
400ccに4気筒が復活するというトピックだけでも喜ばしいのに、最高出力は想定をはるかに超える80ps! もはやヨンヒャクの魅力は日本だけのモノに非ず。世界戦略車として羽ばたくニンジャZX-4Rのすべてを徹底解説!! 本記事ではその概要と、ZX-25Rと共有するスタイリングについて解説する。
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司 宮田健一 編集部) ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
予想を超えてきたスペックに痺れた〈カワサキ ニンジャZX-4R〉
2023年2月1日、ついにニンジャZX‐4R/RRが正式発表された。――振り返れば我々は、2020年に久々に復活した250cc4気筒エンジンを搭載するニンジャZX-25Rが登場したのを機に、希望的観測として400cc4気筒の4Rのスクープ(というか妄想)を掲載して以来、開発テストの目撃情報など確度を高めながらお伝えしてきた。
そして2022年のEICMA(ミラノショー)で登場…は予想を外したが、北米カワサキが2023年2月1日に向けたティーザーでカウントダウンを開始。その間にも”驚異の70psオーバーか!?”と新情報を掲載した。
しかし2月1日に正式発表されたリリースには『最高出力77ps/ラムエア加圧時80ps』と記載されていたのだ! これには予測が外れた悔しさよりも、想定をはるかに超えるスペックをこの時代に実現したカワサキの姿勢に素直に感動した。
2022年、長らく人気を保ってきた4気筒エンジン搭載のホンダのCB400SF/SBが生産終了した。そこには、厳しさを増す排出ガス規制と共に”そもそも400ccは日本独自のガラパゴス排気量だから…”と、諦めに似た境地もあった。
ところが世界のトレンドは目まぐるしく変化する。性能やサイズ感、そしてコストのバランスの良さから、近年400ccはグローバル化しつつある。だからカワサキはZX-4Rを世界戦略車に位置付け、開発/販売に踏み切ったのではないか。
カワサキモータースジャパンは欧米での発表から間を置かずに翌日の2月2日に「今秋に向けてニンジャZX-4Rの国内導入の準備を進めている」とリリース。待望の4気筒の復活、そしてヨンヒャク史上最強の80psの走りと咆哮を体感する日は、もう遠くないのだ。
スタイリング:25Rと共通でグローバル化、誰もが扱えるサイズ感〈カワサキ ニンジャZX-25R〉
まず結論から言えば、ZX-4Rシリーズのスタイリングは、フォルムはもちろんサイズまでZX-25Rを完全に踏襲するものとなった。
ヤングマシンは2021年のスクープのほか、『ヘッドライトまわりがZX-25Rとは意匠が異なるように見えだが、ZX-10Rのような逆スラントとも違う』という開発テストの目撃情報を元にZX-4RイメージCGを製作した。しかし当時も推測したように、目撃したマシンは偽装されていた可能性もあり、今回実際に発表された姿は完全にZX-25Rと同じだった。
“せっかくの新型、違うデザインの方が…”という声もあるだろうが、これは2気筒モデルのニンジャ250とニンジャ400と同じ関係。かつて400ccは日本独自のガラパゴス排気量だったが、現在はカワサキに限らずグローバルになりつつある。ならば排気量やカテゴリーで考えると手の届きやすいプライスも非常に重要なだけに、ZX-25Rとの共通化によるコストダウンは大きなポイントとなるはずだ。
なにより多くのライダーに扱いやすい250のサイズに80psのハイパワーは、スポーツバイクにとって魅力以外の何物でもないだろう。
【’23 KAWASAKI Ninja ZX-4RR】前後の上級サスペンションおよびクイックシフターを装備するRRは、SEと同カラーだがサイドカウルの車名表記とグラフィックが異なる。
【足元ガッチリ】タイヤはダンロップのGPR300(北米/欧州仕様)で、前:120/70ZR17、後:160/60ZR17を履く。前後ともにZX-25Rよりワンサイズ幅広の高速タイプ(ZR)となる。
【写真左 STD/写真右 SE】STDは単色のメタリックスパークブラック。クイックシフター/スモークスクリーン/USBソケット/フレームスライダーを標準装備するSEはKRTカラーのライムグリーン×エボニー(カラーは北米/欧州モデル)。
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