
カワサキは欧州および北米で、スポーツツーリングモデルの新型「Ninja 1100SX」を発表した。先行発表されているヴェルシス1100と同様の排気量アップで、従来のニンジャ1000SXからは最高出力を抑える代わりに低中速トルクの豊かさを増している。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
人気のスポーツツアラーに排気量アップでさらなる余裕を
カワサキは欧州と北米で、ニンジャ1000SXから排気量アップでモデルチェンジした「ニンジャ1100SX(Ninja 1100SX)」を発表した。エンジンはすでに発表されているヴェルシス1100と同様に排気量を1043cc→1099ccへ。また装備も最新トレンドへアップデートし、ブレンボ&オーリンズで武装した上級仕様のSEを新たにラインナップする。
エンジンは排気量を増したことで全回転域でトルクアップを果たし、5速/6速のロング化によってクルージング時の回転上昇を抑えることが可能に。このほか吸気ポートの縮小による流速向上やカムプロフィールの変更、φ38mmスロットルボディの採用などが前作からの違いになる。
最高出力のみを見れば、従来の142ps/10000rpmから136ps/9000rpmとなっているが、これはヴェルシス1100との共通化やトルク重視のキャラクターがニンジャ1100SXにはふさわしいという判断だろう。
従来は2500rpm以上で作動したカワサキクイックシフター(KQS)は1500rpmから働くようになった。これらにより、低回転域での扱いやすさとシームレスなギヤチェンジを手に入れている。
ハンドルバーにはUSBタイプC充電ソケットが新設され、タイヤは最新のブリヂストン・バトラックスハイパースポーツS23を標準装備。外観のデザインはこれまでを踏襲するものの、リヤブレーキはディスク径がφ250mm→260mmに大径化、ハンドルバーウェイトの追加など細部までリファインされた。
さらに、ニンジャ1100SXにはブレンボ製ブレーキコンポ―ネント(M4.32 フロントブレーキキャリパー/マスターシリンダー/ディスクローター/金属メッシュホース)とオーリンズ製S46リヤショック、グリップヒーターを標準装備したSEモデルが追加された。
これまで通り、ライディオロジーアプリ(新バージョンになった)に接続できる機能や手動で高さ調整可能なスクリーン、2段階のパワーモード、インテグレーテッドライディングモード、カワサキトラクションコントロール(KTRC)、クルーズコントロールといった先進機能も備えている。
価格は北米のみ発表されたが、スタンダードモデルは従来のニンジャ1000SXからなんと価格据え置きの1万3699ドル(日本円換算約200万6000円・10/4現在)。SEモデルは1万5399ドル(約225万5000円)とされた。北米における発売時期は2025年冬とされており、日本への導入にも期待がかかる。
KAWASAKI Ninja 1100SX / SE[2025 EU model]
主要諸元■全長2100 全幅805 全高1190-1225 軸距1440 シート高835(各mm)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 1099cc 136ps/9000rpm 11.5kg-m/7600rpm 変速機6段 燃料タンク容量19L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ※諸元は欧州仕様
KAWASAKI Ninja 1100SX[2025 EU model]Metallic Carbon Gray / Metallic Diablo Black
KAWASAKI Ninja 1100SX SE[2025 EU model]Emerald Blazed Green / Metallic Diablo Black
KAWASAKI Ninja 1100SX SE[2025 EU model]Metallic Matte Graphenesteel Gray / Metallic Diablo Black
※北米仕様のSEはEmerald Blazed Green/Metallic Diablo Blackのみ
以下の写真は北米仕様
KAWASAKI Ninja 1100SX SE[2025 U.S. model]Emerald Blazed Green / Metallic Diablo Black
KAWASAKI Ninja 1100SX SE[2025 U.S. model]Emerald Blazed Green / Metallic Diablo Black
KAWASAKI Ninja 1100SX SE[2025 U.S. model]Emerald Blazed Green / Metallic Diablo Black
KAWASAKI Ninja 1100SX SE[2025 U.S. model]Emerald Blazed Green / Metallic Diablo Black ※アクセサリー装着車
