
カワサキモータースジャパンは、ジャパンモビリティショー2023で本邦初公開した原付二種クラスの電動バイク「Ninja e-1」を正式発表した。価格は106万7000円だが、東京都の場合なら58万円もの補助金を受けることができ、ガソリン車と変わらない価格で入手できる。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
12psのパワーユニットを搭載、車重は140kg、15秒限定でエクストラパワー加速が可能
カワサキ「ニンジャe-1」の発売日と価格、スペックが正式発表された! 9月に15秒の加速強化『eブースト』付きで登場し、10月のジャパンモビリティショー2023では実車が展示された。専用バッテリー2個を通常の燃料タンク位置に収納し、満充電で55kmの走行が可能な、原付二種クラスの電動バイクだ。
ニンジャe-1、および同時発表のZ e-1は、カワサキ初の公道走行可能なEVスポーツモデル。パワーユニットは4.1kg-mという最大トルクを0-1600rpmで発生し、最高出力12ps/2600-4000rpm。そして車両区分を決定づける定格出力は1.33psと発表された。
400cc並みのトルクを発揮することから強力なスタートダッシュが期待でき、停止時/走行時ともに起動可能なeブーストを使用すれば、さらに爽快な加速を見せつけてくれそうだ。取り回しを支援するウォークモードといったEVならではの新機能を搭載し、
航続距離は55km(ROADモード・60km/h定地走行)と欧州の72kmとは異なっているが、これは計測方法の違いによるものだろう。最高速度はECOモード時:64km/h、ROADモード時:88km/hだが、eブーストを仕様するとそれぞれ75km/h・105km/hに強化される。
2個搭載する動力用リチウムイオンバッテリーの重量は1本あたり11.5kg。バッテリー1個あたりの充電時間は、0%→100%のフル充電で約3.7時間、20%→85%の部分充電で約1.6時間。20%→100%で約3時間だ。
充電方法は、(1)取り外して充電ドックに差す、(2)取り外したバッテリーを直接電源とつなぐ、(3)バッテリーを車体に搭載した状態で家庭用コンセントを用いて充電の3通り。バッテリー搭載の場合はタンデムシートを開けたところにアダプターの差し口がある。ちなみに、バッテリー収納スペースの上部は容量5Lの小物入れとしても機能する。
Ninja e-1[2024 model]
フレーム、サスペンション、ブレーキは400ccクラスをベースにしたとしており、48psを発揮するニンジャ400/Z400とほぼ同等のディメンションに27kg~31kgも軽い車重が与えられた。モーターはエンジンに比べてジャイロモーメントが小さいことが予想されるため、ハンドリングはかなり機敏なものになりそうだ。
灯火類はニンジャe-1、Z e-1いずれもフルLEDを採用。メーターは4.3インチTFTカラーディスプレイで、カワサキオリジナルの「Rideology The APP Motorcycle」とBluetoothで接続可能だ。メーターには速度計、時計、オド/ツイントリップ、航続レンジ、パワーモード、e-boost、ライディングモードインジケーター(N、D、F、R)などを表示できる。
※N=ニュートラル相当、D=Drive Ready(走行可能)、F=歩行モード前進、R=歩行モード後進
CEV補助金12万円、東京都なら補助金がさらにプラス46万円=計58万円
気になるのは実際の購入価格だろう。東京都に住民票がある場合は、CEV補助金12万円、東京都電動バイク普及促進事業補助金46万円が交付され、計58万円の補助金で実質車体価格は48万7000円に。その他の地域でも、94万7000円と100万円切りは達成している。
Ninja e-1[2024 model] のスタイリング
Ninja e-1[2024 model]のスペック
車名 | Ninja e-1 |
型式 | ZAD-NX011A |
全長×全幅×全高 | 1980×685×1105mm |
軸距 | 1370mm |
