ノートンといえばロータリーエンジンを搭載したレーサーも忘れてはならない存在だろう。そもそもは1960年代にトライアンフが開発に着手したのだが、その後プロジェクトはノートンが引き継ぎ、1987年に開発されたロータリーエンジンは空冷だった。しかし翌年には水冷式を開発。JPSカラーのブラック、グレー、ゴールドで彩られた水冷式ツインローター・ロータリーエンジンを搭載したRCW588は、イギリスのTT-F1選手権に出場してイギリスのレースファンを熱狂させ、観客動員数を増やした。1988年にノートンデビューを果たしたスティーブ・スプレイ選手は翌年のTT-F1選手権で優勝。1990年にはロバート・ダンロップ選手(2024年のマン島TTで最多勝利数記録を29として新記録を樹立したマイケル・ダンロップ選手の父)がノースウェスト200やTT-F1選手権やマン島TTで活躍した。