KAWASAKI Ninja 1100SX / SE[2025 U.S. model]
KAWASAKI Ninja 1100SX / SE[2025 U.S. model]
KAWASAKI Ninja 1100SX / SE[2025 U.S. model]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
マッハIIIで目指した世界一 大槻氏はZ1開発当時、川崎重工単車事業部の設計課長で、Z1を実際に設計した稲村暁一氏の上司にしてプロジェクトの中心にあった指揮官。技術者としての観点からZ1の開発方針、す[…]
規範を完全に凌駕した動力性能と信頼性 BSAのコピーか否か。これはW1シリーズの生い立ちを語るときに、よく使われる言葉である。そしてシリーズの原点となったメグロ・スタミナK1は、たしかに、BSA・A7[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
キャンペーンにエントリーしてKawasakiチームを応援しよう 株式会社カワサキモータースジャパンでは、抽選で1名に「Ninja ZX-6R KRT EDITION」の新車が当たるプレゼントキャンペー[…]
バイク好きの軽トラ乗りに刺さるお手軽Ninja( ? )カスタム 実際に交換した方に使い勝手&機能性を深掘りしてみた!! 今回ご協力いただいたのは、日本最大級のクルマSNS『みんカラ』で愛車情[…]
最新の関連記事(新型スポーツ&ツーリング)
最新ボクサーのパワフルな走り 2023年のR1300GSに続き、R1300RT/R1300R/R1300RSもついに最新ボクサーを搭載。今回ドイツで行われた試乗会ではRTとRに試乗した。 RTはGS同[…]
新作GSX-8T/8TTに足並みを揃えて2026年モデルに スズキ独自のクロスバランサーを採用した最新776cc並列2気筒エンジンを搭載するモデルのうち、フルカウルスポーツとスポーツネイキッドとしてシ[…]
新型トレーサーでACCとY-AMTが融合! 今回のビッグチェンジで色々機能が追加されたり改変を受けているトレーサー9 GT+ Y-AMTではあるが、何はともあれ書くべきは前走車追従型のクルーズコントロ[…]
以前、Honda E-Clutchを開発した方々にインタービューしたとき「最初はHonda E-Clutchなんていらないと思っていたけれど、一度乗ったら考えが変わった」という話をお聞きしました。 じ[…]
初代はスポーツモデル:GL1000【1975年モデル】 1970年代当時、巨大なアメリカ市場を独り占めしていた英国車をCB750フォアで一蹴したホンダだったが、Z1とそれに続く競合車の登場でシェアを奪[…]
人気記事ランキング(全体)
バイク好きの軽トラ乗りに刺さるお手軽Ninja( ? )カスタム 実際に交換した方に使い勝手&機能性を深掘りしてみた!! 今回ご協力いただいたのは、日本最大級のクルマSNS『みんカラ』で愛車情[…]
あったよね~ガンスパーク! 「ガンスパーク」ってありましたね~。覚えてるだけじゃなくて、実際に使ってみたという方も多いのではないでしょうか。1980年代後半~1990年代前半は、どのバイク雑誌を開いて[…]
取り付け簡単!バイク用4K超高画質ドラレコ このたび、タナックスよりオートバイ用のポータブルドライブレコーダー「AKY-710S」が発売された。取り付けが簡単で、小型/軽量/4K高画質の3拍子が揃って[…]
どんなジャケットにも合わせられるベルトタイププロテクター ライダーの命を守る胸部プロテクターは、万が一の事故の際に内蔵への衝撃を和らげ、重篤なダメージから身を守る重要な役割を果たす。これまでも多くのプ[…]
本記事は配信を終了しました。→ WEBヤングマシントップへ 2025年モデルではさらなる排熱&快適性を徹底追求! 空冷式ジーンズは2022年の登場以来、完成度を高め続けてきた。2024年には走行風取り[…]
最新の投稿記事(全体)
マッハIIIで目指した世界一 大槻氏はZ1開発当時、川崎重工単車事業部の設計課長で、Z1を実際に設計した稲村暁一氏の上司にしてプロジェクトの中心にあった指揮官。技術者としての観点からZ1の開発方針、す[…]
当時の表記はみんな“並列だった” 現在のヤマハ大型モデルの主軸となるパワーユニットといえば3気筒エンジン。MT-09やトレーサー9GTに搭載されているこのエンジンはDOHC水冷3気筒888cc、120[…]
3度目のタイトルに向け、鈴鹿8耐に挑む 2017-18年シーズンと2022年シーズンにEWCチャンピオンを獲得を獲得している「F.C.C. TSR Honda France」は、3度目のタイトル獲得に[…]
スーパーフォアをベースにシリンダー前傾角を変更、フレームも新設計した4本マフラーのトラディショナル感性! 1997年、ホンダは4本マフラーのCB400FOURをリリース。 すでに1992年からCB40[…]
海外超速報(動画付き) ついに本気のネオクラ来た! スズキGSX-8T/TT 1960年代の俊足ネイキッド「T500」(GT500の先祖)を現代的にオマージュした、スズキ渾身のネオクラシックが、海外で[…]
- 1
- 2