
ここ数年、日本でのロイヤルエンフィールド人気は高まっており、インポーターも積極的なアピールを行っているが、またしても魅力的なモデルがジャパンプレミアされた。サドルシートにヘッドライトハウジング一体型メーターなど、随所に旧車の佇まいを纏った1台はその名も「ロイヤルエンフィールド クラシック 650」。モーターサイクルショーで来場者の人気を集めたクラシック 650。参考出品というカタチではあったが、どんなバイクなのかあらためてチェックしてみよう。
●文:ヤングマシン編集部(カイ) ●写真:ロイヤルエンフィールド ジャパン
英国生まれインド育ち:クラシック風味に全振りしたモデル
現存するオートバイブランドでは最古(大元のジョージ・タウンゼンド・アンド・カンパニーの創業は1851年! )と呼ばれ、1901年にオートバイの生産をスタートしたロイヤルエンフィールドは、生産拠点を英国からインドに移し、紆余曲折の末に現在はアイシャー・モーターズの傘下のもと、独自の製品を生み出している。
2024年にワールドプレミアされた「ロイヤルエンフィールド クラシック650」は、ブランドのDNAをエレガントかつ純粋な形で表現したものであり、同社曰く「ピュア・モーターサイクリング」の精神を体現したオートバイだと謳う。
ロイヤルエンフィールドのDNAを最も純粋に表現してきたクラシックシリーズの伝統を受け継いだクラシック 650は、同社初の並列ツインエンジン搭載車「500 Twin(1948年)」にインスピレーションを得たスタイリングを与えられ、クラシックシリーズ特有のタイムレスなエレガンス、職人技、そして懐かしさを現代に伝えるものだ。
まさに「ザ・バイク」といった風情のロイヤルエンフィールド クラシック 650。シングルシートで優雅な曲線を描くリアフェンダーと、キャブトンタイプのマフラーがセクシーなサイドシルエットを披露する。
水冷並列2気筒SOHCエンジンは650ccの排気量をもつ。空冷ならではのシリンダーヘッドのフィン、帽子のつばのような造形が与えられたヘッドライトハウジングも旧車の佇まいを演出。
レトロな外観で最新のテクノロジーを包む
アピアランスはその名の通りオートバイ黎明期の古風なムードを湛えており、ヘッドライトハウジング一体型のメーターや、シングルシート、正立のテレスコピックフロントサスペンション&リアツインショックサスペンション、ガソリンタンクにペイントされたブランド名など、旧き佳きオートバイの姿を如実に再現。
その一方で、安全性、快適性、利便性を向上させる多くの新機能を搭載しているのが現代流で、スタイリッシュでありながら明るさと視認性を向上させたLEDヘッドランプとポジションランプ、同様に安全性にも寄与するLEDウインカーを備え、スマホ時代に対応するUSB充電ポートも装備。
あらゆる体格とスキルのライダーにフィットする可動域が広い調整可能なクラッチ&ブレーキレバーや、ギアポジションインジケーター、メーター内にナビゲーションを表示する「Tripper」など、快適なツーリングのために最新技術が投入されているのも見逃せない。
バイクをライフスタイルで選ぶユーザーにおすすめしたい
1950年代のオートバイを彷彿とさせる広めのシート、オンロード専用に調整したサスペンション、アップライトで快適なライディングポジション、高速走行時にも振動の少ない並列650ccエンジンなど、旧車のような出で立ちでありながら現代の走行環境にマッチしたライドを提供するクラシック 650。
さらに今後、30種類以上の純正アクセサリーを展開予定で、例えばブラックとシルバーの2カラー展開となるステンレス製エンジンガードはスタイルと保護性能を両立する。
また、耐久性の高いアルミ素材を使用し、スタイリッシュかつ頑丈な構造でエンジン下部を保護するサンプガード(ブラック&シルバー)、プレス加工されたアルミ製で見た目と保護機能を兼ね備えるオイルクーラーガード(ブラック&シルバー)などは、実用性を高めながらスタイルを損なわない、純正ならではのアイテムだ。
そのほかにも、LEDフォグランプ(シルバー&ブラック)、ツーリング用&バーエンドミラー、デラックスステップ(ライダー&ピリオン)、ソフトパニア、オイルフィラーキャップなど、多彩なアクセサリーをリリースするという。
クラシック 650は、ライフスタイルに合わせたパートナーであり、雰囲気を楽しむキャラクターのオートバイとはいえ、最高速度は157km/hと充分以上の走行性能も持ち合わせ実用性は万全だ。
国内販売時期は未定だが、このスタイリングが刺さった人は今後のインポーターの動向に注目してほしい。
灯火類は古風なデザインだがすべてLEDを用いて安全性と視認性を高めている。クラシックバイクでよく見られるプレス加工をデザインに取り入れたヘッドライト周りに、トラディショナルな円形のテール&ウインカーが良い味を醸し出している。
メーターは視認性が高いアナログの速度計と、多彩な機能をもたせたデジタル表示が融合したタイプ。メーター内にナビゲーションを表示する「Tripper」も備わる。現代のオートバイらしくUSB充電ポートも標準装備。
ロイヤルエンフィールド クラシック 650のスペック
国内販売及び車両価格などは今のところ未定。スペックは海外仕様の数値で、国内導入される際には変更されるだろう。とはいえ、クラシック 650の魅力はそのスタイリングに負う部分が多く、数値はあまり気にならないというのが正直なところだ。
車名 | ロイヤルエンフィールド クラシック 650 |
全長×全幅×全高 | 2318×892×1137mm |
シート高 | 800mm |
乗車定員 | 2名 |
車両重量 | 243kg |
