ヤマハは北米で、欧州や日本で発表されたもの以外にも2024年モデルを発表している。ここでは北米専用色と思われるホワイトを採用したYZF-R3、台湾製BW’Sの北米版であるZUMA125、そして和名ビラーゴ250から転生して生き残っているVスター250を紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
独自のカラーバリエーションを展開する北米YZF-R3
ヤマハは北米で、日本でも販売中のロードスポーツ「YZF-R3」に新色のホワイトを追加したほか、欧州でも発表されたブルーに新ロゴを反映して2024年モデルとして発表した。
北米向けの仕様では、これまでも日本には導入されない独自のカラーリングを採用することがたびたびあり、このホワイトが今後導入されるであろう日本仕様にも設定されるのかは不明。ただし、過去にあって今まで導入されなかったオレンジなどのド派手カラーに比べれば可能性はありそうにも思える。
YZF-R3は、321ccの並列2気筒エンジンを搭載し、バイアスタイヤのYZF-R25に対しラジアルタイヤを装着。2019年のマイナーチェンジでは、倒立フロントフォークの採用や外装&ライディングポジションまわりの一新でスポーティさを増している。価格は2023年モデルから据え置きの5499ドルだ。
主要諸元■軸距54.3 シート高30.7(各インチ) 車重375ポンド(170kg)■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 321cc 最高出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量3.7ガロン(14L)■タイヤサイズF=110/70R17 R=140/70R17 ●北米価格:5499ドル ●色:白、青
稀少な空冷Vツイン! XV250ビラーゴを思わせるVスター250
1988年に発売されたXV250ビラーゴ(Virago)は、のちにSRV250などにも搭載されたロングストロークの空冷Vツインエンジンを搭載。250㏄クラスながらロー&ロングの本格的なアメリカンスタイルで人気を博した。2000年には後継機種のドラッグスター250が登場し、のちにそれも生産終了。
ドラッグスター250はディープフェンダーを採用したクラシックスタイルになったが、シンプルなデザインのXV250ビラーゴを好むライダーも多かった。そんなビラーゴのスタイルを継承するモデルが、北米で生き残るVスター250だ。
北米では当初、「XV250 Route66」や「Virago 250」として販売され、2008年以降に「Vスター250(V-Star 250)」として販売されてきた。2024年モデルは燃料タンクのグラフィックに赤い差し色が入り、価格据え置きの4699ドルで発売される。
YAMAHA V-Star 250[2024 U.S. model]■空冷4ストロークV型2気筒SOHC2バルブ 249cc 車重147kg ●北米現地価格:4699ドル
台湾生産「BW’S」の北米モデルが「ZUMA 125」だ
ZUMA 125は、台湾で販売中の最新SUVスクーター「BW’S」の北米版。VVA(可変バルブ機構)を採用した『ブルーコア』エンジンは燃料消費率101mpg(101マイル/1ガロン)=約42.9km/Lを実現し、燃料タンク容量1.6ガロン(約6L)と掛け合わせると、航続距離は約257kmになる。
スタイリングは頑丈さをアピールしつつモダンに仕立てられ、“コンパクトでタフなアドベンチャーモデル”という独自の立ち位置を確立。前後ABSのほかセンタースタンドとサイドスタンド、イグニッションスイッチカバー、フルフェイスヘルメット1個を収納可能なシート下スペース、USB充電ソケットを備えたフロント小物入れといった便利な装備も標準採用している。
2024年モデルではサンドベージュ系の新色がタフな印象を強めている。価格はこちらも据え置きの3799ドルだ。
YAMAHA ZUMA 125[2024 U.S. model]■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 125cc 車重128kg ●北米現地価格:3799ドル
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