ヴェロセット(Velocette)は日本でもその名を広く知られている英国旧車で、トライアンフやBSAと同じくバーミンガムに拠点を置くメーカーだったが、ハンドメイドかつ家族経営の小さな会社ながら量産メーカーに匹敵する台数を生産した。さらに油圧ダンパー付きスイングアームリアサスペンション、シフトチェンジ位置調整が自動で決まるフットシフトを発明して特許を取得するなど、強い存在感を放っていた。しかし他メーカー同様、60年代から経営難に陥り、1971年には姿を消している。この車両はKSS MK1の最終型となる1935年式で、348cc空冷単気筒エンジンを搭載するスーパースポーツだ。マン島TTでも活躍し、燃料タンクには『1926-28-29 T.T. WINNERS』と誇らしげなペイントが施されている。
世界中にバイク博物館は数あれど、イギリスの『ナショナルモーターサイクルミュージアム』は、展示台数850と世界最大級だ。国立だけあってそのほとんどはイギリス車で、世界のバイク史の前半をイギリスがつむいできたことを実感できるミュージアムなのである。 目次 1 英国バイク産業の聖地へ2 ナショナルモーターサイクルミュージアムから厳選紹介! 英国バイク産業の聖地へ ナショナルモーターサイクルミュージアムは […]