
ホンダはインドネシアで、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」2個を動⼒⽤電源に採⽤した「CUV e:(シーユーヴィー イー)」と、固定式バッテリーを搭載した「ICON e:(アイコン イー)」の電動⼆輪パーソナルコミューター2機種を発表した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ホンダ
グローバル展開はMPP搭載車だけでなく専用バッテリー搭載車も
ホンダは2030年までに30モデル以上の電動モビリティ投入を目標としているが、その10機種目、11機種目にあたる電動二輪パーソナルコミューター「CUV e:」「ICON e:」をインドネシアで発表した。ホンダは2024年を電動グローバル元年と位置付け、多様な電動二輪車をグローバル展開するとしている。
両モデルともインドネシア国内での生産を予定しており、これを皮切りにグローバルに展開していくという。電動コミューターのラインナップ強化により、CUV e: が使用するHonda Mobile Power Pack e:(以下MPP)搭載モデルだけでなく、ICON e: のような固定式バッテリー搭載モデルを加えることでユーザーの多様なニーズに対応していく。
CUV e:
CUV e: は、交換式バッテリーのMPP×2個を動力源に使用した、エンジン車で言うところの排気量110ccに相当したモデル。昨秋のジャパンモビリティショー2023で参考出品された「SC e: Concept(エスシー イー コンセプト)」を市販化したものだ。
CUV e:
CUV ES(1994年発売)
このネーミングは、1994年にホンダが初めてリース販売した電動スクーター「CUV ES(Clean Urban Vehicle Electric Scooter)」に由来。シティコミューターコンセプトを継承することから名称もClean Urban Vehicle=CUVを受け継ぎ、最新のホンダEVファミリーの証として『e:』が加えられた。
水平基調のヘッド&テールライトやウインカーなどは全て省電力と輝度に優れたLEDを採用。スマートキーやUSBタイプC充電ソケットを備え、5インチフルカラーTFTディスプレイはスマートフォンとBluetooth接続して使う『ホンダロードシンクデュオ』に対応するグレードも用意される。
モーターは出力6kWのダイレクトドライブで、3つの走行モード(STANDARD、SPORT、ECON)を選択可能。モーターならではのリバース(後進)モードを搭載するのも特徴だ。最大航続距離は80.7km、最高速度は83km/hとされている。
インドネシアでの価格は5300万ルピア~6100万ルピア(日本円換算約50万9000円~58万6000円・10/17現在)。
Honda CUV e: [2025 Indonesia model]
主要諸元■全長1889 全幅664 全高1096 軸距1310 シート高761(各mm) 車重117kg【118kg】■DCブラシレスモーター 最高出力6kW/3500rpm 最大トルク22Nm/2300rpm 定格出力4.2kW バッテリーMPP×2個■前後タイヤサイズ=100/90-12 ※諸元はインドネシア仕様 ※【 】内はロードシンクデュオ
ICON e:
ICON e: は、日本で原付一種として販売されているEM1 e:をベースに、バッテリーを含む主要電動部品を変更し、外観もインドネシア向けに一新したニューモデルだ。バッテリーには中国で普及している三元系リチウムイオンを採用し、充電は車載状態/バッテリー単体の2通りが可能だという。
ICON e:
バッテリーはステップボード内に収められ、取り外して充電することも可能。これによりシート下にはヘルメットなどを収納できる容量26Lのスペースを確保した。同じくシート下には小物入れスペース、フロントにはインナーラックとUSBタイプA充電ソケットを標準装備し、利便性を高めている。
灯火類はフルLEDで、メーターは反転表示の液晶フルデジタル。スピードメーターや時計に加え、バッテリー残量などを表示可能だ。車載状態で充電する際にはシート前端の下にあるコネクターを使用する。
モーターはインホイール式で、1充電あたりの最大航続距離は53km。最高速度は55km/hだ。インドネシアでの価格は2800万ルピア~3200万ルピア(約26万9000円~29万8000円)と、同じkインドネシアで販売されているEM1 e:の4000万ルピア(約38万4000円)を大きく下回る。
Honda ICON e: [2025 Indonesia model]
主要諸元■全長1796 全幅680 全高1085 軸距1298 シート高742(各mm) 車重89kg■インホイールブラシレスモーター 最高出力1.81kW/618rpm 最大トルク85Nm/110rpm 定格出力1.5kW バッテリー48V/30.6Ah■タイヤサイズF=900/90-12 R=100/90-10 ※諸元はインドネシア仕様
