2022年10月に発表されたインド生産のスズキ125ccスクーターの3モデル。アドレス125とアヴェニス125に続き、今年3月からバーグマンストリート125EXの国内販売がスタートした。アイドルストップシステムやシットインポジションなど、先行2機種との違いやいかに。
●まとめ:大屋雄一 ●写真:山内潤也 ●外部リンク:スズキ
スズキ バーグマンストリート125EX概要
[◯] 空冷だがパワーは十分。ハンドリングが優秀だ
2022年10月、バーグマンストリートの派生モデルとして、世界初公開となったのが「125EX」だ。リヤホイールを10→12インチへと大径化し、合わせてリヤタイヤ幅を1サイズ太くしているのが主な違いだ。
まずはエンジンから。アドレスやアヴェニスの124cc空冷2バルブ単気筒をベースに、始動が静かなサイレントスターターやアイドルストップを追加しており、最高出力は先の2台よりも0.3ps低いが、WMTCモード値は56.0km/Lと最も良いのが特徴だ。実際に走らせてみると、空冷ながらメカニカルノイズが少なく、不快な微振動もほとんどない。そして、ホンダPCXやヤマハNMAXなどの水冷勢よりもパワーは3割ほど低いが、発進加速や上り坂の巡航において、力不足を感じることはほぼなかった。これは水冷勢よりも車重が20kg近く軽いことが功を奏していると思われる。
続いてハンドリングについて。アドレスとアヴェニスがリヤに10インチ(前12インチは3車共通)を履くのに対し、バーグマンは先に記したように12インチを採用。さらに軸距が25mm長く設定されている。操縦に対して最もナチュラルに旋回するのはこのバーグマンで、しっかりとした接地感もある。前後サスの動きは価格なりではあるが、シートの座面が広くてウレタンも厚いので、乗り心地自体は良好だ。こうしたフロアトンネルのないフレーム形式のスクーターは、ペースを上げるとステアリングヘッド付近の弱さが露呈しやすいが、少なくともバーグマンにそうしたネガは感じられなかった。
ブレーキはフロントがφ190mmディスク、リヤがφ130mmドラムという組み合わせで、左レバーの操作で前後が連動するコンバインドシステムを採用。コントロール性、制動力ともに特に不満はなかった。
アイドルストップの作動は適切であり、再始動もスムーズ。ユーティリティ面が充実している上、キックスターターが付いているというのも安心材料の一つだ。アヴェニス比で3万3000円高いが、移動距離が長い人にはこちらをお勧めする。
[△] 車体サイズに対してタイヤが細く見える
グラマラスな曲面で構成されたスタイリングに対し、タイヤが細くてアンバランスに感じる。ただ、これが軽快かつナチュラルな操安性に寄与している可能性大なので、無闇に太くしない方がいいかも。あとはスマートキーがあれば便利だろう。
[こんな人におすすめ] 買い物からツーリングまで幅広くこなす
原付二種スクーターの王者PCXよりも4万5100円安く、WMTCモード値が約15%も良いと聞けば、食指が動く人も多いだろう。乗り降りのしやすさや前後のコンビニフックが大きなアドバンテージ、何より外観がイケてるぞ!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型スクーター)
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
日本に導入される可能性が高い ホンダはタイで、PCX160をベースにクロスオーバー仕立てとした軽二輪スクーター「ADV160」の2025年モデルを発表した。2024年モデルからはカラーチェンジとなり、[…]
新色はマットダークグリーンとパープルの2色 ヤマハは、原付二種スクーター「アクシスZ」にニューカラー×2色を設定。継続色の3色を合わせて全5色のラインナップとし、2024年10月24日に発売する。価格[…]
スカイウェイブ400誕生から26年、装備充実のバーグマン400 スズキは、ビッグスクーターの「バーグマン400 ABS」を価格改定し、2024年9月6日に発売すると発表した。バーグマン400は、国内初[…]
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
違いますよね、分かってます。でも比べてみたんです。 原付二種・異種格闘技戦勃発?! 今回は人気の125ccの中から趣味性の高いマニュアルトランスミッションモデル、いわゆる“ギヤ付き”のヤマハXSR12[…]
ちょうどいい動力性能とチープさを感じない走り J-GP3クラスとしては2024年の今季3戦目となった全日本ロードレース選手権の筑波大会は、6月中旬に開催され、自己ベストラップタイムを更新して予選5位。[…]
ライダーを様々な驚きで包み込む、パニガーレV4S 5速、270km/hからフルブレーキングしながら2速までシフトダウン。驚くほどの減速率でNEWパニガーレV4Sは、クリッピングポイントへと向かっていく[…]
レーダーを核とした6種のARAS新機能を一挙公開&テストもさせてくれた! ボッシュ(Bosch)といえばドイツの会社で、ABSをはじめ、レーダーを利用したACC(アダプティブクルーズコントロール)とい[…]
2025年11月の規制を睨み、2021年頃に開発の話が持ち上がった ご存知のように、バイクの世界にもカーボンニュートラル(CN)の波は激しく押し寄せていて、国内外の二輪メーカーはその対応に追われている[…]
人気記事ランキング(全体)
1441cc、自然吸気のモンスターは北米で健在! かつてZZ-R1100とCBR1100XXの対決を軸に発展し、ハヤブサやニンジャZX-12Rの登場からのちにメガスポーツと呼ばれたカテゴリーがある。現[…]
エンジンもシャーシも一気に時代が進む 第1回の記事では、新型CB400がトータルバランス路線を取り、77psを発揮するカワサキZX-4Rのような高性能路線には踏み込まない…という情報に対し、プロは「バ[…]
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
日本で登場したときの想定価格は60万円台か カワサキはタイに続き北米でも「W230}を発表。空冷233cc単気筒エンジンはKLX230のものをベースとしているが、レトロモデルにふさわしいパワー特性と外[…]
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
最新の投稿記事(全体)
燃料タンクも新作! サスペンションカバーやディープフェンダーも特徴 ホンダは、昨年11月に車両の姿を公開し、後日国内で発売予定としていた新型モデル「GB350C」をついに正式発表、2024年10月10[…]
最小クラスのRシリーズも元気いっぱい! 欧州では新型モデルの「R9」「R3」と同時に2025年型の「R125(日本名:YZF-R125)」、そして北米では「YZF-R7」が発表された。これらはニューカ[…]
欧州ではR125、R3、R7、R9、さらにサーキット専用R6 RACE、R6 GYTR、R1 RACE、R1 GYTRのスーパースポーツ大艦隊を編成 ヤマハは欧州で2025年モデルの「R3」を、北米で[…]
ヤマハの3気筒スーパースポーツがついに登場! ヤマハは欧州でR9、北米でYZF-R9を発表した。車名は仕向け地によって『YZF』を省略しているようだが、基本的には(細かな違いはあるとしても)同じマシン[…]
Moto2チャンピオンに向かってまっしぐら。2009年の青山博一以来の日本人世界チャンピオン誕生までカウントダウンに入った。 厳しいコンディションでもレコード更新する凄まじさ MotoGP日本グランプ[…]