これが最後の“RR”になるか?!

カワサキ「ニンジャZX-10RR」欧州仕様2025年モデルが登場! 可変ファンネル搭載のホモロゲモデル

カワサキは欧州で、スーパーバイク世界選手権などのレースホモロゲーションモデル「Ninja ZX-10RR」にニューカラーを設定し、2025年モデルとして発表した。


●文:ヤングマシン編集部(ヨ)

レーシングECUでアクティベートできる可変ファンネル=VAIシステムを搭載

カワサキが誇るスーパースポーツのレースホモロゲーションモデル「ニンジャZX-10RR」の2025年モデルが登場した。すでに北米で発表されていたが、今回は欧州仕様の登場だ。主要スペックは2024年モデルから継承し、今回はカラー変更のみとなっている。

ベースモデルのニンジャZX-10Rに対し、ニンジャZX-10RRはステンレスメッシュのフロントブレーキホースや軽量なPankl製チタンコンロッド、専用カムシャフト&バルブスプリング、Pankl製ピストンとDLCコーティングした軽量ピストンピン、ピレリ ディアブロスーパーコルサを装着したマルケジーニ製の鍛造ホイールといった、レースパフォーマンス重視のパーツを装備。タンデム用のシートやステップは潔く省略されている。

2024年モデルから採用したVAIシステム(Variable Air Intake system)と呼ばれる可動吸気ファンネルは、エアボックス内に設置されたVAIシステムは、電動サーボによってVAIファンネルを上下することで、吸気通路を長くしたり短くしたりできるというもの。ただしシステムを有効にするには、レースキットECU、サブコントローラーなど特定のレーシングキットパーツが必要になる(公道を走れる標準状態ではVAIシステムがアクティブ化されていない)。

ちなみに、カワサキは2025年シーズンよりスーパーバイク世界選手権に新たなレーシングチームである「BbKRT」=ビモータ バイ カワサキレーシングチーム(Bimota by Kawasaki Racing Team)、つまりカワサキレーシングチームをベースとしたビモータのチームでエントリーすることを発表している。これにともない、ビモータフレームに10RRエンジンを搭載したニューマシンも投入されるはず。

一方で、現在KRTが使用しているファクトリーマシンのニンジャZX-10RRに関して、2025年シーズンはイタリアに本拠を置くプッチェッティ レーシングへ貸与することも発表し、スーパーバイク世界選手権で『Ninja』ブランドの存在を維持すると明言している。

ビモータのニューマシンとの兼ね合いもあり、今後もニンジャZX-10RRの開発は続くのか気になるところだが……。

KAWASAKI Ninja ZX-10RR[2025 EU model]

KAWASAKI Ninja ZX-10RR[2025 EU model]

KAWASAKI Ninja ZX-10RR[2025 EU model]

KAWASAKI Ninja ZX-10RR[2025 EU model]

車名Ninja ZX-10RR
全長×全幅×全高2085×750×1185mm
軸距1450mm
最低地上高135mm
シート高835mm
装備重量207kg
エンジン型式水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ
総排気量998cc
内径×行程76×55mm
圧縮比13.0:1
最高出力200ps/13600rpm(ラムエア加圧時210ps)
最大トルク11.3kg-m/11500rpm
変速機常時噛合式6段リターン
燃料タンク容量17L
タイヤサイズ前120/70ZR17
タイヤサイズ後190/55ZR17
ブレーキ前φ330mmダブルディスク+4ポットキャリパー
ブレーキ後φ220mmディスク+1ポットキャリパー
価格──
※諸元は欧州仕様

主な10RR専用パーツ

低~中回転域では吸気通路を長く、高回転域では短くしてそれぞれの回転域でパフォーマンスを向上するVAIシステム。レースキットECUを装着することで使用可能になる。

ニンジャZX-10RRの特別装備である7本スポークの鍛造アルミニウムホイールはマルケジーニ製だ。

Pankl(パンケル)製のチタンコンロッドを採用。

1個あたり20グラム軽いというPankl製の軽量ピストン。

DCLコートを施したピストンピン。

RRスペックのカムシャフトは高回転パフォーマンスを向上。

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