬現在、オンラインストアでは在庫切れとなっているが、店頭にたくさん流通しているほか、入荷通知リクエストを送っておくのも有効だ。上下セットのレインスーツはポケットが少なくて……、などと思っていたライダーにとっては、かなりハートに刺さるであろう秀作だ。
東京モーターサイクルショーのワークマンブースに展示されていた6Lサイズ。
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