
プジョーの2輪部門であり、現存する世界最古のバイクメーカーであるプジョーモトシクル。今回紹介するのは、’23年にスタイリングを一新したハイホイールスクーター、ツイート125GTだ。空冷ながら11.4psを発生し、ブレーキは前後ディスクなのもポイントだ。
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:柴田直行 ●外部リンク:プジョーモトシクル
プジョー ツイート125GT 概要
【PEUGEOT MOTOCYCLES TWEET 200 GT】■全長2020 全高1165 シート高790(各mm) 車重106kg ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 125cc 11.4ps/8500rpm 1.05kg-m/6500rpm 無段変速 燃料タンク容量5.5L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク■タイヤF=110/70-16 R=110/70-16 ●色:灰 ●価格:39万500円
【ライディングポジション】シート高は790mmと高め。座面が広くて座り心地良し。身長が高いライダーは膝周りが窮屈に感じる可能性ありだ。[身長175cm/体重68kg]
[◯] 空冷ながら力強い走り。段差でふられにくいぞ
フロントホイール径が16インチでフラットなフロアボードを採用する車種が、一般的にハイホイールスクーターと呼ばれる。公道で開催される自転車ロードレースの中継を観ていると、確かにヨーロッパの田舎には古い石畳など荒れた路面が残っており、段差を乗り越えやすい大径ホイール車の需要の高さが分かる。
プジョーモトシクルのツイート125GTは、そんな欧州で鍛えられたハイホイールスクーターで、兄弟モデルとして170ccのエンジンを搭載した200GTもある。125GTのエンジンは空冷SOHC2バルブ単気筒で、最高出力は水冷勢に迫る11.4psを公称する。
空冷ゆえか、全域でややメカノイズが大きく感じるものの、気になるのはその程度。スロットルを大きく開ければ上り坂の途中からでもグングン加速し、交通の流れをリードすることも可能だ。空冷の原付二種スクーターと言えば、アヴェニス125などスズキから3機種が登場したばかりだが、およそ2psのパワー差は伊達ではなく、ツイート125GTの力強さはあなどれないと言えよう。
そんなパワフルなエンジンを余裕で受け止めるのが、前後16インチホイールを採用するシャーシだ。200GTと車体を共有しているだけにフレーム剛性が高く、強いブレーキングでもヘッドチューブのしなりはほとんど感じない。ハンドリングは微速域から安定指向で、大径ホイールならではの慣性モーメントの高さが伝わってくる。一方、速度が上がるほど小径スクーター以上に旋回のきっかけ作りが求められるが、前後タイヤが110mmと細いので、慣れれば軽快なスラロームも可能だ。
16インチホイールによるメリットは、荒れた路面だけでなく、歩道の段差を乗り越えるときですら感じられるもので、スッと腰を上げるなど抜重しやすいライポジも含め、欧州で人気が高いことが分かる。ブレーキは前後ともディスクで、制動力は高めながらもロックさせにくいという絶妙なセッティングだ。スタイリングに目を奪われがちだが、基本的な性能も非常に優れているのだ。
[△] 装備だけで比較すると原付二種としてはやや高め
日本で最も売れている原付二種スクーター、ホンダPCXが水冷エンジンにアイドルストップやトラクションコントロールを装備し、さらにフロントABSやスマートキー、大容量トランクを導入しながら約3万円も安いので、やはり輸入車はお高めという印象に。
[こんな人におすすめ] このスタイルは唯一無二だけに惚れたら買いだ
プジョーのハイパーカーと同様にライオンズクローをアイコンとするツイート125GT。装備面ではやや劣るものの、ハイホイールならではの走行性能と、この個性的なスタイリングは値段以上の価値あり。プジョーファンにぜひ!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
ラインナップ豊富な新生KLX230シリーズ カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させた。 KLX230[…]
BMWが打ち出すベテラン用オートマチック 違和感はなく、慣れという意識も必要なかった。走り出して10分もすると、僕はASA(オートメイテッドシフトアシスト)のコツを掴み、その機能をより効率良く活用する[…]
