
ホンダは欧州と北米で、クルーザーモデル「レブル1100」をマイナーチェンジするとともに、カスタムメイド感を増したスペシャルエディションを追加し、2025年モデルとして発表した。欧州ではレブル500もニューカラーの設定とECU&OBD2-2アップデートが実施されている。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
ツインエンジンの大型レブル、1100と500がマイナーチェンジ
ホンダは欧州と北米で新型「レブル1100」(欧州名:CMX1100レブル/北米名は日本と同じ)をマイナーチェンジし、2025年モデルとして発表。これにともない、新バージョンとしてレブル1100スペシャルエディション(SE)を追加した。なお、北米仕様のSEはDCT(デュアルクラッチトランスミッション)のみのラインナップとなる。
また、欧州では「レブル500」(欧州名:CMX500レブル)もマイナーチェンジし、ニューカラーが設定された。
欧州では日本と同じく2017年にCBR500Rらが搭載する並列2気筒エンジンを低中速寄りにアレンジして搭載したレブル500が発売され、瞬く間に人気モデルに。2021年~2023年の3年間はカスタムスタイルのクルーザーセグメントで最も販売台数の多いマシンとなった。
2021年にはレブル1100が続き、こちらはアフリカツインの270度クランク並列2気筒エンジンをベースに低中速寄りとしたものを搭載。アフリカツインらと同様にデュアルクラッチトランスミッション(DCT)仕様もラインナップした。低いシート高や意外と軽快なハンドリング、力強い発進加速などが持ち味だ。2023年モデルでツーリングバージョンのレブル1100Tが追加されている。
2025年のレブル1100は、リラックスしたライディングポジションとトルクを強化したエンジンをゲット
マイナーチェンジしたレブル1100は、エンジンの圧縮比を10.1→10.5と高めたことでパワーとトルクのレスポンスが向上し、鼓動感を強化。2024年モデルで先行してマイナーチェンジしたCRF1100Lアフリカツインと同様に、バルブタイミングの変更や吸気ポートの大径化、ECUセッティングの変更などにより、ピークパワーを変えずに低中速域のトルクを大幅に強化した。
また、アフリカツインよりも重量を増したフライホイールを採用しながらトルクレスポンスはアフリカツインの3割増しを謳う。
この新しいエンジン特性に合わせて、3つのライディングモードも最適化。さらに3段階のホンダセレクタブルトルクコントロール(トラコンに相当)などのライダー支援システムも改良を受けた。
DCTについては、停止状態からの発進や10km/h以下の走行時の制御に焦点を当てたアップデートが実施された。テーマは小さなスロットル開度における「素早くスムーズな」駆動力の発生だ。
メーターは従来のLCDタイプから新しい5インチTFTディスプレイに換装され、スマートフォン接続機能&ホンダロードシンクに対応。USB-Cソケットもディスプレイ左側に設置される。これに合わせてスイッチボックスも新しいバージョンに進化している。北米においては、レブル1100がホンダロードシンクを最初に装備したモデルになった。
新たに3バージョンのラインナップに。左から、ツーリングバージョンのレブル1100T、ファクトリーカスタムテイストのレブル1100スペシャルエディション、スタンダード仕様のレブル1100。
フレームなど車体の基本構成は従来型を踏襲するが、ライディングポジションはよりリラックスしたものになった。ハンドルバーはライダーに向かって28mm後方に移動し、ステップは50mm前方に移動。シートは高級ウレタンフォークを使用したうえで厚みを10mm増し、さらに座面もわずかに拡大することで乗り心地を向上した。ハンドルバーは上方にも移動したとしているが具体的な数値は記載されていない。おそらく10mm上がったシート高に合わせたものだろう。
このほか、キャスター角28度/フォーク傾斜角30度のスランテッドフォークやφ330mmシングルディスク+ラジアルマウントキャリパーのフロントブレーキ、前18/後16インチホイールなどには変更なしだ。
新たに追加されたスペシャルエディションは、ホンダ純正アクセサリーによるファクトリーカスタム。欧州/北米ともDCT仕様のみがラインナップされ、小ぶりなビキニカウルやバーエンドミラー、ダイヤモンドステッチ風シートといった特別装備が光る。
ユーロ5+に適合したレブル500はシート素材改良、メーターの視認性向上ほか
欧州で発表された2025年モデルのレブル500は、ユーロ5+に適合するため新しいECU設定とOBD2-2排気センサーでアップデートを受けた。
このほかに、シート素材の改良とハンドルバー位置の最適化、リヤショックのバンプラバーの形状変更、LCDディスプレイの明るい外光環境下での視認性を向上するといった細かい変更を受けている。
