
ホンダは大阪モーターサイクルショーで、新開発フレームにCBR1000RR由来の4気筒エンジンを搭載したスポーツネイキッド「CB1000ホーネット」および、電子制御クラッチ搭載の「CBR650R Eクラッチ」「CB650R Eクラッチ」を日本初公開した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:川島秀俊、ホンダ ●外部リンク:ホンダ
192psを発揮したCBR1000RR(SC77)ベースの4気筒エンジンを搭載するCB1000ホーネット
新設計のスチール製ツインスパーフレームに、CBR1000RR(最後のダブルアールことSC77)由来の並列4気筒エンジンを搭載した新型スポーツネイキッド「CB1000ホーネット」が大阪モーターサイクルショーで日本初公開された! 続く東京・名古屋モーターサイクルショーにももちろん展示予定だ。
サスペンションはフロントにSHOWA製SFF-BP、リヤにユニットプロリンクで同じくSHOWA製リヤショックを採用している。プロアームのCB1000Rと異なり両持ちスイングアームを採用するのもトピックだ。タイヤサイズもリヤにワンサイズ細い180/55ZR17を履く。
小型デュアルLEDヘッドライトによる鋭い眼光やグラマラスなタンク&シートなどスズメバチ(Hornet)を彷彿とさせるスタイリング、スマホ連携機能を備えたフルカラー5インチTFTディスプレイ、3種類のライディングモード、セレクタブルトルクコントロールなど充実した装備も持ち味だ。
正式発表の予想時期は2024年春、そして価格についてはCB1000Rよりも廉価になることが予想されている。
【EICMAで撮ったライディングポジション・身長170cm/体重71kg】当たり前だけど、EICMA会場内ですぐそばにあったCB750ホーネットと比べるとけっこうデカい! シャープなルックスと合わせ、存在感はバツグンだ。ボリューミーなタンクながら、ニーグリップエリア付近でギュッと絞り込まれているので邪魔にはならない。ハンドル幅は狭いものの、前傾は思ったよりもラク。ただ足着きは親指の付け根が付くぐらいで、ちょっと厳しめだ(欧州仕様)。
ミドル直4兄弟が電子制御クラッチと新デザイン導入!
貴重なミドルクラス4気筒マシンとして存在感を放つCBR650/CB650Rがマイナーチェンジ。EICMAが初公開だったが、日本では大阪モーターサイクルショーが初お披露目となった。
CBR650R/CB650Rともに、よりシャープなデザインとして新鮮ないで立ちになり、同時に新機軸の電子制御クラッチ「Eクラッチ(Honda E-Clutch)」仕様が新たに追加されたのが反響を呼んだ。
Eクラッチは、マニュアルトランスミッション=MTを基本としながら、クラッチコントロールを自動制御とすることにより、ライダーはクラッチ操作不要でスムーズな発進/加速/停止を可能とするもの。クイックシフターと併設することが基本になるが、通常のクイックシフターよりもさらに素早くスムーズなシフトアップが可能になるだけでなく、オートブリッパーなしでもシフトダウン時に半クラ制御で回転差を吸収してくれるため、アップダウン両対応のクイックシフターを安価に実現できる。
また、いつでも任意のタイミングでライダーが自分でクラッチ操作でき、走行条件によって1秒~数秒後に自動制御に復帰。マニュアルモードにすれば通常のMT仕様とまったく同じ操作感になる。
正式発表の予想時期は2024年春、予想価格はCBR650R・Eクラッチ仕様が115~120万円、CB650R・Eクラッチ仕様が110万円前後となっている。
【EICMAで撮ったライディングポジション・身長170cm/体重71kg】CBはネイキッドとしては低めのバーハンドルを採用し、上体がやや前傾。ストリートファイター的なライポジだ。セパレートハンドルのCBRはさらに低いが、前傾は思ったよりも浅く、ツーリングも問題なさそう。ともにステップ位置はやや後ろ寄り。足着きは両足の腹がしっかり着く(欧州仕様)。
CB1000ホーネット のスタイリングとディテール
※スペック未発表(海外仕様含む)
フロントに採用するSHOWA製SFF-BPはフルアジャスタブルのようだ。メーターはTFTディスプレイ。リヤサスペンションはユニットプロリンク式で、スイングアームは両持ちタイプだ。
SC77(2017~2019 CBR1000RR FIREBLADE)由来の並列4気筒エンジン。もともとは192psのハイパワーを誇ったユニットであり、それでいて扱いやすく電子制御も行き届いていた。
CBR650R のスタイリングとディテール
参考:CBR650R E-CLUTCH欧州仕様 Specifications■全長2120 全幅750 全高1145 軸距1450 シート高810(各mm) 装備重量211kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 649cc 95ps/12000rpm 6.42kg-m/9500rpm 変速機6段 燃料タンク容量15.4L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17
スーパースポーツのCBR1000RR-Rを強く意識した鋭いデザインにアップデート。灯火類はフルLEDで、メーターはTFTディスプレイだ。倒立フォークのSFF-BPはノンアジャスタブルタイプ。
CB650R のスタイリングとディテール
