
BMWジャパンは、ロードスターモデルの『F900R』、『S1000R』、『R1250R』の装備内容を一新し、車両価格を改定。2024モデルとして’23年11月15日より順次出荷している。海外ブランド、とくにプレミアムブランドであるBMWをより購入しやすい装備内容と価格となった。なお、全車種ともETC2.0車載器が標準装備となるほか、3年保証が付帯する。
●文:ヤングマシン編集部(山下剛) ●外部リンク:BMW Motorrad Japan
電子制御デバイスを充実させてより快適で安全なバイクを求めやすく
ロードスターとは、クルマではオープンカーを意味し、狭義では幌付きのものをいう。しかしBMWがバイクに対して使うロードスターとは、ネイキッド/ストリートファイターを意味しており、車名の末尾に『R』の文字を冠することが’70年代以降の習わしとなっている。
BMWのロードスターは、Fシリーズ、Sシリーズ、Rシリーズ、Gシリーズにそれぞれラインナップされているが、このたび装備内容と価格が改定されたのはGシリーズ以外の3シリーズだ。1車種ずつその更新内容を見ていこう。
上級装備だった電子制御デバイスが標準装備になったF900R
BMW F900R[2024 model]
『F900R』は、894cc水冷並列2気筒エンジンを搭載するロードスターだ。’20年にフルモデルチェンジされたFシリーズで最初に登場したモデルのひとつで、270度位相&逆回転クランクを採用する並列2気筒エンジンには、鍛造ピストン、2軸バランサー、フィンガーフォロワーロッカーアームなどを盛り込み、ハイパワーと扱いやすさ、良好なトラクションを実現している。
装備内容の改定は下記の通りで、従来は上級仕様となるプレミアムラインに装備されていた電子制御デバイスのいくつかが標準装備となった。
- ライディングモードプロ
「レイン」、「ロード」、「ダイナミック」、「ダイナミックプロ」の4種に拡大 - ABSプロ
コーナリングABSへ高機能化 - ギアシフトアシストプロ
アップ/ダウン対応のクイックシフター - DTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)
- 車体色と車両価格を一新
レーシングレッド(119万円~)、ブラック・ストーム・メタリック2(121万8000円~)、ライト・ホワイト(122万6000円~)の3色展開
【BMW F900R】主要諸元■全長2140 全幅815 全高1135 軸距1520 シート高815(各mm) 車重211kg■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 894cc 105ps/8500rpm 9.4kg-m/6500rpm 変速機6段 燃料タンク容量約13L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:119万円~ ●色:白×青、赤、黒 ●発売日:2023年11月15日
電子制御がさらに充実のスーパーネイキッド・S1000R
BMW S1000R[2024 model]
『S1000R』はスーパースポーツ・S1000RR直系の999cc水冷並列4気筒エンジンを搭載するロードスターだが、最高出力は165ps、装備重量204kgというスペックでわかるように、まごうことなきストリートファイターだ。S1000RRのエンジンより5kg、車両全体では6.5kgも軽くしつつ、4~6速ギアをロングレシオとしたことで、市街地やワインディングでの走行、サーキットにおいてもハイパワーを扱いやすい特性としている。
コーナリングABS、3種のライディングモード、トラクションコントロールなど電子制御デバイスも充分に装備するが、このたびの改定によりさらに下記が標準装備となり、カラーバリエーションも変更となった。
- ライディングモード・プロ
従来の「レイン」、「ロード」、「ダイナミック」に加えて「ダイナミックプロ」を追加 - ダイナミックエンジンブレーキコントロール
強いエンジンブレーキの際に後輪のスリップを抑制して走行安定性を維持する - ダイナミッククルーズコントロール(DCC)
坂道でも設定した速度を維持するクルーズコントロール - 車体色と車両価格の刷新
ブラック・ストーム・メタリック(198万7000円~)、ブルーストーン・メタリック(202万8000円~)の2色展開
【BMW S1000R】主要諸元■全長2075 全幅815 全高1050 軸距1450 シート高830(各mm) 車重204kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 999cc 165ps/11000rpm 11.6kg-m/9250rpm 変速機6段 燃料タンク容量16.5L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●価格:198万7000円~ ●色:黒、青 ●発売日:2023年11月15日
BMW S1000R[2024 model]ブルーストーンメタリック
BMW S1000R[2024 model]ブラックストームメタリック
双方向クイックシフター装備のR1250R
BMW R1250R[2024 model]
『R1250R』は、BMW伝統の水平対向2気筒エンジンを搭載するロードスターで、BMWの第1号機であるR32直系となる最新鋭ボクサーだ。R32から100年が経った現在のボクサー・ロードスターは、136psを発生する1254cc空水冷水平対向2気筒エンジンを搭載し、BMW独自のテレレバー式サスペンション、インテグラルABSプロ、トラクションコントロール、エンジンブレーキコントロール、「エコ」、「レイン」、「ロード」、「ダイナミック」、「ダイナミックプロ」からなる5種のライディングモードなどの最新電子制御デバイスを備える。’24年型では、これらに加えて下記の装備が標準となった。
- ギアアシスタントプロ
アップ/ダウン対応のクイックシフター - クロームデザインのサイレンサーとエキゾーストパイプ