こちらは従来モデルからSエディションが存在し、日本仕様のレブル250 Sエディションと同様に専用シート、フォークブーツ、ビキニカウルを装備する。レブル1100スペックエディションと同様の新色オレンジが追加されている点も見逃せない。
HONDA CMX1100 REBEL / T / SE[2025 EU model]
HONDA CMX1100SE REBEL[2025 EU model]Flare Orange Metallic
HONDA CMX1100SE REBEL[2025 EU model]Mat Ballistic Black Metallic
HONDA CMX1100T REBEL[2025 EU model]Iridium Gray Metallic
HONDA CMX1100 REBEL[2025 EU model]Pearl Hawkseye Blue
車名 | CMX1100 Rebel / DCT | CMX1100T Rebel / DCT | CMX1100SE Rebel DCT |
全長×全幅×全高 | 2240×850【835】×1125mm | 2240×850【845】×1180mm | 2240×880×1125mm |
軸距 | 1520mm | ← | ← |
最低地上高 | 120mm | ← | ← |
シート高 | 710mm | ← | ← |
キャスター/トレール | 28°/110mm | ← | ← |
装備重量 | 226kg【236kg】 | 240kg【250kg】 | 237kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒 SOHC4バルブ | ← | ← |
総排気量 | 1084cc | ← | ← |
内径×行程 | 92×81.5mm | ← | ← |
圧縮比 | 10.5:1 | ← | ← |
最高出力 | 88.4ps/7250rpm | ← | ← |
最大トルク | 10.0kg-m/4750rpm | ← | ← |
始動方式 | セルフスターター | ← | |
変速機 | 常時噛合式6段リターン /6段DCT | ← | 6段DCT |
燃料タンク容量 | 13.6L | ← | ← |
WMTCモード燃費 | 20.4km/L【18.8km/L】 | ← | 18.8km/L |
ブレーキ前 | φ330mmディスク +4ポットキャリパー | ← | ← |
ブレーキ後 | φ256mmディスク +1ポットキャリパー | ← | ← |
タイヤサイズ前 | 130/70B18 | ← | ← |
タイヤサイズ後 | 180/65B16 | ← | ← |
価格 | 未発表 | ← | ← |
車体色 | 青 | 灰 | 橙、黒 |
HONDA CMX500 REBEL / S EDITION[2025 EU model]
HONDA CMX500 REBEL[2025 EU model]Mat Dim Gray Metallic
HONDA CMX500 REBEL[2025 EU model]Mat Gunpowder Black Metallic
HONDA CMX500 REBEL S EDITION[2025 EU model]Mat Gunpowder Black Metallic
HONDA CMX500 REBEL S EDITION[2025 EU model]Candy Energy Orange
車名 | CMX500 Rebel |
全長×全幅×全高 | 2205×810×1090mm |
軸距 | 1490mm |
最低地上高 | 125mm |
シート高 | 690mm |
キャスター/トレール | 28°/110mm |
装備重量 | 191kg【192kg】 |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒 DOHC4バルブ |
総排気量 | 471cc |
内径×行程 | 67×66.8mm |
圧縮比 | 10.7:1 |
最高出力 | 46.2ps/8500rpm |
最大トルク | 4.41kg-m/6000rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
燃料タンク容量 | 11.2L |
WMTCモード燃費 | 27.7km/L |
ブレーキ前 | φ296mmディスク+2ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ240mmディスク +1ポットキャリパー |
タイヤサイズ前 | 130/90-16 |
タイヤサイズ後 | 150/80-16 |
価格 | 未発表 |
車体色 | 灰、黒【黒、橙】 |
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