ロイヤルエンフィールドは、2021年にミラノで開催されたEICMA2021で公開されたコンセプトモデル「SG650 Concept Motorcycle」の市販バージョンとなるミドルクラスのクルーザーモデル「Shotgun 650」を正式発表した。車体のベースはスーパーメテオ650と共有するが、デザインもライディングポジションも一新され、スポーティなモデルに生まれ変わっている。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ロイヤルエンフィールド
フロントホイールは19→18インチに、ステップ位置はミッドコントロール
ロイヤルエンフィールド「ショットガン650」がついに正式発表された! 過去にEICMA2021で公開されたコンセプトモデル「SG650 Concept Motorcycle」が市販バージョンに進化したもので、エンジンとフレームは同社のミドルクルーザー・スーパーメテオ650がベースだが、デザインやライディングポジション、足まわりなどが刷新されている。
まず注目のエンジンだが、スーパーメテオ650と同じ648cc並列2気筒で270度クランクを採用しており、セッティングやギヤ比は共通だというから、低速からトルクフルで鼓動感のあるフィーリングはそのまま受け継いでいるはず。さらに、ハリスパフォーマンスが開発したフレームも共通だ。
ただし、足まわりはフロントホイールを19→18インチ化するとともにリヤホイールは16→17インチ化。さらにφ43mm倒立フロントフォークの全長をマイナス30mm、リヤサスをプラス23mmとすることでフロント車高を下げ、リヤ車高を上げることでスポーティなジオメトリーとした。
これに合わせてステップ位置をフォワードコントロール(ステップを前方に配置するタイプ)からミッドコントロール、つまり一般的なロードスターに近い配置とすることで、より積極的なライディングに対応する。ハンドル位置は低く、シート高は740→795mmとし、これらもスーパーメテオ650をロードスター的に構築し直すものだ。ホイールベースは35mm短くなり、キャスター角は2.5度、トレールは17mm減少した。
全体にスポーティになっているとはいえ、フロントホイールを17インチではなく18インチ化にとどめたことで快適性やおおらかさをキープし、ロイヤルエンフィールドらしい“ユルさ”を残しているものと思われる。
キャストホイールに履くチューブレスタイヤはインドのCEAT製で、リヤはラジアル構造を採用。車重は金属部品の多用などにより240kgとやや大柄だが、安定感や快適性の面でいえば重いことは必ずしもデメリットではない。
デザインには、随所にクラシック350との共通点を見出だすことができる。三又とつながるようなアルミキャスト製のライトナセルやシングルシート、着脱が容易なサブフレームなどがそれで、カスタマイズ性も高そうだ。
カラーリングは4色あり、ステンシルホワイトにはじまりグリーン、ブルー、ダークグレーが用意される。価格や発売時期は未発表だが、日本への導入は確定的で、2024年の早いうちに詳細が明らかになるだろう。
ショットガン650のカラーバリエーション
ショットガン650のスペック
車名 | SHOTGUN 650 |
全長×全幅×全高 | 2170×820mm×1105mm |
軸距 | 1465mm |
シート高 | 795mm |
キャスター/トレール | 25.3°/101.4mm |
装備重量 | 240kg |
エンジン型式 | 空油冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ |
総排気量 | 648cc |
内径×行程 | 78×67.8mm |
圧縮比 | 9.5:1 |
最高出力 | 47ps/7250rpm |
最大トルク | 5.33kg-m/5650rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
燃料タンク容量 | 13.8L |
公称燃費 | 22km/L |
タイヤサイズ前 | 100/90-18 |
タイヤサイズ後 | 150/70R17 |
ブレーキ前 | φ320mmディスク+2ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ300mmディスク+2ポットキャリパー |
価格 | 未発表 |
色 | 白、緑、黒、灰 |
発売日 | 未発表 |
ショットガン650のディテールほか
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
あなたにおすすめの関連記事
ロイヤルエンフィールドが放つ、本格クルーザー インドで試乗したスーパーメテオ650の手応えはとても良かった。クルーザースタイルにも関わらずハンドリングを作り込んでいたし、今となっては希少な空冷の並列2[…]