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA] | 新型EV/電動バイク)
ホンダ初の本格的電動モーターサイクルが間もなく……? 2024年秋のEICMAで世界初公開された電動二輪車のコンセプトモデル「EV Fun Concept(イーヴィー ファン コンセプト)」は、202[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
「走る」を変える次世代の相棒 一般的なガソリンバイクが燃料を燃焼させてエンジンを駆動するのに対し、電動バイクはバッテリーに充電した電気でモーターを回して走行する。そのため、排気ガスを一切排出しない、環[…]
コスパも高い! 新型「CUV e:」が“シティコミューターの新常識”になる可能性 最初にぶっちゃけて言わせてもらうと、筆者(北岡)は“EV”全般に対して懐疑的なところがある者です。カーボンニュートラル[…]
125ccスクーターよりも力強い発進加速、街中で光る静けさ ホンダがパーソナルユース向けに国内リリースした電動スクーターの第2弾「CUV e:」は、第1段の「EM1 e:」が50cc相当の原付一種だっ[…]
最新の関連記事(新型スクーター)
フレームまで変わるモデルチェンジ、かつリヤキャリアを新装備してたったの+6600円 スズキは、グローバルで先行発表されていた新型「アドレス125」の国内導入を正式発表。基本スタイリングは継承しながら、[…]
ゴールド×イエローのリヤサスペンション、リムステッカー、フロアパネルが輝く! タイホンダお得意のコラボモデルが登場だ! 今回発表されたのは、プレミアムサスペンションのトップブランドとして君臨する「オー[…]
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
コスパも高い! 新型「CUV e:」が“シティコミューターの新常識”になる可能性 最初にぶっちゃけて言わせてもらうと、筆者(北岡)は“EV”全般に対して懐疑的なところがある者です。カーボンニュートラル[…]
スマホ連携TFTやスマートキー装備のDX ホンダがミラノショーで発表した2025年モデルのPCX125(日本名:PCX)。2023年には欧州のスクーターセグメントでベストセラーになった同車だが、日本で[…]
人気記事ランキング(全体)
新たな時代の「角Z」:スタイルと操案の狭間で揺れたZ1-Rの人気 Z1からZ1000までリファインを重ねて完成度を高めた“丸Z”だが、1970年代後半にはスズキのGS750/1000のようなライバル車[…]
取り付けから録画までスマートすぎるドライブレコーダー ドライブレコーダーを取り付ける際、ネックになるのが電源確保のための配線作業だ。バイクへの取り付けともなると、専門知識や工具、あるいは高めの工賃が必[…]
2ストGPマシン開発を決断、その僅か9ヶ月後にプロトは走り出した! ホンダは1967年に50cc、125cc、250cc、350cc、そして500ccクラスの5クラスでメーカータイトル全制覇の後、FI[…]
3つの冷却プレートで最大-25℃を実現 2025年最新モデルの「ペルチェベスト」は、半導体冷却システムを採用し、背中に冷たい缶ジュースを当てたような感覚をわずか1秒で体感できる画期的なウェアです。小型[…]
フレームまで変わるモデルチェンジ、かつリヤキャリアを新装備してたったの+6600円 スズキは、グローバルで先行発表されていた新型「アドレス125」の国内導入を正式発表。基本スタイリングは継承しながら、[…]
最新の投稿記事(全体)
日本では400だが、グローバルでは500(451ccエンジン)のエリミネーター 欧州でエリミネーター500/SEに新色が登場した。日本仕様でプラザエディションとしてラインナップされる『メタリックインペ[…]
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
3色すべてホイールカラーも異なる カワサキは欧州でZ650RSのニューカラーを発表。カラーバリエーションの全てが新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリックブルー[…]
欧州仕様に準じた仕様でKYB製フロントフォーク、ウイングレット、ブレンボキャリパーなどを採用するR1 2026年シーズンをヤマハ車で戦うライダーに向け、サーキット走行専用モデルの新型「YZF-R1 レ[…]
メーカー自体が存在しない絶版車のメンテやレストアは難しい 日本のバイクメーカーは今でこそ4社に集約されていますが、1950年代には大小含めて数十社のメーカーが林立していました。第二次世界大戦で疲弊した[…]
- 1
- 2