最低地上高 | 160mm |
シート高 | 785mm |
装備重量 | 140kg |
原動機種類 | 交流同期電動機 |
定格出力 | 1.33ps(0.98kW) |
最高出力 | 12ps/2600-4000rpm |
最大トルク | 4.1kg-m/0-1600rpm |
変速機 | なし |
動力用バッテリー | リチウムイオンバッテリー×2個 |
60km/h定地走行時の電費 | 52Wh/km |
航続距離 | 55km(ROADモード、60km/h定地走行値、1名乗車時) |
キャスター/トレール | 24.4°/93mm |
タイヤサイズ前 | 100/80-17 |
タイヤサイズ後 | 130/70-17 |
ブレーキ前 | φ290mmディスク+2ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ220mmディスク+2ポットキャリパー |
価格 | 106万7000円 |
色 | メタリックブライトシルバー×メタリックマットライムグリーン |
発売日 | 2024年1月13日 |
車体はニンジャ400/Z400がベース
スチール製トレリスフレームや足まわりはニンジャ400/Z400のものがベースになっている。パワーユニットの最大トルクも400cc並みだが、モーター等が軽量なため車重は140kg(Z e-1は135kg)に収まっている。※写真はZ e-1
バッテリーはアタッシュケースのような形状で、通常の燃料タンク位置に左右に並べて搭載する。バッテリーの上は容量約5Lの小物入れとして使用可能。
加速力を強化するeブーストによって最高速度も上昇する。オーバーヒート防止のため15秒を過ぎると元に戻る仕組みだ。
動力用バッテリーの充電は、取り外して直接充電、取り外してドックに差す、車両に搭載したまま充電の3種類。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
650~700ccクラスの性能を備え、1000ccスーパースポーツに匹敵する瞬発力!! つい最近、125ccクラスに相当する欧州A1くライセンスクラスの電動バイク「ニンジャ e-1」および「Z e-1[…]
アップハンドルでライディングポジションは快適方向に 先に世界初の2輪ストロングハイブリッド(=エンジンとモーター/エンジンのみ/モーターのみの3モードで走行が可能)車として発表されたカワサキ ニンジャ[…]
じつは内燃機関が超充実しているカワサキ カワサキは、世界初公開&国内初公開モデル以外にも現行モデルや開発中のエンジンを展示する。カワサキブースには身近な人気車として、ニンジャ1000SX、Z900RS[…]
”PREPARE FOR TAKE-OFF”って……オイ! 最初に言っておきたい。これは光栄にもバイク界の東●ポと呼ばれるヤングマシンが、妄想力を逞しく発揮した記事である。カワサキが直列6気筒ターボ搭[…]
もっとも厳しいレース環境で水素小型モビリティの課題抽出へ 1978年から毎年開催されており、地上でもっともマシンと乗り手が試される過酷なモータースポーツスとして熱烈なファンも多いダカールラリー(当初は[…]
最新の関連記事(新型EV/電動バイク)
コスパも高い! 新型「CUV e:」が“シティコミューターの新常識”になる可能性 最初にぶっちゃけて言わせてもらうと、筆者(北岡)は“EV”全般に対して懐疑的なところがある者です。カーボンニュートラル[…]
125ccスクーターよりも力強い発進加速、街中で光る静けさ ホンダがパーソナルユース向けに国内リリースした電動スクーターの第2弾「CUV e:」は、第1段の「EM1 e:」が50cc相当の原付一種だっ[…]
レンタルクーポンの利用者、先着500名に購入サポート 今回のキャンペーンは、Hondaのバイク関連サービス「HondaGO」の会員を対象としており、現在会員でない方も、新たに登録することで参加可能。キ[…]
ひと目でEVとわかる先進的なスタイリング こちらが今回発表された「CUV e:」! Hondaはこれまで、EVバイクとしてパーソナル向けに原付一種の「EM1 e:」を市販化していますが、CUV e:は[…]