日本では4バリエーション/6色を発売。価格は97万200円〜 コンチネンタルGT650は、クラシックバイクの雰囲気を持ち、現代としては希少な空冷パラレルツインエンジンを搭載。シリンダーのフィンや丸みを[…]
メインフレームからワンオフで製作、サイドカーはフルオリジナル! 2023年12月3日(日)にパシフィコ横浜で開催された「ヨコハマ ホット ロッド カスタム ショー2023」。前年、本イベントに初出展し[…]
ロイヤルエンフィールドとチェリーズカンパニーがタッグ! ロイヤルエンフィールドは、カスタムにとても力を入れているメーカー。シンプルな車体づくりは、カスタムでオーナーの好みに仕上げられる楽しさを持ち、『[…]
【小川勤(おがわ・つとむ)】1974年生まれ。1996年にえい出版社に入社。2013年に同社発刊の2輪専門誌『ライダースクラブ』の編集長に就任し、様々なバイク誌の編集長を兼任。2020年に退社。以後、[…]
最新の関連記事(新型クルーザー)
様々な使い方や乗り方に応える懐の深さが魅力 2024年上半期、400ccクラスの販売台数でGB350をしのぎトップに躍り出たのがエリミネーターだ。それどころか、大型バイクを含めた車検付クラスでもZ90[…]
OHV45度Vツインの伝統を受け継ぐ史上最強エンジンは、キャラに違いあり!! 長きにわたり、ウィリーGが熱き情熱でスタイリングを手がけ、開発技術者たちとともに魂が込められ、製品化されてきたハーレーダビ[…]
トライアンフの歴史を華々しく飾った一流スタントライダーの記念碑的モデル トライアンフ・ロケット3は、2458cc水冷並列3気筒エンジンをクランク縦置きで搭載するメガクルーザーだ。このたび発表された特別[…]
400ccライダーの感じたレブル1100T DCT 柴﨑美奈子さんは横須賀にあるバイカーズカフェ☆TWO STAR☆のオーナー。10代で免許を取得してからずっと同じ400ccのバイクに乗り[…]
細身のジャケットにワイシャツとネクタイ…ブリティッシュトラッドなコーデって、パリッとした王道スタイルだよね! そういえばバイクでも英国風なトラディショナルバイク、ホンダGB350シリーズが、人気になっ[…]
最新の関連記事(ロイヤルエンフィールド)
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
クルーザーベースなのに意外にスポーツ性高し! ロイヤルエンフィールドの日本国内ラインナップには、このショットガン650のほかに648ccの空冷パラレルツインエンジンを搭載するモデルが3機種ある。カフェ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
取り柄はレトロなスタイルだけじゃない。最新のクラシックは基本性能の高さが魅力 トライアンフやノートン等と同様に、イギリスで創業したロイヤルエンフィールドは、1901年にバイクの生産を開始した世界最古の[…]
123年以上の歴史で迎える大きな節目として電動バイクの新ブランドを構築 250~750ccのミドルクラスバイクで世界的に存在感を放っているロイヤルエンフィールドが、新しい電動バイクブランド「FLYIN[…]
人気記事ランキング(全体)
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
一定以上のスピードの車両を自動的に撮影する「オービス」 結論から言うと、基本的にバイクはオービスに撮影されても捕まらない。そもそもオービスはバイクを取り締まるつもりがない。ただし警察にもメンツがあるか[…]
第1位:JW-145 タッチパネル対応 蓄熱インナーグローブ [おたふく手袋] 2024年11月現在、インナーウェアの売れ筋1位に輝いたのは、おたふく手袋が販売する「JW-145 蓄熱インナーグローブ[…]
新色×2に加え、継続色も一部変更 ホンダは、水冷4バルブの「eSP+」エンジンを搭載するアドベンチャースタイルの軽二輪スクーター「ADV160」に、スポーティ感のある「ミレニアムレッド」と上質感のある[…]
寒い時期のツーリング 冬はライダーにとって、本当に過酷な季節です。急激に気温が下がったりしてきましたが、オートバイに乗られているみなさんは、どういった寒さ対策をしていますか。 とにかく着込む、重ね着す[…]
最新の投稿記事(全体)
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
ヤマハの最先端技術の結晶、それがYZF-R1だ 今からちょうど10年前の2014年11月。イタリアはミラノで開催されたEICMAにおいて、7代目となるヤマハのフラッグシップ“YZF-R1”が華々しくデ[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
- 1
- 2