
ヤマハとスズキが消え、600cc直4スーパースポーツの灯はホンダとカワサキの2台に託されているのが現状。そんな中、ユーロ4仕様で生産が終了すると思われていたホンダCBR600RRに「ユーロ5規制に適合した新型が登場する」との情報を掴んだ。となれば気になるのは、636ccという独自の排気量で我が道を行くカワサキの600SS・Ninja ZX-6Rの動向だが…。
●文:ヤングマシン編集部
CBR600RR:20周年で新型登場?! 発表は鈴鹿8耐か
初代CBR600RRの誕生は2003年。それまで600ccクラスのレースにスポーツツアラーのCBR600F4iで参戦していたホンダだが、他社の強力なライバルの登場を受け、サーキットでの戦闘力に特化したスーパースポーツ(SS)として登場。スーパースポーツワールドシリーズ(WSS)や国内ST600、鈴鹿4時間耐久レースのベースマシンとしても活躍し、そのエンジンは2018年までモト2にも供給された。
2016年にはいったん生産を終了したが、2020年にフルモデルチェンジを受け復活。この現行モデルでIMU連携のABSやトラクションコントロール、安定性を高めるウイングレットなどを装備している。当時の排ガス規制はいわゆるユーロ4(≒平成28年度規制)で、登場した当初から“ユーロ5(≒令和2年規制)には適合しない”と囁かれており、このモデルがファイナルCBR600RRになる…というのが暗黙の了解だった。
このユーロ5規制は2022年11月から施行されているため、未対応のCBR600RRはすでに生産を終了している(=法律的に生産できない)。ところが生誕20周年の節目となる今年、大方の予想を覆してユーロ5に適合した新型CBR600RRが登場するとの情報が入ってきた。今年夏の鈴鹿8耐に合わせて発表し、レースファンに生誕20周年を大々的にアピールするというのだ。
その内容は不明だが、普通に考えれば規制に対応するための最小限の変更に留まるはず。しかし、熱狂的なレースファンが集まる鈴鹿8耐で、しかも20周年のお祝いとともに発表するのなら、何らかの話題性は必要なのではないだろうか。排ガス対応のみ、じっくり見ないと判別できない新型ではなく、見るからに「スゲエ!!」となりそうな、アニバーサリーにふさわしいCBR600RRを期待したい。
【’22 HONDA CBR600RR】現行モデルはフルチェンジから2年しか経っておらず、戦闘力は十分。生誕20周年の2023年、排ガス規制をクリアして再登場する! ■水冷並列4 気筒 599cc 121ps 6.5kg-m 194kg ●160万6000円 [写真タップで拡大]
Ninja ZX-6R:USのティーザーが新型6Rか?!
ガチのレースベース車という位置づけのCBR600RRに対し、あえて636ccというレース規定からわずかに外れる排気量を採用、ストリートも眼中に置く独自の600SSとして支持されているニンジャZX-6R。現行型は2019年の登場で、最新の2023年モデルはユーロ5(≒令和2年排ガス規制)への対応期限ギリギリ直前の2022年10月1日に発売されている。
つまり、2024モデルがあるのならユーロ5に対応するモデルチェンジが必要となるため、これが国内ファイナルとなっても不思議はないのだが、カワサキからそうしたアナウンスは特になされていない。最近のカワサキは生産が終了した機種には「メーカー出荷は終了、ディーラー在庫のみ」というアナウンスを必ず行っているのだが、それがないZX-6Rは継続濃厚だと捉えてもいいだろう。
ちなみに現在、USカワサキのWEBサイトでは、6/6に16機種を発表するというティーザーが始まっており、それらの機種のシルエットが公開されているが、そのうちのひとつにZX-R系そのもののシルエットが存在する。これが新型ZX-6Rである可能性は高いはずだ。
そのシルエットは現行6Rとは異なるように見えるため、ここでZX-R系のデザインがリニューアルされるされるのかもしれない。2017年のニンジャ250に端を発する逆スラントフェイスもそろそろ6年が経過しただけに、オールニューのデザインで次世代ニンジャの方向性をぜひ提示して欲しい。
600SSはヤマハYZF-R6の公道仕様が終了し、スズキGSX-R600も規制の異なる北米でのみ販売という寂しい状況。新規に4気筒400ccまで作っちゃうカワサキなら、ZX-6Rをディスコンにしてジャンルを過疎化させるなんてコトは絶対ない?!(ハズ) 600SSの命脈はホンダとカワサキのラストサムライ2台に託されている!
