
SHOEIの最高峰フルフェイス「X-フォーティーン」が「15」に進化し、2023年1月から販売を開始した。空力/安全性/快適性と全方位的にブラッシュアップを果たして、早くも登場したグラフィックモデルをさっそくテストだ!
●まとめ:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:柴田直行 ●外部リンク:SHOEI
[◯] 静けさ/空力/装着感/全てが快適さに直結
2016年登場の前作から約7年、最高峰ヘルメットの新型が満を侍して登場。帽体/内装とも最新の解析結果と技術に基づいて設計された。
被ってみると、まずフィット感が新鮮。内装は、頬にあたる面積が従来比116%となり、アゴからエラにかけて下から包み込むような被り心地だ。内装のスポンジもモッチリした感触で、後頭部を含め頭全体を均一にホールドしてくれる。スポーツヘルメットにありがちなタイトさがなく、リラックスできるのがいい。
走行中は実に静かだ。周囲の音を遮り、風切り音も少ない。上体が直立したライディングポジションだと、アゴ下からの巻き込み風がかなりある。そこで付属のチンガードを付けると、巻き込み風をシャットアウトし、静粛性もさらに向上。数あるヘルメットの中でも静けさはトップレベルだろう。
サーキットに持ち込めなかったが、100km/hでの安定感は平和そのもの。走行中に横を向いた際、前作は首が振られたが、新作は後部サイドのスポイラーが小型化されたためか抵抗が少なくなった。換気性能に関しては気温一桁だと涼しすぎるほど。全体的に圧巻の完成度だ。
【SHOEI X-Fifteen エスカレート】●サイズ:XS(53~54cm) S(55~56cm) M(57~58cm) L(59~60cm) XL(61~62cm) XXL(63~64cm) ●規格:JIS規格 FIM規格 MFJ公認 ●カラー:赤×黒 青×黄 緑×赤 黒×銀 青×赤 ●価格:8万9100円
帽体は、空気抵抗が少ない形状を算出し、浮き上がる力を1.6%、前方から押しつけられる力を6.1%軽減。額のシャッターは従来の上下2段から中央+両サイドに変更し、後部スポイラーに排気孔を新設した。シールドは密閉性の高いセンターロック式を新採用。
シールドベースには、転倒時の衝撃によるシールド脱落を防ぐトリガーロック機構を新搭載。アイポート位置を5mm上方としたほか、ティアオフボタンを共用する防曇シート(同梱)のピンをより外側に配置したことで、さらに視界が広くなった。
フル着脱式内装は吸水速乾素材と肌触りのいい起毛生地を使い分ける。分厚い頬パッド下部の形状にも注目。
【カラーバリエーション】赤/黒(TC-1) 青/黄(TC-2) 緑/赤(TC-4) 黒/銀(TC-5) 青/赤(TC-10)
[△] 特に額のスイッチが若干操作しにくい
額中央のスイッチがやや操作しにくく感じた。静音性のためか指が引っかかる部分が少なく、厚手の冬用グローブでは少し操作に手間取った。ただし薄手タイプなら問題ない。
[こんな人におすすめ] レースも公道も最高の性能を味わいたい人に
ハイドレーション装着機構まで新設され、レース性能がアップ。一方で公道での快適性も前作より増した。この隙のなさは間違いなく世界最高峰の一角だろう。単色でも7万円を超えたが、この完成度なら懐が緩んでしまう。
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