
スタンダードなら2019年10月、”S”グレードなら2022年2月に発売された後、国内ラインナップからディスコンとなるなど、それぞれ数年振りの復活となった新生KLX230シリーズ。新型はフレームの一部を再設計するなど、大掛かりな改良を受けてより現代的なものに。エンジンも、令和2年排出ガス規制に適合した最新仕様だ。バラエティ豊かな同車の魅力を、ヤングマシンの人気記事とともにおさらいしよう。
●文:ヤングマシン編集部
2025新型「KLX230」「KLX230 S」について知るなら…
KLX230シリーズの振り返りや、無印/Sについてまずおさらいしたいなら、こちらの記事をチェック。
カワサキがKLX230シリーズをモデルチェンジし、2025年モデルとして発売したのは、2024年11月27日のこと。以前のモデルは、標準仕様が2019年10月、車高を下げてフレンドリーにした“S”仕様が2022年2月に発売されたものを最後に国内ラインナップから外れていたが、新型はフレームの一部を再設計するなど大掛かりなモデルチェンジを受けて復活した。
エンジンは従前のものを最新排出ガス規制に適合させつつ、吸気ポートの改良やECU設定の見直しなどにより低中回転域のトルク特性を改善。これを搭載するペリメターフレームは、サブフレーム(シートレール)位置を最適化することでシート高を低くしつつウレタン厚を増加させ、快適性と足着き性の両方を向上。さらに最低地上高を確保しながらサスペンションストロークを増加し、走破性も向上している。
前モデルと顕著に違うのはKLX230Sのほうで、シート高をなるべく抑制しながらも走破性を大きく向上したことが伺えた。また、キャスター角/トレール量もクイック方向に振られており、軽快なハンドリングを実現した。
サスペンションをロングストローク化しつつ抑えたシート高を両立 カワサキはKLX230シリーズをモデルチェンジし、2025年モデルとして発表した。以前のモデルは、標準仕様が2019年10月、車高を下げて[…]
2025新型「KLX230 シェルパ」について知るなら…
新トレッキングマシン「KLX230 シェルパ」についてなら、こちらの記事をチェック。実はデリバリーまでに紆余曲折があり、2024年11月15日の発表時には11月27日発売とされたが、その後に諸事情で発売日を延期され、2024年12月25日に発売された。
ベースになっているのは同時発表されたKLX230Sで、前後サスペンションのホイールトラベルやシート高などは同スペックとなっている。標準車高バージョンのKLX230からはシート高で35mm、前後ホイールトラベルでは前40mm/後27mmがそれぞれ短縮され、取っつきやすい性格になっているのが特徴。ボディカラーは全3色のラインナップだ。
KLX230シェルパならではの特徴はハンドガード、アルミ製スキッドプレート、スタックパイプなどの追加装備。様々な状況を、タフに走り抜けるトレッキングムードを高めている。一体型ヘッドライトカウルから変更されたメーターバイザー、ショートタイプのシュラウドやサイドカバーなども専用デザインだ。
消えてしまったセロー250の穴をカワサキが埋める?! カワサキの新トレッキングマシン「KLX230 シェルパ」は、2024年11月15日の発表時には11月27日発売とされたが、その後に諸事情で発売日を[…]
2025新型「KLX230SM」について知るなら…
スーパーモトモデル「KLX230SM」が気になるなら、こちらの記事をチェック。新型は、フレームの一部を再設計し、前後ホイールトラベルを変更、エルゴノミクスを一新し、スマートフォン接続機能も手に入れ、2025年1月13日に発売された。
最低地上高こそ、前モデルから10mm減少したものの、リヤホイールトラベルを増加。フロントはφ37mm倒立フォークのスロトークを従来の204mmから188mmとすることで、ブレーキング時のピッチングを抑制。安定性を向上している。キャスター角が立て気味になったことで、クイックなハンドリングとなった。
加えて、モトクロッサーKXゆずりの精悍なスタイリングやエルゴノミクス、コンパクトなLEDヘッドライトと新デザインのヘッドライトカバー、ブラックアルマイトのホイールリムなどを採用。新作のリヤブレーキマスターシリンダーは100gの軽量化を達成している。
シート高を5mm下げながらリヤサスを伸長 カワサキはKLX230シリーズをモデルチェンジ。11月27日発売のトレールモデルに続き、2025年1月13日にスーパーモトモデル「KLX230SM」を発売する[…]
元/現役セロー乗りで乗り換え先を探しているなら…
ヤマハの名機セロー好きで、KLX230シリーズが気になっている方は、こちらの試乗レビュー記事をチェック。
KLX230シェルパの開発者は、「セロー250を意識しなかったわけではないが熱心に研究するほどライバル視していたわけではない」といったことを発言していたが、ユーザー目線からすれば『セローの代わりになるのか』はひとつの大命題。公道市販トレールバイクとしてどうなのかを念頭に置きつつ、KLX230シェルパがセローの乗り換え候補となるか確かめてみたというわけだ。
結論を伝えてしまうと、またいつか軽二輪クラスのトレールバイクを買おうと思っている筆者にとって、KLX230シェルパは有力な候補のひとつになったという。
ナックルガードを軽量シンプルな純正ハンドカバーに交換し、ヒット時の防護性能ではナックルガード>ハンドカバーだが防風性はだいたい変わらず、簡素な造りゆえに軽量で、転倒時のレバー折れを防ぐ機能も多少は期待できるはずだし、なんならスタックパイプとスキッドプレートの分はフロントフォークの突き出しを1mmほど減らして……と妄想が止まらなくなった様子。
ベースモデルとなったKLX230Sと比較してみると、意外と乗り味の違いもあったというから面白い。
モデルチェンジしたKLX230Sに加え、シェルパの名を復活させたブランニューモデルが登場 カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やS[…]
