
トライアンフモーターサイクルズジャパンは、大幅なアップデートを果たしたミドルクラスのネイキッドスポーツ『TRIDENT 660(トライデント660)』の2025年式を発表した。全国のトライアンフ正規販売店にて、2024年冬から販売開始となる。
●文:ヤングマシン編集部(山下剛) ●写真/外部リンク:トライアンフモーターサイクル
電子制御デバイスとフロントフォークが進化!
2021年に登場したトライデント660は、660cc水冷並列3気筒エンジンを搭載するスポーツネイキッドで、タイで生産することで販売価格を抑えることに成功したグローバル戦略モデルだ。このたび全面アップデートを果たした新型も、国内販売価格は従来型と変わりなく100万円を切る99万5000円(ただしツートーンカラーは100万8000円)で、手軽なミドルクラススポーツとしての地位を確立している。
【Triumph TRIDENT 660】主要諸元■全長2020 全幅795 全高1089 軸距1401 シート高805(各mm) 車重190kg■水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ 660cc 81ps/10250rpm 6.5kg-m6250rpm 変速機6段 燃料タンク容量14L■タイヤサイズF=120/70R17 R=180/55R17 ●価格:99万5000円(黒)、100万8000円(赤×黒、黄×黒、青×黒) ●色 黒、赤×黒、黄×黒、青×黒 ●発売日:’24年冬以降
アップデート内容の主だった点は、電子制御デバイスの最新化と、フロントフォークの高性能化だ。電子制御デバイスでは、6軸IMUを新たに採用した。これによりABSとトラクションコントロールはコーナリング対応となり、安全性をよりいっそう高めた。これと同時に各種電子制御デバイスを進化させている。
ライディングモードは、従来型の『ロード』、『レイン』に『スポーツ』が加わり、合計3種に増加。また、従来型ではオプションだったクイックシフターが標準装備となり、スムーズはシフトチェンジを実現。さらにクルーズコントロールも装備することで、長距離走行時の快適性を高めた。
また、同様にオプションだった『マイトライアンフ コネクティビティユニット』も標準装備となり、スマートフォンとBluetoothで接続するとターンバイターンナビゲーション、音声通話、音楽、GoProコントロールを利用できる。街乗りからツーリングまで、利便性を高める機能だ。なお、メーターは従来型から引き続き、円形TFTディスプレイを採用し、オートキャンセルウィンカーも継承された。
ちなみに、オプションにはグリップヒーター、スクロール(シーケンシャル)ウィンカー、タイヤ空気圧モニター、USBチャージャーが用意される。
フロントフォークはグレードを上げ、ショーワ製SF-BPF(セパレートファンクションビッグピストンフォーク)41mm倒立フォークを採用した。これにより走行安定性や操縦性が向上し、軽快なハンドリングに磨きをかけている。
そのほかの足まわりは、ショーワ製モノショックRSU(プリロード調整機構付き)、ニッシン製の前後ブレーキキャリパー、ミシュラン製ロード5タイヤを装着する。シート高やキャスター角、車重は従来型と同一だが、ホイールベースは1mm増加した1401mmとなる。燃料タンク容量も14Lから変更はない。
エンジンは、ボア×ストローク、排気量、最高出力、最大トルク、いずれも数値に変わりはない。最大トルクの90%以上を3600rpmから発生する並列3気筒エンジンは、低回転域から高回転域まで伸びやかに回る特性を持っている。
電子制御デバイスの充実とフロントフォークの高性能化を果たしつつも、従来型と同一の車両価格(ジェットブラックのみ)を実現したことで、トライデント660の安全性と快適性、商品価値、そして爽快なライディングフィールはますます高まった。街乗りからツーリングまで気軽に乗れて、しかもストレスを感じることなく交通の流れをリードできるパワーと、ミドルサイズという扱いやすい車格は、またひとつ熟成が進んでその魅力を増した。ビギナーからベテランまで幅広いライダーの支持を集めそうだ。
カラーバリエーション
車体色は全4色とバリエーション数は同じだが、グラフィックを一新。スタンダードとなるジェットブラック(黒)は、タンクサイドとテールカウルのグラフィックを変更するとともに、ラジエターシュラウドをシルバーからブラックに変更した。
ジェットブラックよりも1万3000円高となるツートーンカラーの3色は、ステアリングヘッド周辺からスイングアームにかけて描かれるホワイトのツインストライプによって、スポーティかつポップな印象のグラフィックに仕上がっている。ツートーンカラーはサファイアブラックを基調として、ディアブロレッド(赤)、コスミックイエロー(黄)、コバルトブルー(青)が揃う。
ジェットブラック
ディアブロレッド
コスミックイエロー