【本田技研工業 電動事業開発本部 二輪・パワープロダクツ電動事業開発統括部 CUV e: LPL(開発責任者) 後藤香織さん】2006年入社。以来一貫して2輪車開発に従事し、おもに車体設計としてEV-[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
コンパクトな車体に味わいのエンジンを搭載 カワサキのレトロモデル「W230」と「メグロS1」が2026年モデルに更新される。W230はカラー&グラフィックに変更を受け、さらに前後フェンダーをメッキ仕様[…]
2025年モデルの登場から間もないニューカラー設定 2024~2025年の年末年始に発売されたKLX230シリーズがマイナーチェンジ。既報のKLX230シェルパSおよびKLX230 DFは車体まわりに[…]
早くもモデルチェンジで“S”版に! ベーシックな空冷トレールモデル カワサキの新トレッキングマシンとして2024年12月25日に発売されたばかりのKLS230シェルパが早くもモデルチェンジ。2026年[…]
まるで自衛隊用?! アースカラーのボディにブラックアウトしたエンジン&フレームまわり 北米などで先行発表されていたカワサキのブランニューモデル「KLX230 DF」が国内導入されると正式発表された。車[…]
カワサキZ1、伝説のディテール デザインは後にGPZ900Rなども手がけた多田憲正氏によるもの。完璧なバランスのスタイリングだけでなく、ディテール面でも後世の車両に大きな影響を与えた。反り上がったテー[…]
人気記事ランキング(全体)
発売当初のデザインをそのままに、素材などは現在のものを使用 1975年に大阪で創業したモンベル。最初の商品は、なんとスーパーマーケットのショッピングバックだった。翌年にスリーピングバッグを開発し、モン[…]
軽量で取り扱いやすく、初心者にもピッタリ 「UNIT スイングアームリフトスタンド」は、片手でも扱いやすい約767gという軽さが魅力です。使用後は折りたたんでコンパクトに収納できるため、ガレージのスペ[…]
まるで自衛隊用?! アースカラーのボディにブラックアウトしたエンジン&フレームまわり 北米などで先行発表されていたカワサキのブランニューモデル「KLX230 DF」が国内導入されると正式発表された。車[…]
LEDのメリット「長寿命、省電力、コンパクト化が可能」 バイクやクルマといったモビリティに限らず、家庭で利用する照明器具や信号機といった身近な電気製品まで、光を発する機能部分にはLEDを使うのが当たり[…]
コンパクトな車体に味わいのエンジンを搭載 カワサキのレトロモデル「W230」と「メグロS1」が2026年モデルに更新される。W230はカラー&グラフィックに変更を受け、さらに前後フェンダーをメッキ仕様[…]
最新の投稿記事(全体)
竹繊維を配合した柔らかく軽量なプロテクターシリーズ 「お気に入りのジャケットを、もっと涼しく、もっと快適にしたい」、そんなライダーの願いを叶えるアップグレードパーツ「バンブーエアスループロテクター」シ[…]
対策意識の希薄化に警鐘を鳴らしたい 24年前、当時、編集長をしていたBiG MACHINE誌で「盗難対策」の大特集をしました。 この特集号をきっかけに盗難対策が大きな課題に そして、この大盗難特集号は[…]
「自分には自分にやり方がある」だけじゃない 前回に続き、MotoGP前半戦の振り返りです。今年、MotoGPにステップアップした小椋藍くんは、「あれ? 前からいたんだっけ?」と感じるぐらい、MotoG[…]
夏ライダーの悩みを解決する水冷システム 酷暑の中、ヘルメットやライディングウェアを身につけて走るライダーにとって、夏のツーリングはまさに過酷のひとこと。発汗や走行風による自然な冷却だけでは追いつかない[…]
コスパも高い! 新型「CUV e:」が“シティコミューターの新常識”になる可能性 最初にぶっちゃけて言わせてもらうと、筆者(北岡)は“EV”全般に対して懐疑的なところがある者です。カーボンニュートラル[…]
- 1
- 2