伝説のマフラー”モリワキ フォーサイト”の復活と歴史的モデル群【当時のレースマシンも登場】

伝説のマフラー"モリワキ フォーサイト"の復活と歴史的マシン群【当時のレーサーも登場 】

2025年も約12万人を集客した東京モーターサイクルショー。さまざまな出展社が自慢のバイクやパーツを出展した中で、ひときわ異様な熱気に包まれていたのがモリワキのブース。なにしろ、20年ぶりのサイクルショー出展。ベテランバイカーはもちろん、若手ファンも多数が押し寄せていたのでした。レジェンドマシンの数々が飾られただけでなく、最新のコンプリートマシンやパフォーマンスパーツが所せましと展示され、「これまでのモリワキ、そしてこれからのモリワキ」なるスピリットを、存分に味わえたのではないでしょうか。


●文:ヤングマシン編集部(石橋 寛)

XSR900GPとの組み合わせでよみがえる”フォーサイト”

ベテラン、若手を問わずモリワキのブースで注目したのは、1980年代のモリワキを代表するマフラー、「FORESIGHT(フォーサイト)」の復活に違いありません。

ヤマハのネオレトロバイク、XSR900GPの登場にインスパイアされたモリワキが、ここぞとばかりに伝説的なマフラーを復刻。

Z1000Jレーサーや、同社の黄金時代を象徴するTT-F1マシン「ZERO-X7」に装着されていた特徴的なサイレンサーを、忠実に復元しています。

フォーサイトマフラーは、サイレンサー表面にT断面の放熱フィンを加えることで冷却効果をはじめ、効率的な消音性能も発揮するという優れモノ。

1980年代当時のデザインを踏襲しながら、現代の法規制もクリアする製品に仕上がっており、当然JMSAも認証済み。なお、ZERO-X7の実車も展示されていたので、これだけでもベテラン勢には感涙ものだったのではないでしょうか。

モリワキの黄金期を担ったフォーサイトマフラーがついに復活。装着されたXSR900GPは、往年のZERO-X7(CBX750Fベース)と同じカラーリングが施され、ベテランファンの胸を熱くさせていた。

1984年の全日本ロードレース選手権でTT-F1クラス初代チャンピオンに輝いたMORIWAKI ZERO-X7。レジェンドライダー、八代俊二/宮城光によって、1986年までクラスを席巻。ベテランファンには胸アツな1台に違いない。

“ZERO GP ANO”はCBR600RR向けで復活を遂げる

続く伝説的マシンはMD211VF(モリワキ・ドリーム211V ファイター)。2003~2005年のモト GPを戦い抜いたマシンそのもの。

これは、CBR600RR向けマフラー、ZERO GP ANOの復活にちなんだ展示であり、いずれもモリワキワークスカラーをまとっていたのが印象的でした。

ZERO GP ANOは、CBR600RR05-06(PC37)以来、20年ぶりにセンターアップ+右サイド2本出しフルエキという製品で、MD211VFからのテクニカルフィードバックを受け、ストリートでも迫力あるリヤビューとサウンドが味わえるモリワキらしさあふれる逸品です。

CBR600RR向けに20年ぶりの復活を果たしたZERO GP ANOフルエキゾースト。ご覧の通り、センターアップに加え右サイドを出す2本出しがインパクト大。モトGPで大活躍したMD211VFからフィードバックされたパフォーマンスはモリワキならでは。

マフラーエンドのアノダイズ(陽極酸化処理)仕上げは、もはや伝統工芸のレベル。これだけでも、モリワキを選ぶ価値がありそうだ。むろん、現代の法規もクリアしているJASMA認定品である。

MD211VFをオマージュしたモリワキカラーのCBR600RR。フルエキのほかにも、削り出しのバックステップやコアガード、ショートフェンダーなどもラインナップし、ストリート&サーキットを問わずモリワキのカスタムが楽しめる。

モリワキが世界最高峰のモトGPに挑戦したマシンがMD211VF。2004年のもてぎでは決勝で11位をゲットするなど、モリワキの夢とプライドが結晶したマシン。なお、最高出力は240ps、重量148kgと公表されている。

モリワキ初の「ハーレー専用マフラー」を開発

そして、ブース内でひときわ異様な存在感を放っていたのが、ハーレーダビッドソンのミドルクラスとして人気のX350。モリワキは、ハーレーの中でも別格と言われるXR750を彷彿とさせるX350に刺激を受け、同社初のハーレー専用マフラーを開発。

CROSS TWINスリップオンは、アメリカで人気のフラットトラックレースを意識したデザインで、精悍なブラック仕上げが特徴です。

また、エキゾーストのほかにもラジエーターコアガードやショートフェンダーもラインナップしており、ハーレーでもモリワキのテイストを存分に楽しめるようになっています。

モリワキが初めてハーレーダビッドソンを手かけたのが、ミドルクラスのX350。ツインマフラーをはじめ、ラジエーターコアガードやショートフェンダーといったパーツが用意され、フラットトラックレーサー気分が味わえるだろう。

ワイン・ガードナーが駆ったZ1000も展示

このほか、グロムのワンメイクレース「HRC GROM CUP」向け専用コンプリートマシンや、2020年に「アイアンスポーツ・エキスパート」に参戦したZ900RS MORIWAKI改も展示。

1981年にワイン・ガードナーが駆ったZ1000(MORIWAKI MONSTER)といったマシンたちが並ぶ様子は、モリワキファンならずとも胸を打たれるものがあったのではないでしょうか。

ワイン・ガードナーが駆ったZ1000をオマージュしたのが、2020年に作られたZ900RS MORIWAKI改だ。HSR九州で戦われたアイアンスポーツ・エキスパートに参戦し、2021年にはコースレコード、1分04秒276をたたき出している。

1981年にワイン・ガードナーがYZR500を駆るバリー・シーンと壮絶なバトルを繰り広げたのが、このZ1000 MORIWAKI MONSTER。通称、モナカ管とよばれるサイレンサーも一世を風靡するパーツだった。

HRC GROM CUP参戦用のコンプリートマシンは来場者がまたがれるというサービス展示。モリワキのパーツを15点あまり装着し、コンパクトなマシンながら独特の存在感を放っていた。

モリワキといえばビレットパーツといわれるほど、その人気は高い。マスターシリンダーキャップやオイルフィラーキャップなどラインナップは多岐にわたる。これらひとつでもモリワキのスピリットが感じられるはずだ。

削り出し&アノダイズ加工は今やモリワキのアイデンティティともいえるもの。数少ない本物のレーシングコンストラクターが作るパーツだけに、クオリティはもちろん、所有する喜びもひとしおだ。

細身のショート管はバイクのジャンルを問わず映えるパーツ。モリワキの文字が加わることで、そのパフォーマンスはもとより、存在感がワンクラス上がるはず。

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