
ホンダ CX500が口火を切り訪れた、日本バイク界における“ターボエンジンの時代“。ホンダだけではなく、各社競うようにターボ車の開発に注力し、各社それぞれの、リッターマシンのパワーに迫ろうとした。そんな中カワサキが目指したのは「世界最強最速のターボモデル」だったのだ。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部
ブーム末期に登場した最強のターボバイク【カワサキ750ターボ】
カワサキ750ターボは、ターボバイクとしては最後発となるものの、「世界最強最速」をコンセプトに開発されたマシンだ。
当時のカワサキのフラッグシップであるGPz1100に匹敵する112psものパワーを発揮した。
タービンは日立製で、最高速度はナナハンクラスながら235km/hを記録したという。
軽量さもウリで、ゼロヨン加速でもライバルを圧倒した。ただし、ターボ特性が強いこともあり、乗り手を選ぶワイルドなマシンでもあった。
1984 KAWASAKI 750 TURBO
カワサキ750ターボの主要諸元
- エンジン種類:空冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ
- 総排気量:738cc
- 最高出力:112ps/9000rpm
- 最大トルク:10.1kg-m/6500rpm
- 車重:233kg
- タイヤ:F=110/90-18 R=130/80-18 ※輸出モデル
カワサキ750ターボの詳細
エンジンは空冷DOHC2バルブのGPz750系で、そこにターボを搭載している。
極力ターボラグを減らす目的で、排気口の近くにターボを配置。吸気方式はインジェクション方式を採用した。
馬力を追求した故か、とてもピーキーな出力特性が印象的。一説にはレース対応も考慮して作られていたとの話もある。
メーターはGPzシリーズと共通の異径2連メーターだ。タコメーターには、ボタンを押すと作動する電圧計が組み込まれていた。
各表示パネルが多く、人気のGPZ900Rニンジャシリーズよりも、スパルタンなコックピットとなっている。
エンジン。排気口近くにターボが配置されていることが分かる。
メーターは2眼タイプ。
カワサキ750ターボのプロトモデル
1981年のモーターショーに登場したプロトモデルは、リベットを意匠とした航空機を連想させるカワサキらしいデザインだった。
1981 KAWASAKI 750 TURBO PROTO TYPE
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事([連載]青春名車オールスターズ)
“レーサーと同時開発”にシビレた、当時のライダーたち 1983年、ホンダは初の2スト250ccロードスポーツ、MVX250Fを送り出したが、不振に終わった。意地のホンダは早くも1年後、威信を賭けたマシ[…]
スズキRG250Γ(ガンマ):レーサーそのものの仕様に大歓喜 1983年、ようやく運輸省(当時)がカウリングとセパレートハンドルを認可。Γ(ガンマ)は、その恩恵を受け、車体を一気に”近代化”した第1号[…]
ホンダVT250F:4ストロークエンジンに懸けたホンダ 爆発的に売れた2ストのRZ250に対抗するため、1982年、ホンダは4ストロークV型2気筒のVT250Fを投入する。 ホンダには4ストへのこだわ[…]
ヤマハRZ250:4スト化の時代に降臨した”2ストレプリカ” 1970年代、国内における250ccクラスの人気は低迷していた。 車検がないためコスト的に有利だが、当時は車体設計が400ccと共通化され[…]
スズキGSX400FSインパルス:誕生の背景 カワサキZ400FX、ヤマハXJ400に続き、400cc4気筒ウォーズに3番目に名乗りを上げたのはスズキだった。 1981年4月に発売されたGSX400F[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
“レーサーと同時開発”にシビレた、当時のライダーたち 1983年、ホンダは初の2スト250ccロードスポーツ、MVX250Fを送り出したが、不振に終わった。意地のホンダは早くも1年後、威信を賭けたマシ[…]
先進技術満載の長距離ツアラーに新色 発売は、2020年1月24日。1975年のGL1000以来、旗艦ツアラーとして君臨し、ホンダを代表する1台でもあるプレミアムモデル「ゴールドウイング」シリーズは、1[…]
ホンダ横型シリンダーなら何でもOK このミーティングは、モンキーを謳いつつも、ホンダの横型シリンダーエンジンの車両ならどの機種でも参加可能。モンキーなら元祖の1961年式Z100からFI採用の現行型ま[…]
8耐の熱い走りを思わせるライムグリーンと赤の差し色 2020年モデルの発売は、2019年9月1日。250ccと基本設計を共通化した2018年モデルにおけるフルモデルチェンジ時のスペックを引き継ぐ形で登[…]
スズキRG250Γ(ガンマ):レーサーそのものの仕様に大歓喜 1983年、ようやく運輸省(当時)がカウリングとセパレートハンドルを認可。Γ(ガンマ)は、その恩恵を受け、車体を一気に”近代化”した第1号[…]
人気記事ランキング(全体)
コラボモデルは継続販売、新作も生地は同スペックだ 昨年、Honda二輪デザイナー監修の「イナレムプレミアム レインジャケット ライディングモデル(4900円)」を発売したワークマン。これが大好評だった[…]
誤操作が少なくシンプルな構造で実現するという もう何十年も前から完成形に至っているような印象を受けるホンダ「スーパーカブ」シリーズだが、ホンダは今も改良の手を緩めているわけではない──。そんな気概を感[…]
振動の低減って言われるけど、何の振動? ハンドルバーの端っこに付いていいて、黒く塗られていたりメッキ処理がされていたりする部品がある。主に鉄でできている錘(おもり)で、その名もハンドルバーウエイト。4[…]
力むとライダーの荷重がタイヤに対し遅れて上下! よくバイクに乗るときは、力んだりせずにチカラを抜いてリラックスするようにいわれる。 もちろん緊張をほぐして余裕をもって操作しようという気持ちの部分もある[…]
250ccクラスは16歳から取得可能な“普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は全部で7種類ある。原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制[…]
最新の投稿記事(全体)
“レーサーと同時開発”にシビレた、当時のライダーたち 1983年、ホンダは初の2スト250ccロードスポーツ、MVX250Fを送り出したが、不振に終わった。意地のホンダは早くも1年後、威信を賭けたマシ[…]
先進技術満載の長距離ツアラーに新色 発売は、2020年1月24日。1975年のGL1000以来、旗艦ツアラーとして君臨し、ホンダを代表する1台でもあるプレミアムモデル「ゴールドウイング」シリーズは、1[…]
ホンダ横型シリンダーなら何でもOK このミーティングは、モンキーを謳いつつも、ホンダの横型シリンダーエンジンの車両ならどの機種でも参加可能。モンキーなら元祖の1961年式Z100からFI採用の現行型ま[…]
ひと目でEVとわかる先進的なスタイリング こちらが今回発表された「CUV e:」! Hondaはこれまで、EVバイクとしてパーソナル向けに原付一種の「EM1 e:」を市販化していますが、CUV e:は[…]
取り扱いが始まった4輪用ブレンボを装着したロードスターと2輪用ブレンボを装着したMC Gemma GPZ900R カスタムの提案として、ブレンボ/アクラポビッチ/モートーンは最大面積での展示 アクラポ[…]
- 1
- 2