参考:CBR650 E-CLUTCH欧州仕様 Specifications■全長2120 全幅780 全高1075 軸距1450 シート高810(各mm) 装備重量205.8kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 649cc 95ps/12000rpm 6.42kg-m/9500rpm 変速機6段 燃料タンク容量15.4L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17
ネイキッド仕様のCB650Rもヘッドライトをエアロマネジメントに寄与するデザインに変更。シュラウドまわりも変更されている。1974年に誕生したCB400Fourをオマージュした、流れるような4本のエキゾーストパイプがアイデンティティだ。
上方向から見るとEクラッチユニットの厚みがわかる。強めの転倒などで仮にユニットが破損したとしても、通常のマニュアルクラッチ操作になるだけだという。左手側のスイッチでEクラッチをON/OFF可能。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
2025モデルの新車「GB350C」のイメージが… ネオレトロスタイルの単気筒ロードスポーツ・GB350をベースとして2024年にリリースされた「GB350C」は、前後にディープフェンダーを採用したク[…]
2ストGPマシン開発を決断、その僅か9ヶ月後にプロトは走り出した! ホンダは1967年に50cc、125cc、250cc、350cc、そして500ccクラスの5クラスでメーカータイトル全制覇の後、FI[…]
陸・海・空にまで広がるホンダの”夢” 今回の展示のテーマは「夢の力」。陸、海、空の3つの領域におけるホンダの多様なモビリティを通して、その技術力と未来へのビジョンが示されます。 二輪車からは、市販モデ[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
2スト最後発だった記憶が消し飛んだGPマシンから50レプリカまで! 1979年、ホンダからMB50という2ストローク50ccスポーツがデビュー! それまでGPマシンからスーパーカブまで、小排気量でも4[…]
最新の関連記事(新型バイク(日本車/国産車))
電子制御サスペンションとブレンボ製Stylemaを採用する上位モデル『SE』 最新の排出ガス規制に適合したバランス型スーパーチャージドエンジンを搭載し、“SUGOMI”スタイリングと“SUGOMI”パ[…]
2025モデルの新車「GB350C」のイメージが… ネオレトロスタイルの単気筒ロードスポーツ・GB350をベースとして2024年にリリースされた「GB350C」は、前後にディープフェンダーを採用したク[…]
電子制御も充実のロングセラー・ミドルクラスクロスオーバー ヴェルシス650は、以前のモデルは輸出専用モデルとして海外で販売されてきたが、2022年モデルで待望のフルモデルチェンジを果たし、2023年末[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
新ライムグリーンのほかグレー系2色も新ラインナップ カワサキは、4気筒600ccスーパースポーツ勢に対し37ccのアドバンテージを持つ「ニンジャZX-6R」の車体色を変更し、スマートフォンアプリの新機[…]
人気記事ランキング(全体)
2ストGPマシン開発を決断、その僅か9ヶ月後にプロトは走り出した! ホンダは1967年に50cc、125cc、250cc、350cc、そして500ccクラスの5クラスでメーカータイトル全制覇の後、FI[…]
PROUDMEN. グルーミングシートクール 16枚入り×3個セット PROUDMEN.のグルーミングシートクールは、横250×縦200mmの大判サイズと保水力約190%のたっぷり液で1枚で全身を拭け[…]
取り付けから録画までスマートすぎるドライブレコーダー ドライブレコーダーを取り付ける際、ネックになるのが電源確保のための配線作業だ。バイクへの取り付けともなると、専門知識や工具、あるいは高めの工賃が必[…]
3つの冷却プレートで最大-25℃を実現 2025年最新モデルの「ペルチェベスト」は、半導体冷却システムを採用し、背中に冷たい缶ジュースを当てたような感覚をわずか1秒で体感できる画期的なウェアです。小型[…]
二輪史に輝く名機「Z1」 いまだ絶大なる人気を誇る「Z1」こと、1972年に発売された900super4。後世のビッグバイクのベンチマークとなる名機は、いかにして世に出たのか──。 1960年代、カワ[…]
最新の投稿記事(全体)
BMCがあり得ない“2026年空冷式ジーンズ”を制作しているらしい BMCといえば、“風を取り込む空冷式”を掲げたライディング用の涼しいジーンズ/グローブ/シャツなどを展開している…のだが、先日編集部[…]
1位:気化熱式クールベストがデイトナより登場 デイトナから登場した気化熱式クールベスト「DI-015 ウェットクールベスト」を紹介する暑さ対策記事だ。水を含ませるだけで走行風を利用して冷却する電源不[…]
愛され続けるのも納得な魅力満載のスーパーカブ スーパーカブには世界中で愛されるだけの様々な魅力がある。まず挙げられるのが、その特徴的なデザイン。丸みを帯びた優しさすら感じるフォルムは、一度見たら忘れら[…]
Yoeyang 高圧洗浄機 場所を選ばず使える高圧洗浄機。本体わずか574gの業界最小最軽量(約20×7×18cm)ながら、8MPaの強力な水圧を発揮し、車やバイクの泥汚れや窓の隅など頑固な汚れも簡単[…]
オートバイって何語? バイクは二輪車全般を指す? 日本で自動二輪を指す言葉として使われるのは、「オートバイ」「バイク」「モーターサイクル」といったものがあり、少し堅い言い方なら「二輪車」もあるだろうか[…]
- 1
- 2