エンジン型式 | 空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ |
総排気量 | 648cc |
最高出力 | 47ps/5650rpm |
最大トルク | 52.3Nm/5650rpm |
変速機 | 6段リターン |
燃料タンク容量 | 14.8L |
タイヤサイズ前 | 100/90-19 |
タイヤサイズ後 | 140/70R18 |
ブレーキ前 | φ320mmシングルディスク ABS付 |
ブレーキ後 | φ300mmシングルディスク ABS付 |
※諸元はすべて海外仕様
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ロイヤルエンフィールド)
関東では200台以上が集結! 『One Ride 2025 in 関東』の会場となったのは、週末ともなると大勢のライダーの憩いの場所となっている『バイカーズパラダイス南箱根』(静岡県函南町)だ。この日[…]
世界に羽ばたくカスタムビルダー「CUSTOM WORKS ZON」 ZONは、吉澤雄一氏と植田良和氏によって2003年に設立されたカスタムファクトリーだ。彼らの真骨頂は、他に類を見ない高いデザイン力と[…]
インドにも影響を与えたヒッピー文化をオマージュ ロイヤルエンフィールドジャパンが「ゴアンクラシック350」を正式発表。4つのカラーバリエーションをラインナップし、価格は74万9100円から。2025年[…]
“クラシック”シリーズ初の2気筒モデル ミドルクラスでグローバルな存在感を増しているロイヤルエンフィールドは、空冷350cc単気筒シリーズと空冷650cc 2気筒シリーズを多数展開。これに水冷450c[…]
スペシャルラテを飲みながら新型 ハンター350を堪能 東京・浅草の雷門の近くにあるカフェ「ORTIGA(オルティガ)」。ライダーが集うライダーズカフェとしても有名だ。 そのORTIGAで、8月17日([…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
それぞれホイール色も異なるカラー展開 カワサキがZ650RSの2026年モデルを発表した。カラーバリエーションは2色とも新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリッ[…]
デザイン刷新&Eクラッチ採用の2024年モデルからカラーバリエーションを変更 ホンダは欧州で、2024年モデルのマイナーチェンジでデザイン変更とEクラッチ(Honda E-Clutch)搭載仕様の追加[…]
スーパースポーツ譲りのエンジンと幅広いシーンに対応する車体 CB1000Fは、ホンダの代表的なプロダクトブランド「CB」のフラッグシップモデルと位置づけられている。 スーパースポーツモデルのエンジンを[…]
多くのカラーパターンを採用するCB350C、特別な2色のスペシャルエディション ホンダはインドでCB350C(日本名:GB350C)を発表した。これは前年に登場したCB350を名称変更したもので、従来[…]
青ベース、白ベースそれぞれのツートーンが登場 カムシャフトの駆動にベベルギヤを用いた、美しい外観の空冷バーチカルツインエンジンを搭載(バーチカルは垂直に立ったシリンダーを指す)するW800は、360度[…]
人気記事ランキング(全体)
北米レブル300にEクラッチ仕様が登場 ホンダEクラッチが世界戦略進行中だ。欧州で人気のグローバル車・CBR650R/CB650Rを皮切りに、日本では軽二輪クラスのベストセラーであるレブル250に搭載[…]
乗ってみた! APトライク250 やっと乗るチャンスがやってきました。APトライク250を作った、株式会社カーターさんのご協力によるものです。ありがとうございます! 以前は同様にAPトライク125も体[…]
最新Z900/Z500らに共通する3眼LEDヘッドライトやファットバーを採用してデザイン刷新 カワサキは欧州で、2026年モデルとして新型車「Z650 S」を発表。つい最近、スタンダードの「Z650」[…]
世界初公開の2機種はいずれもモーターサイクル カワサキが発表したジャパンモビリティショー2025出展モデルで確定しているのは、日本初公開となる「Z1100 SE」、スーパーチャージドエンジンを搭載した[…]
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
最新の投稿記事(全体)
90年代の魂を注入! アールズギア×TSR「ネオクラシック・レベリオン」 CB1000Fコンセプトを大胆にカスタムした「Neo-Classic Rebellion CB1000F Concept Mo[…]
F1の英雄アイルトン・セナとドゥカティから続く熱い絆 セナとバイクのつながりが最初に報道されたのは、おそらく1990年のことでしょう。当時、ドゥカティのオーナーだったクラウディオ・カスティリオーニが8[…]
2023年ローンチのSmaChariシステムがさらに広がる! いつか自転車通学を楽にするものをつくりたい……。そんな想いでホンダの若手エンジニアが立ち上げた「SmaChari」は、自転車を電動アシスト[…]
防水・防寒性能も万全。オールシーズン対応のスタイリッシュパーカ:MOBLAST WP JACKET 街の景色に溶け込むことを意識した、スタイリッシュな防水パーカ。メイン生地に防水メンブレンとソフトシェ[…]
最新Z900/Z500らに共通する3眼LEDヘッドライトやファットバーを採用してデザイン刷新 カワサキは欧州で、2026年モデルとして新型車「Z650 S」を発表。つい最近、スタンダードの「Z650」[…]
- 1
- 2