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先に報じた新基準原付版スーパーカブ、そして新型CB400の確定情報と活発さが目立っているホンダだが、さらなる動きがありそうだ。今秋のEICMA(ミラノショー)ではホンダ初となる電動ファンモデルのプロトタイプを登場させるうえに「新しい内燃機関車をチラ見せする」との確定情報まで来てしまったのだッ!!
●CG製作:SRD(不許複製/All rights reserver)
EICMAで新しい内燃機関車をチラ見せする!
7月3日に報じた新基準原付版スーパーカブ、そして7月6日の新型CB400確定情報と、最近のWEBヤングマシンでは何度もその名前が上がっているホンダの加藤稔/二輪・パワープロダクツ事業本部長。氏の発言(YMでは「K情報」と命名)にはもうひとつ、大注目の情報がある。
それは過去記事と同じ7月2日のメディア懇談会でのこと。メディアからの「ホンダはV4でモトGPを、直4でスーパーバイクを勝ちに行っている。これらV型や直4のリッターバイクの進化はいかがでしょうか?」という質問に「もう少し時間をください。今仕込んでいるものは、今年のミラノショー(EICMA)で電動ファンモデルのプロトタイプとともに、ICE(内燃機関)の新しいものとしてチラ見せするので」と回答したのだ!
ホンダ初となる電動ファンモデルのプロト(量産化は2025年にギリギリ間に合うかも? ぐらいとのこと)ももちろん大注目なのだが、油臭いのが大好きなYMは“内燃機関の新しいもの”がどうしても気になってしまう。というわけでホンダがEICMAでの発表を約束した、新しい内燃機関モデルがどんな機種になるのかを考察してみたい(ここから先は状況証拠をふまえたYMの想像となります)。
7月2日に開催された懇談会で、二輪メディアに数多くの情報を提供してくれた加藤本部長。我々ヤングマシンとしては得がたいものばかりで、本当に感謝しかない。超活用させていただいております!
①普通のエンジンモデルではない?
まずは同時に発表されるのが“ホンダ初の電動ファンモデル”という点に注目。初物となれば気合いだって半端ないハズ。そんな入魂の電動モデルとの対比になるわけだから、普通のエンジン車でないことは想像がつく。電動に対して「こちとらエンジンでござい!」とばかりに、内燃機関の魅力を満喫できる1台が望ましいはずだ。
電動に相対し得るという意味では水素エンジンも考えられるが、ホンダは従来より水素を燃料に使うエンジンにはあまり肩入れしておらず、加藤本部長もこの懇談会にて「(燃料を積むスペースが限られる)2輪では、水素エンジンは個人的にはないと思っている。研究所もそういう考えの人が多い」と述べている。EICMAで発表されるのはガソリン、少なくとも化石燃料系の内燃機関と考えていいだろう。
③排気量はリッタークラス?
メディアから加藤本部長への質問はリッターバイクの進化を問うたもので、それに回答しているのだから、排気量帯は1000ccクラスと考えるのが妥当だろう。となれば車格としてもフラッグシップか、またはそれに近い存在感の機種と仮定できる。質問はモトGPやスーパーバイクを引き合いに出したものだったから、スポーツ色の濃い車両という見方をしてもよさそうだ。
④“チラ見せ”という言葉の真意は?
加藤本部長はこのシン内燃機関車を“発表”ではなく“チラ見せ”と言っている。この言葉の裏側にあるのは、すぐに発売できる機種ではない…ということだろう。つまり「ちょっと待たせちゃうけど、こんなバイクを発売するから楽しみにしていてね!」とユーザーの期待を煽る、メッセンジャーとしての使命を帯びていると思われる。
となれば当然、なにがしかの“夢”を見られる機種と考えるのが妥当。現実的/実用系の機種でチラ見せなんて悠長なことをしていたらユーザーを逃してしまうから、ユーザーをワクワクさせつつ1年ぐらいは待ってもらえるような、現行のホンダ車にはない何かを持っているはずだ。
⑤ファン待望のV型ではない?
加藤本部長は“シン内燃機関@EICMA”発言の直後、誰に聞かせるでもなく「でもV4は難しいんだよな…」とつぶやいていたのをYMは聞き逃さなかった(笑)。さらには懇談会の間隙を突いてYMがぶら下がった際にも「Vは難しい」と加藤本部長は繰り返し、シリンダーヘッドが2個必要な事などを例に、おもにコスト面でV型エンジンのネガを語っていた。
この時の加藤本部長の口調から察するに、YMはV型の可能性はあまり高くなさそうだ…と感じる。ホンダファンならV4復活は悲願だし、Vツインにはパラツインとは異なる独自の魅力がある。さらにNS500を彷彿させるV3や、一時は市販前提で開発が進んでいたというRC211V由来のV5などなど、Vには夢がモリモリあるのだが…。もちろんこれが、我々を煙に巻く加藤さんの作戦だったら完敗ですが(笑)。
ホンダのV3と言えば1983年にF.スペンサーがGP500王者に輝いたNS500(左)。市販車でも1983年のMVX250Fや1985年のNS400Rに採用例がある。そしてV5は…YMでも散々追いかけ続けたが現時点では未発売(誌面は2004年8月号)。後年、他メディアが実際に開発が進んでいたことを写真入りで報告している。
考察をまとめると…まさかまさかの?!
ここまでの推測をまとめると“内燃機関らしさ満載/非水素燃料/1000ccクラスの旗艦orスポーツ系/正式発売はまだ先/待たせるだけの「夢」がある/V型の可能性は低そう”といったところが我々の予想となる。
V型エンジンではなければ当然直列だが、それで夢を見られる1000ccクラスのエンジンを考えると…真っ先に思い浮かぶのはマルチシリンダー。CBX(1000)の復活となる直6なら、夢も内燃機関らしさも、オリジンとしてのホンダらしさも満載だし、意表を突いて直5なんていうのも大穴的にかなり面白い。
さらに内燃機関らしい面白さとしては、過給器の存在も捨てがたい。ホンダは世界初の量産二輪ターボ車・CX500ターボを1981年に発売した過去があるし、2019年と少々前ながら、アフリカツインらしき車体にスーパーチャージャーを装着した特許図版も出願している。はてさて、ホンダの新エンジンは一体どうなる? この件、YMは引き続き調査を続けていきますので乞うご期待!
V4も直6も開発の爪痕はアリ
夢が見られる“直列シリンダー”は?
1978年にホンダの旗艦として発売されたCBX(1000)。空冷の直列6気筒は1047ccでDOHC4バルブを採用。さらに直列5気筒も、4輪ながら1989年に発売されたアコード・インスパイア(とその兄弟車ビガー)で採用例アリ。同車はFFながらエンジンを縦置きするなど、エンジン本体以外も見どころが多かった。
ターボやS/Cの可能性もありえる?
二輪量産車初のターボ車はホンダが1981年に発売したCX500ターボ。右の特許図版はホンダが2019年6月に出願したもの。狙いは「良好なレスポンスで個々の燃焼室に過給機の圧力を伝達することができる多気筒内燃機関を提供する」とあり、アフリカツインらしき車両のエンジンシリンダー背後に、クランクシャフトから動力を取り出す機械式過給機(スーパーチャージャー)を配している。
ちょっと煽りすぎなのは承知の上で…期待させてください、ホンダさんッ!!
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