番外編:海外では農業・牧畜向けのバリエーションもあり
インドネシアやオーストラリア、ニュージーランドなどでは、“働く4スト”といえる「ストックマン」といったバリエーションモデルが展開されている。
こちらは2020年モデルの海外仕様KLX230がベース。農場や牧場で使うのに適した頑丈なスキッドプレートやエンジンガード、大型キャリア、大型リヤフェンダーなどが装備されている。
さらに、前後にはエンデューロタイヤを履き、左右にアルミ製レバーガード、ギヤを入れっぱなしで停車しておけるクラッチレバーロック、デュアルサイドスタンド(左右にスタンドがある!)と、使い勝手も一般的なトレールバイクと異なるのが特徴だ。
右にもサイドスタンドがあるよ! KLXといえば、初代KLX250が登場したときのキャッチコピー“闘う4スト”を覚えているベテランライダーも多いことだろうが、カワサキがインドネシアやオーストラリア、ニュ[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI] | 新型軽二輪 [126〜250cc])
9/10発売:スズキ アドレス125 まずはスズキから、原付二種スクーターの定番「アドレス125」がフルモデルチェンジして登場だ。フレームを新設計して剛性を高めつつ軽量化を実現し、エンジンもカムシャフ[…]
コンパクトな車体に味わいのエンジンを搭載 カワサキのレトロモデル「W230」と「メグロS1」が2026年モデルに更新される。W230はカラー&グラフィックに変更を受け、さらに前後フェンダーをメッキ仕様[…]
2025年モデルの登場から間もないニューカラー設定 2024~2025年の年末年始に発売されたKLX230シリーズがマイナーチェンジ。既報のKLX230シェルパSおよびKLX230 DFは車体まわりに[…]
早くもモデルチェンジで“S”版に! ベーシックな空冷トレールモデル カワサキの新トレッキングマシンとして2024年12月25日に発売されたばかりのKLS230シェルパが早くもモデルチェンジ。2026年[…]
まるで自衛隊用?! アースカラーのボディにブラックアウトしたエンジン&フレームまわり 北米などで先行発表されていたカワサキのブランニューモデル「KLX230 DF」が国内導入されると正式発表された。車[…]
最新の関連記事(KLX230シリーズ)
9/10発売:スズキ アドレス125 まずはスズキから、原付二種スクーターの定番「アドレス125」がフルモデルチェンジして登場だ。フレームを新設計して剛性を高めつつ軽量化を実現し、エンジンもカムシャフ[…]
2025年モデルの登場から間もないニューカラー設定 2024~2025年の年末年始に発売されたKLX230シリーズがマイナーチェンジ。既報のKLX230シェルパSおよびKLX230 DFは車体まわりに[…]
早くもモデルチェンジで“S”版に! ベーシックな空冷トレールモデル カワサキの新トレッキングマシンとして2024年12月25日に発売されたばかりのKLS230シェルパが早くもモデルチェンジ。2026年[…]
まるで自衛隊用?! アースカラーのボディにブラックアウトしたエンジン&フレームまわり 北米などで先行発表されていたカワサキのブランニューモデル「KLX230 DF」が国内導入されると正式発表された。車[…]
SHERPA LIFE スタートキャンペーン キャンペーン概要 対象期間中、カワサキプラザで”KLX230 SHERPA”の新車を成約した方に、カワサキプラザアパレルや純正アクセサリーの購入、さらにオ[…]
人気記事ランキング(全体)
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
コンパクトで使いやすいワイヤーロック ヘンリービギンズの「デイトナ ワイヤーロック DLK120」は、質量約90gの軽量設計で、ツーリング時の携行に適したポータブルロックです。ダイヤルロック式のため鍵[…]
日本仕様が出れば車名はスーパーフォアになるか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「Ninja ZX-4R」が登場し[…]
どうする? スクーターのエンジンがかからない ※これはまさに、筆者が直面した実話です。我が家のスクーター(TODAY)に乗ろうと思って、車庫から引っ張り出しました。ちょっと久しぶりですね。エンジンをか[…]
50レプリカのフルサイズからミニバイクレースを経てデフォルメフルサイズへ! VR46カラーのTZR50……実はヨーロッパで1997年から2012年まで生産されていたイタリアのミナレリ製エンジンで、現地[…]
最新の投稿記事(全体)
世界に羽ばたくカスタムビルダー「CUSTOM WORKS ZON」 ZONは、吉澤雄一氏と植田良和氏によって2003年に設立されたカスタムファクトリーだ。彼らの真骨頂は、他に類を見ない高いデザイン力と[…]
軽さと安全性を両立した定番モデル プーマセーフティー「ライダー2.0 ロー」は、JSAA A種認定を取得した先芯合成樹脂を装備し、衝撃吸収機能を備えたメンズ用安全靴です。Amazonレビューは4.0([…]
コンパクトで携帯性に優れた携帯灰皿 「プルプラ クリップオンケース」は、ヒートスティック(加熱式タバコ)専用の携帯灰皿です。商品重量は約10gと非常に軽く、ポケットやバッグの隙間でも邪魔になりません。[…]
トレリスフレーム+ユニトラックサスペンションの本格派 カワサキは欧州で、15psを発揮する水冷125cc単気筒エンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、前後17インチホイールを履かせたフルサイズス[…]
2025年モデルで排気量アップしたニンジャ1100SX カワサキは欧州で、スポーツツアラーの2シリーズを2026年モデルに更新。「ニンジャ1100SX」および「ニンジャH2 SX」それぞれの標準モデル[…]
- 1
- 2