スズキ Vストローム1050/DE 車体解説/開発者インタビュー【Vの長兄にもDE STDもブラッシュアップ!】

スズキ Vストローム1050DE 開発者インタビュー

【Vストローム1050DE チーフエンジニア 安井信博氏】

Vストローム1050はそもそもとして、フレームやキャスター角含めオンロードバイクの設計、ディメンションで作られたバイクなんです。なので簡単に21インチホイールをポンと入れてDEが完成! というわけにはいきませんでした。サスペンションストロークを伸ばせば、それでまたディメンションが狂います。今回のDEは、Vストローム1050のパッケージの中でやれることを目いっぱいやった結果なんです。

DE化にあたり一番やりたかったのは最低地上高を稼ぐこと。今回はなんとか190mm確保しました。サスストロークに関して、現状フロントは10mmアップの170mmで、リヤはスイングアームを伸ばしたりで9mmアップの169mmを確保。本当はもっと伸ばしたかった。ただ、そうするとシートがどんどん高くなってしまいますからね。

元々オンロード設定のバイクを未舗装路方向に振るというところも苦労しました。普通にダートを走れるくらいのキャラクターとはいえ、お客様には色々な方がおられます。「いざというときにも壊れない」というところにすごく配慮しました。転倒とかジャンプとか…。ジャンプってすごくオートバイに悪いんです。大半のユーザーはやらないにしろ不用意に飛んでしまうってこともあるわけですから…。そういった強度的なところの検証にすごく時間をかけました。

今回のDE化にあたっては、検証の中で弱いところも見つかったので車体の補強も行っています。予想よりも丈夫だったので、パッチを当てる程度の補強で済みましたが。この辺りは、モトクロスライダーさんに開発に加わってもらったのですが、「意外といける」というコメントをいただいたときにはホッとしました。未舗装路、当社ではいわゆるダート林道なども“道”扱いで、オンロードと呼んでいるのですが、Vストローム1050DEはそのレベルの走行なら全然問題ないように作っていますよ!

オフロード性能アップのために開発にはスズキのモトクロスライダーも参加。ナンバー付きモデルではかなり異例のことらしい。

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