コバルトブルー
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型バイク(外国車/輸入車))
アルプスと砂漠、過酷なフィールドをテーマにした2つの個性 タイガーファミリーは、トライアンフのアドベンチャー性能を純粋に表現するモデルだ。俊敏なミドルクラスの900から威風堂々としたリッター超クラスの[…]
アプリリアの伝統を受け継ぐ、全ルート走破型スクーター SR GT 400は、ミドルクラスながらマルチパーパスを意識したアドベンチャースクーターだ。街中での俊敏なレスポンスはもちろん、林道ツーリングでも[…]
QJ LOVER Kayo が感じた ”リアルなQJ MOTORの魅力” を 毎月ここから発信していきます。 —— Let’s MOTOR Talk ! —— モデル・通訳として活動している時任カヨが[…]
革新メカERC装備の本格アドベンチャー EICMA2024、そして今春の東京モーターサイクルショーでも展示された「Concept F450GS」が、EICMA2025で正式モデル「F450GS」として[…]
気鋭のクルーザー専業ブランドによるカスタムクルーザー 以前に試乗記事などをお届けしたBENDA(ベンダ)がいよいよ本格上陸する。日本での輸入販売を手掛けるウイングフットより取り扱い開始が発表されたのだ[…]
最新の関連記事(トライアンフ)
アルプスと砂漠、過酷なフィールドをテーマにした2つの個性 タイガーファミリーは、トライアンフのアドベンチャー性能を純粋に表現するモデルだ。俊敏なミドルクラスの900から威風堂々としたリッター超クラスの[…]
TRICKSTAR初のTRIUMPHマフラー、登場 SPEED400/SCRAMBLER400X 政府認証スリップオンマフラー 外観は、取り付け角度やサイレンサーの上がり具合まで徹底的に検証[…]
世界中のビルダーがボンネビルをカスタム 今回開催されたバイクカスタムの世界規模コンペティションには、世界各地から8チームが参加。その中からファイナリストに選出されたのは、ブラジル、フランス、イタリア、[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」。 今回は、2025年モデルで各部のブラッシュアップが行われたトライア[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
人気記事ランキング(全体)
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
深いグリーンにヤマハ1980年代イメージのストライプ入り ヤマハはインドで、日本でいう軽二輪クラス(126~250cc)にあたるネオクラシックネイキッド「XSR155」を同地域に初めて導入すると発表し[…]
着る季節を選ばない設計と、高速走行を意識したディテール 春から冬まで対応できる点が、このモデルの大きな魅力だ。表地には防風性とストレッチ性を備えたソフトシェル素材を使用しており、ライディング時の冷たい[…]
アプリリアの伝統を受け継ぐ、全ルート走破型スクーター SR GT 400は、ミドルクラスながらマルチパーパスを意識したアドベンチャースクーターだ。街中での俊敏なレスポンスはもちろん、林道ツーリングでも[…]
プロテクター標準装備の冬用ライディングジャケット 一見するとカジュアルなパーカスタイルだが、中身は本格的なウインタージャケットである。本商品は、胸/肩/ひじ/背中の4部位にプロテクターを標準装備してお[…]
最新の投稿記事(全体)
電子制御サスペンション採用のGXにウイングレット新採用でさらなるスタビリティを スズキは欧州で、2005年型GSX-R1000(通称K5)由来の4気筒エンジンを搭載するクロスオーバーツアラー「GSX-[…]
スマホを固定しながら充電まで。カエディアのバイク用充電スマホホルダー Kaedear(カエディア) バイク スマホホルダー デビルホーン 充電機能付き Kaedear(カエディア) バイク スマホホル[…]
冬ツーリングを快適に! デイトナの防寒アイテム デイトナ(Daytona) 防風インナー バイク 冬 防寒 ハーフジップ ウェア DI-001FA ブラック Mサイズ 31948 [デイトナ] バイク[…]
3気筒と変わらない幅を実現した5気筒エンジンは単体重量60kg未満! MVアグスタはEICMAでいくつかの2026年モデルを発表したが、何の予告もなく新型5気筒エンジンを電撃発表した。その名も「クアド[…]
「B+COM SX1」の音質を向上! サイン・ハウスから、SHOEI製ヘルメット専用ビルトインインカム「B+COM SX1」ユーザー待望のサウンドアクセサリー「B+COM SOUND PADS(ビーコ[…]
- 1
- 2











































