電動チョイノリや新時代のモトコンポ、Ninja e-1等で湧いたジャパンモビリティショー2023と比べると、少し目新しさの薄い印象だった東京モーターサイクルショー2024のEVたち。そんな中で、小さなブースに展示されていた折りたたみ電動スクーターが目に止まった。フューチャリスティックなデザインに負けないギミックは一見の価値ありだ!
●文/写真:ヤングマシン編集部(石川順一)
平面を活かしたスタイリッシュなデザイン
4WD車のカスタムパーツ販売で知られる88ハウスは近年、電動キックボード「エリートマックス」シリーズに力を入れている。その新たな展開として登場したのが、原付区分の電動スクーター「エリートマックスRS」。直線基調のデザインがどこか近未来的だ。
折りたたみタイプだけあって、車体はシンプルそのもの。前後12インチのタイヤにフロントのみのサスペンション、ワイヤー式の前後ブレーキ等、どちらかといえば電動アシスト自転車や電動キックボードに近い構成だ。もっとも灯火類はLEDだし、液晶メーター付きとデザイン性と機能性を両立させることも忘れていない。
トランスフォーム!! と叫びたくなる自動変形
しかし、エリートマックスRSの真骨頂はそうした車体構成のシンプルさでもデザイン性の良さでもない。遊び心をくすぐりまくる、あるギミックの存在だ。
それこそが…「自動変形」! リモコンをポチッと押すだけで、ウィーンとバランスを取りながらみるみるホイールベースが縮んでいくのだっ。その様子はぜひ動画で確かめて欲しい。思わず童心に帰ってしまうぞ。
普段使いに遊び心も求めるならアリ
折りたたみ電動スクーターといえば、2017年に登場したブレイズ スマートEVが先駆けといえる。2台を比べてみると、12インチのタイヤに前後ディスクブレーキ、定格出力350Wの原付1種区分と同等の仕様だ。どちらも1充電の最大走行距離がほぼ30kmと、ご近所乗り向けなことも変わらない。
ただしスマートEVはギミックがない分、エリートマックスRSより若干コンパクトで、車重も5kg軽い。手動とはいえ、慣れれば5秒で折り畳めるという手軽さも魅力だ。パッケージとして安心感がある。
車種 | 展開サイズ(mm) | 折りたたみサイズ(mm) | 重量(kg) |
スマートEV | 1200×650×950 | 600×350×950 | 18 |
エリートマックスRS | 1244×612×1095 | 967×312×895 | 23 |
ギミックを考えれば仕方のないところだが、価格にしてもエリートマックスRSは税込32万7800円とスマートEVより約10万円高。自動変形のロマン+スマートEVより5km/h速い最高速35km/hに価値を見いだせるかで評価は分かれるだろう。周囲の注目を集めることは間違いないので、普段使いに遊び心をプラスしてみてはいかがかな。
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