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキは、KLX230シリーズのモデルチェンジ時点で、トレッキングモデル「KLX230シェルパ」をラインナップに加えた。シェルパの名を冠したバイクとしては[…]
車体の刷新でスポーツ性を大幅強化 今回の倒立フォーク化&ラジアルマウント化のモデルチェンジでは、本来約4.5kgの重量増になるところを、MT-07ならではの軽さに拘って各部を軽量化。車体のねじれ/縦方[…]
大型バイクの重さ/シビアさから降りてしまったライダー 今回「CB650R E-Clutch」に乗るのは、元大型ライダーの赤坂さん。 バイク歴8年で10代から乗っていた赤坂さんは、以前はリッタークラスの[…]
最新の関連記事(新型バイク(外国車/輸入車))
BMWが打ち出すベテラン用オートマチック 違和感はなく、慣れという意識も必要なかった。走り出して10分もすると、僕はASA(オートメイテッドシフトアシスト)のコツを掴み、その機能をより効率良く活用する[…]
待望のビモータ第2弾がいよいよ上陸、走行性能を極めたハイパーネイキッドを見よ! カワサキとビモータがコンビを組んだのは2019年。KB4を皮切りに現在では6車種をラインアップしているが、カワサキモータ[…]
1990年に撤廃された、国内販売車の排気量上限自主規制 大排気量ランキングの話を始める前に、少し歴史を遡ってみよう。日本では、1969年のホンダCB750Fourの登場を機に、当時の国産車の最大排気量[…]
通勤からツーリングまでマルチに使えるのが軽二輪、だからこそ低価格にもこだわりたい! 日本の道に最適なサイズで、通勤/通学だけでなくツーリングにも使えるのが軽二輪(126~250cc)のいいところ。AT[…]
電子制御スロットル採用でユーロ5+適合、走行モードやクルコン、トラコンなど電子制御も充実 ピアッジオグループジャパンは、EICMA 2024で初公開された新型V7シリーズの国内正式導入を発表。2025[…]
人気記事ランキング(全体)
タイホンダ創立60周年を記念したスペシャルエディション 特別仕様車の製作に旺盛なカブハウスは、タイホンダの創立60周年を記念した「New Monkey Chrome Legacy Limited Ed[…]
ヤンマシ勝手に断言。これでレースに出るハズだ!! 「CB1000Fコンセプト モリワキエンジニアリング(以下モリワキCB)」は、見ての通り、ホンダCB1000Fコンセプトをレーサーに仕立てたカスタムモ[…]
Q.猛暑も過ぎようやくツーリングへと出かけたのですが、曲がり角やカーブのたびにハンドルを重く感じて、内側に切れるのを左手で支え疲れ果てました。これまで快適に乗れていた愛車が、わずか2ヶ月乗らずにいたら[…]
子供の夢を、ホンダが大人げないほど本気で作る この「ホンダコライドン」は、内部のモーターや駆動用タイヤによって走行が可能な電動モビリティ。手足/首/顔も可動としてゲーム上の動きの忠実な再現を目指し、子[…]
2機種/3+2グレードで構成されるインド仕様 ホンダモーターサイクル&スクーターインディア(HMSI)は、日本でGB350シリーズとして販売され人気の空冷単気筒バイク「H’ness CB350(ハイネ[…]
最新の投稿記事(全体)
ラインナップ豊富な新生KLX230シリーズ カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させた。 KLX230[…]
ヘッドユニットオーディオ「WHD14+」(プレシジョンパワー):Apple CarPlay&Android Autoワイヤレス対応 高機能かつ高性能のオーディオヘッドユニットを取り扱うプレシジョンパワ[…]
原付バイク安全運転スキルアップ講習会について 本講習会は原付バイクに特化した安全運転講習会で、原付利用者の交通安全意識と安全運転技能の向上を図り、交通事故を防止しようという狙いで2024年から開始され[…]
“エフ”にとらわれず、新世代のCBをゼロベースで追求 YM:まずはCB1000Fコンセプトの狙いどころや、車両のコンセプトを教えて下さい。 坂本:“CB”はレースと共に育ってきたブランドですが、その役[…]
洗車だけでなく雨天走行後にも使えそうな”吸水クロス” 雨天での走行後や、洗車後に気になるのがボディに付いた水滴。これの拭き取りに特化した設計のクロスが”超吸水ゼロタオル”だ。 吸水性を高めるため、生地[…]