ホンダは、モビリティリゾートもてぎ(栃木県)内にある施設「ホンダコレクションホール」を2024年3月1日にリニューアルした。昨年の25周年を経てのリニューアルで、実物大の小型ビジネスジェットを展示するほか、常設展もホンダの歴史がよりわかりやすくなっている。
●文/写真:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ホンダコレクションホール
2025年春まで企画展「ガレージコレクション」が目白押し
ホンダの創立50周年を記念して、1998年3月にモビリティリゾートもてぎ(当時はツインリンクもてぎ)内に設立されたホンダコレクションホールが、2024年3月1日にリニューアルオープンした。これまでにクルマやバイク、パワープロダクツなどの製品やレーシングマシンを展示し、2023年には25周年を迎えていた。
今回のリニューアルでは、ホンダ創業以来の軌跡を記したパネルを各階に設置し、音声ガイドやスタッフによるツアーとあわせて、ホンダのフィロソフィーや歴史を視覚・聴覚で体感しやすくなっている。
大型の常設展示で注目なのは、小型ビジネスジェット機の「HondaJet EliteⅡ」の実物大インテリアモックアップモデルだろう。なんと機内への乗り込みも可能で、ホンダ製品の幅広さを体感できることうけあい。このほかにUNI-ONEの試乗体験コーナーなども設置された。
常設展は大きく整理し直され、製品展示コーナーを時代ごとに4フロアに分け、各時代をわかりやすく展示。黒い壁で仕切った中に各時代の主要製品が浮かび上がるように展示され、二輪関連の展示数は減ったものの、歴史を追いかけながらホンダのDNAに想いを馳せることができる。
このほか、『ガレージコレクション』と銘打った企画展を年に3回開催する。すでに開催中のものはCBヒストリーPart1で、ゴールデンウイークをまたいで6月30日まで。7月からはレーサーレプリカ特集、そして10月からはゴールドウイング誕生50周年&S2000誕生25周年を記念した展示が行われる。
また、開かれたコミュニティの場として活用できる「ライブラリー&デザインギャラリー」を新設。また、館内の音楽は新進気鋭の作曲家、久保田千陽氏によって制作され、各フロアで時代に沿った4つのテーマBGMが再生されているのでこちらも必聴。
製品展示コーナー(常設展)
製品展示コーナーでは、時代毎にフロアを4つに分け、その時代の特徴をわかりやすく展示している。二輪車、四輪車、パワープロダクツ、HondaJetとHondaの幅広い製品や、レーシングマシンの展示に加え、新たに音声ストーリーガイドを用意。自身のスマートフォン、もしくは、貸出用の機器で二次元コードを読み込むことで、Hondaの「夢と挑戦の物語」を楽しめる。また、HondaJet EliteⅡの実物大インテリアモックアップモデルへの乗り込みやUNI-ONEの試乗体験など、Hondaのモビリティに触れて体感できる展示も追加された。
2階南棟 -創業~1970年前後-
「みんなを喜ばせたい」「技術力で世界に挑戦する」という想いから始まった情熱の時代
2階の南フロアでは、Hondaの創業期の夢と挑戦の物語を観覧できる。浜松の小さな町工場で開発した自転車用補助エンジンから始まり、汎用事業開始、マン島TTレースへの出場、スーパーカブの発売、F1初参戦など、Hondaの幕開けの時代を紹介している。
2階北棟 -1970年前後~1985年前後-
創業時からの挑戦が花開き、本田宗一郎の想いを受け継ぐ新たな世代が躍動した時代
2階の北フロアでは、四輪市場への本格的な参入を果たし、F1に再び挑戦し勝利を重ねたHondaの時代を彩る製品・マシンを展示。初代CIVICやCVCCエンジン、二輪のロードレース世界選手権やF1第2期(1983年~1992年にエンジンサプライヤーとして参戦)に参戦したレーシングマシンなどを見ることができる。
3階南棟 -1985年前後~2000年前後-
一人ひとりの熱い夢や想いを積み上げながら、新しい価値を創造していった時代
3階の南フロアでは、新しい製品が次々と誕生した時代の裏側にあった、壁や逆境に立ち向かう挑戦の物語を紹介。Honda初の3ナンバーサイズセダンであるレジェンドや、新世代スポーツカーとして登場したNSXの開発の裏にある物語を紹介している。
3階北棟 -2000年代~-
創業からの想いはそのままに、これまで以上の領域と夢の実現へと突き進んだ時代
3階の北フロアでは、ASIMOなどロボティクス技術の研究開発や、航空機の世界への新規参入など、Hondaの新たな価値創造への挑戦の物語を紹介。創業からの想いはそのままに、領域を広げ、夢の実現へと突き進んでいくHondaの挑戦を見ることができる。
ガレージコレクション(企画展)
コレクションホールでは、年間3回、「ガレージコレクション」と称し、常設展では展示しきれない製品を蔵出しし、2階・3階の渡り廊下にて展示します。リニューアルにあわせ、3月1日(金)より、歴代CBシリーズを一挙に公開する「CBヒストリー Part1」企画展を開始します。
【ホンダコレクションホール リニューアル記念】CBヒストリー Part1 スーパースポーツバイクの先駆車たち
開催日時:
2024年3月1日(金)~6月30日(日)
展示概要:
CBの誕生から、 “ナナハン”の語源となった「ドリームCB750FOUR」登場までのヒストリーを展示車とともに紹介。また、CBと同じく1950~1960年代に活躍したドイツ、イギリス、イタリアのスポーツバイクも多数展示予定だ。
レーサーレプリカ特集 Part1 ワークスレーサーの血統 NSR250R
開催日時:
2024年7月6日(土)~10月14日(月・祝)
展示概要:
1980年代から始まった二輪車のレーサーレプリカブームを特集。Part1となる今回は、2ストロークエンジンを搭載したバイクにスポットを当て、コレクションホールが所蔵するNS、NSRシリーズを全て展示する。
ゴールドウイング誕生50周年記念展示&S2000誕生25周年記念展示及びオープンカー特集
開催日時:
2024年10月19日(土)~2025年3月9日(日)
展示概要:
大型プレミアムツアラー「Gold Wing(ゴールドウイング)」の誕生50年を記念し、歴代モデルを展示する。皇宮仕様車やゴールドウイングをベースとした大型アメリカンカスタムバイク「VALKYRIE(ワルキューレ)」など、これまで展示機会が少なかったバイクも登場。あわせて、リアルオープンスポーツカー「S2000」の誕生25周年を記念し、S2000の生産第一号車や国内外のオープンカーを展示予定だ。
ホンダコレクションホール 概要
住所:栃木県芳賀郡茂木町大字檜山 モビリティリゾートもてぎ内
営業時間:10:00-16:30(季節によって変動あり)
入場料:無料(別途モビリティリゾートもてぎへの入場料・駐車料必要)
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
CB750/900Fと並んで進んでいた、ホンダが大攻勢に賭けた初の新エンジン! どのクルマメーカーもお手上げだったマスキー法という排気ガス規制をクリアして、ホンダが世界に認められたCVCCエンジン開発[…]
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことが判明した[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
愛車を長期保管する前にやっておきたい「4項目」 本格的に寒くなるこれからの季節は、バイクに乗りたい気持ちはあっても、温かい時期に比べると走りに行く機会が少なくなってくる方も多いことでしょう。ましてや、[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
ヤマハの最先端技術の結晶、それがYZF-R1だ 今からちょうど10年前の2014年11月。イタリアはミラノで開催されたEICMAにおいて、7代目となるヤマハのフラッグシップ“YZF-R1”が華々しくデ[…]
ハーレーダビッドソン ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区)は2025年1月1日付で、新たなマネージングダイレクターに玉木一史氏が就任することを発表した。玉木氏は、2024年12月31日をもって退任・[…]
連続シリーズ「カワサキ水素大学」の第5弾 「カワサキ水素大学」は、カーボンニュートラル社会の切り札とされる水素エネルギーへの、川崎重工グループとしての取組み方を紹介しつつ学ぶという動画。モデルの、トラ[…]
世の中は忘年会シーズン真っ只中。あっちに行ったりこっちに行ったりと、一次会や二次会などで都心を駆け回るビジネスマンをよく見かける。でも、忘年会の会場が駅や会社から離れた場所にあるときは、移動が面倒…。[…]
持ち株会社を設立し、ホンダと日産、さらに三菱自動車も加わる? ホンダと日産が経営統合するという話が、12月18日からTVのニュースやワイドショーで大きく取り上げられています。 両社は、今年の3月に自動[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことが判明した[…]
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
一定以上のスピードの車両を自動的に撮影する「オービス」 結論から言うと、基本的にバイクはオービスに撮影されても捕まらない。そもそもオービスはバイクを取り締まるつもりがない。ただし警察にもメンツがあるか[…]
CB750/900Fと並んで進んでいた、ホンダが大攻勢に賭けた初の新エンジン! どのクルマメーカーもお手上げだったマスキー法という排気ガス規制をクリアして、ホンダが世界に認められたCVCCエンジン開発[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
最新の投稿記事(全体)
どんなUber Eats配達員でも必ず持っている装備といえば、スマートフォン。これがなければ、仕事を始めることすらできません。 そんなスマートフォンですが、太陽が強く照っている日に使うと画面が真っ黒に[…]
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
ヤマハの最先端技術の結晶、それがYZF-R1だ 今からちょうど10年前の2014年11月。イタリアはミラノで開催されたEICMAにおいて、7代目となるヤマハのフラッグシップ“YZF-R1”が華々しくデ[…]