
2025年3月28日(金)~30日(日)にかけて、東京ビッグサイトで開催された「第52回東京モーターサイクルショー」。そこでは警視庁のブースが設けられており、各種白バイの展示も行われてた。なかでも来場者の注目を集めていたのが、ホンダのNT1100をベースとした新型の白バイ「NT1100P」。ヤングマシンでは、それに先行して北米仕様向けをスクープしていた。当時の仕様を踏まえつつ、日本仕様との差異をレポートする。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ホンダ
初公開の海外向けNT1100白バイ仕様がほぼ日本仕様だった
2024年11月に、ホンダが2輪メディア向けの編集長ミーティングで公開していたのが、白バイ仕様のNT1100海外向けモデル「NT1100P」だ。ホンダはこれまでにも海外向けの白バイを製作していたが、仕向け地によって、ST1300だったり、NC750Xだったりと複数のバリエーションがあった。これを今後はNT1100に統合していくということで、北米と欧州向けの車両が公開されたという経緯だった。
NT1100P(海外向け)
NT1100は開発当初から白バイ需要を織り込んでいたといい、車体を見ても最小限のモディファイで白バイ化していることがわかる。話を聞いても市販車との性能差はなく、白バイならではの艤装取り付けのボスをフレームに追加した程度だと言う。大型のパニアケース装着を最初から織り込んだ設計となっている、ツーリングモデルならではの強みと言えるだろう。
追加装備はサイレン、ランプ、ボックスなどで、シングルシート化もされている。このほか、メーターやハンドルまわりはNT1100のノーマル仕様と同じ。ここで気になったのは、展示用とはいえ赤色灯が日本向けの仕様になっていたことだった。
ホンダによれば、この時点では日本向けの製作が決まったわけではなく、警察からの要望があれば……というのが公式回答だったが、すでに知られている通り、NT1100Pの全国導入は決定済み。現に、宮崎県警交通機動隊が運用をスタートしたというニュースが月初にあったくらいだ。
ちなみにベース車はマニュアルトランスミッション(MT)仕様であり、海外でも白バイはDCTではなくMTが望まれるのだとか。今までと違うことを嫌う保守的な性格が見て取れるのも面白いところだ。
噂されるEクラッチ仕様のNT1100が登場すれば、MTとDCTのいいところ取りのようになるはず。どうなっていくか、気になるところだ。
左が2024年12月に北米仕様として公開されたNT1100P。日本仕様の赤色灯は取り外されている形だ。右は、東京モーターサイクルショー公開の国内仕様。ステッカーを除けば、ほぼ編集長ミーティング時に公開されたモデルと変わらなそうだ。
NT1100 POLICE(編集長ミーティング時仕様)ディテール
ベースのNT1100について振り返っておこう。2022年に初登場したツーリングモデルで、主力市場である欧州ではツーリングセグメントにおいてトップセラーを記録。「NT1100P」は、マイナーチェンジを実施した2025年モデルから開発された。生産は熊本製作所で行われており、国内はもちろん海外各国の警察に納入予定だ。
アメリカでは、2025年5月からの発売がすでにアナウンスされている。
Honda NT1100P
Honda NT1100P
マニュアルトランスミッション仕様ということがわかるクラッチレバー。極低速での機敏な取り回しなどを追求するなら手動でクラッチを操作したいというのが白バイ隊員の想いだろう。噂されるEクラッチ仕様は、東京モーターサイクルショーでも確認できなかった。
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