【’23 KAWASAKI Ninja ZX-6R】カラーリングを一新した’23 ZX-6R。これが最終モデルでも不思議はないが、ホンダがやるなら、カワサキも黙ってないでしょ!! ■水冷並列4気筒 636cc 126ps 7.1kg-m 197kg ●140万8000円 [写真タップで拡大]
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(YM未来予想)
もっと手頃でお気軽なネオクラが欲しい!! 今や大人気のネオクラシック/ヘリテイジカテゴリー。強烈な先代へのオマージュや凝った作り込みに、最新の走行性能を兼ね備えることで一大人気カテゴリーにのし上がった[…]
史上最強ヨンヒャク+ハブステアのプレミアム中免マシン! 2019年にカワサキの支援を受けて蘇った、イタリアの名門ビモータ。初コラボマシンとしてニンジャH2のスーパーチャージドエンジンを積む「テージH2[…]
FX?! それともゼファー?! とにかく出れば絶対大反響!! 先の“復活の400cc4気筒”ニンジャZX-4Rに快哉を叫んだ人は多いだろう。最後の4気筒ヨンヒャクとして気を吐いてきたホンダCB400S[…]
絶対まだあるでしょ! 新生ホーネットの派生展開 2022年秋の欧州で登場したホンダの新型CB750ホーネット。現在のところ日本での発売は未定だが、このマシンは世界的な流行を見せているコスパに優れた新世[…]
あえて真正面からはブツけない、スキマ戦法で来る? こうした動きを考えると、きわめて手ごわいレブル250を直接相手取ることなく、あえてライバルが不在の400ccクラスに照準を合わせるやり方もアリなのでは[…]
最新の関連記事(新型スーパースポーツ)
’23 ホンダ CBR250RR 概要 ’17の初代、’20の2代目に続く3代目として’23でマイナーチェンジ。ユーロ5に相当する令和2年度排出ガス規制に適合し、型式名の先頭にはそれを意味する「8BK[…]
【テスター:丸山浩】ヤングマシンメインテスターを務める、自身が主導するウィズミープロフェッショナルレーシングの会長。過去にはCBR250RR最速プロジェクトとしてもて耐参戦などを行い、このマシンを限界[…]
懐古主義じゃない! 180馬力の最新スポーツネイキッド・スピードトリプル1200RSがベース ロケットカウル風のフェアリングをまとい、どことなくレトロなカフェレーサーをイメージさせるトライアンフ スピ[…]
電子制御やインフォティメントアクセサリーも充実!〈カワサキNinja ZX-4R〉 近年のビッグバイクや上級ミドルの電子制御やインフォティメントの進化には目を見張るものがあるが、ZX‐4Rもしっかり追[…]
レイアウトは同じだが車体姿勢は“尻上がり”!?〈カワサキ ニンジャZX-4R〉 ZX-4Rは高張力鋼管のトレリスフレームを採用。ベースとなるZX-25Rの開発時から、スーパーバイク世界選手権で闘うZX[…]
人気記事ランキング(全体)
ホンダは、昨夏の発表でコロナ禍によるロックダウン、世界的な海上輸送・港湾の混雑、半導体供給不足などの複合的な要因から製品・部品入荷や物流の遅延が継続・長期化しており、生産・海外からの入荷見通しが依然と[…]
CBR600RR:20周年で新型登場?! 発表は鈴鹿8耐か 初代CBR600RRの誕生は2003年。それまで600ccクラスのレースにスポーツツアラーのCBR600F4iで参戦していたホンダだが、他社[…]
5年連続ベストセラーに充実のパッケージで挑む〈エリミネーター VS レブル250〉 250クラスのクルーザーでは’17年の登場以来、5年連続でホンダのレブル250がベストセラー街道をバク進している。ま[…]
快適ワーク研究所を設立、シフトールはVRやメタバース領域で活躍 2023年2月、ワークマンは労働寿命の延伸を目指し、企業や大学とのコラボ製品を生み出す「快適ワーク研究所」を設立。5月から1万着がテスト[…]
GB350はマットパールグレアホワイト、GB350Sはプコブルーを追加! 2022年にクラストップの販売台数を記録し、供給が追い付かないことから受注が一時停止されていたホンダ「GB350」「GB350[…]
最新の投稿記事(全体)
この週末はのんびりした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか 今年で16回目となる同イベントは、空冷ビートル、バス、タイプ3、カルマンギアから水冷モデルまで、会場内を約300台の新旧フォルクスワーゲンが[…]
“Ninja”の伝説はここから始まった 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ900Rがいた。 ’86年に[…]
F-17初のグラフィックモデルは鮮やかな色彩が魅力の2タイプ 『F-17』は、レースにも対応するMFJ公認モデルで、全日本ロードレース選手権からフィードバックされたノウハウを凝縮したフラッグシップフル[…]
取り回しが楽で扱いやすいZ125プロ、ヘルメットホルダーはDIYしてみました 2回目の近況を報告します! 3月は年度末、4月は年度始めともあり、名所へのツーリングへ行く事は残念ながら出来ませんでしたが[…]
オリジナルのバランスを忠実に再現してみせる ケンツが’80年代2ストレプリカの最高峰RG500Γに当時のXR45外装をまとわせた、HB(ハーベイ)カラーのカスタム車を仕上げたのはヤングマシン本誌の’2[…]
- 1
- 2
- バイク/オートバイ[新車]
- ヤングマシン新車/新型バイクYM未来予想CBR600RR新型スーパースポーツニンジャZX-6R/KRT新型大型二輪 [401〜750cc]カワサキ [KAWASAKI]ホンダ [HONDA]