- 車体色と車両価格
車体色は継続されるが、それぞれ車両価格は改定となる。アイス・グレー(177万5000円~)、レーシング・ブルー・メタリック(183万6000円~)、ブラック・ストーム・メタリック(185万7000円~)の3色がラインナップされる。
【BMW R1250R】主要諸元■全長2165 全幅850 全高1180 軸距1515 シート高820(各mm) 車重239kg■空水冷4ストローク水平対向2気筒DOHC4バルブ 1254cc 136ps/7750rpm 14.6kg-m/6250rpm 変速機6段 燃料タンク容量18L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:177万5000円~ ●色:灰、青、黒 ●発売日:2023年11月15日
BMW R1250R[2024 model]レーシングブルーメタリック
BMW R1250R[2024 model]ブラックストームメタリック
BMW R1250R[2024 model]アイスグレー
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(BMWモトラッド)
R20 CONCEPT/Concept F 450 GSを本邦初公開 ! 『東京モーターサイクルショー』にて、BMWはドイツ本社より本イベントのために特別に取り寄せたコンセプトモデル「R20 CONC[…]
BMWが打ち出すベテラン用オートマチック 違和感はなく、慣れという意識も必要なかった。走り出して10分もすると、僕はASA(オートメイテッドシフトアシスト)のコツを掴み、その機能をより効率良く活用する[…]
新型モデルの「M 1000 R / RR」「S 1000 R / RR」「F 900 R / XR」の実車を国内初お披露目(大阪会場) 来たる3月21日(金)〜3月23日(日)にインテックス大阪で『大[…]
ボクサー誕生、最強バイクとして世界中でコピー BMWといえば2輪メーカーとしてスーパーバイクS1000系からボクサーのRシリーズなど、スポーツバイクで世界トップに位置づけられるメーカー。 そのBMWが[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
最新の関連記事(新型ネイキッド)
車体の刷新でスポーツ性を大幅強化 今回の倒立フォーク化&ラジアルマウント化のモデルチェンジでは、本来約4.5kgの重量増になるところを、MT-07ならではの軽さに拘って各部を軽量化。車体のねじれ/縦方[…]
大型バイクの重さ/シビアさから降りてしまったライダー 今回「CB650R E-Clutch」に乗るのは、元大型ライダーの赤坂さん。 バイク歴8年で10代から乗っていた赤坂さんは、以前はリッタークラスの[…]
待望のビモータ第2弾がいよいよ上陸、走行性能を極めたハイパーネイキッドを見よ! カワサキとビモータがコンビを組んだのは2019年。KB4を皮切りに現在では6車種をラインアップしているが、カワサキモータ[…]
ブランニュー色はライトグレーのボディにライトブルーのホイール ヤマハが「MT-25」「MT-03」の2025年モデルを発表。YZF-R25&R3と同様にシートまわり&テールカウルが変更されたほか、アシ[…]
250ccフルスケールで断トツの安さ! 低燃費やスズキ独自の油冷単気筒も魅力 スズキは、独自の油冷単気筒エンジンを搭載した軽二輪ネイキッドスポーツ「ジクサー250」にニューカラーを設定し、2025年モ[…]
人気記事ランキング(全体)
タイホンダ創立60周年を記念したスペシャルエディション 特別仕様車の製作に旺盛なカブハウスは、タイホンダの創立60周年を記念した「New Monkey Chrome Legacy Limited Ed[…]
ヤンマシ勝手に断言。これでレースに出るハズだ!! 「CB1000Fコンセプト モリワキエンジニアリング(以下モリワキCB)」は、見ての通り、ホンダCB1000Fコンセプトをレーサーに仕立てたカスタムモ[…]
Q.猛暑も過ぎようやくツーリングへと出かけたのですが、曲がり角やカーブのたびにハンドルを重く感じて、内側に切れるのを左手で支え疲れ果てました。これまで快適に乗れていた愛車が、わずか2ヶ月乗らずにいたら[…]
子供の夢を、ホンダが大人げないほど本気で作る この「ホンダコライドン」は、内部のモーターや駆動用タイヤによって走行が可能な電動モビリティ。手足/首/顔も可動としてゲーム上の動きの忠実な再現を目指し、子[…]
2機種/3+2グレードで構成されるインド仕様 ホンダモーターサイクル&スクーターインディア(HMSI)は、日本でGB350シリーズとして販売され人気の空冷単気筒バイク「H’ness CB350(ハイネ[…]
最新の投稿記事(全体)
ラインナップ豊富な新生KLX230シリーズ カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させた。 KLX230[…]
ヘッドユニットオーディオ「WHD14+」(プレシジョンパワー):Apple CarPlay&Android Autoワイヤレス対応 高機能かつ高性能のオーディオヘッドユニットを取り扱うプレシジョンパワ[…]
原付バイク安全運転スキルアップ講習会について 本講習会は原付バイクに特化した安全運転講習会で、原付利用者の交通安全意識と安全運転技能の向上を図り、交通事故を防止しようという狙いで2024年から開始され[…]
“エフ”にとらわれず、新世代のCBをゼロベースで追求 YM:まずはCB1000Fコンセプトの狙いどころや、車両のコンセプトを教えて下さい。 坂本:“CB”はレースと共に育ってきたブランドですが、その役[…]
洗車だけでなく雨天走行後にも使えそうな”吸水クロス” 雨天での走行後や、洗車後に気になるのがボディに付いた水滴。これの拭き取りに特化した設計のクロスが”超吸水ゼロタオル”だ。 吸水性を高めるため、生地[…]
- 1
- 2