
高い走行性能と手頃な価格で大人気のホンダ レブル1100に、大型カウルとサドルバックを装備した「T」が登場した。クラッチ操作不要のDCT車も選べるが、今回はスタンダードなMT車をテストする。
●文:ヤングマシン編集部(青木タカオ) ●写真:山内潤也
【テスター:青木タカオ】姉妹誌WITHHARLEYで編集長を務めるなど、クルーザーに造詣の深いバイクライター。レブル300/500やゴールドウイング、BMWR18などで海外試乗の経験も豊富。
ホンダ レブル1100T 概要
【HONDA Rebel 1100T】■全長2240 全幅850〈845〉 全高1180 軸距1520 シート高700(各mm) 車重238〈248〉kg ■水冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 1082cc 87ps/7000rpm 10.0kg-m/4750rpm 変速機形式6段リターン〈電子式6段変速〉 燃料タンク容量13L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=130/70B18 R=180/65B16 ●色:黒 ●価格:131万4500円〈DCT車は142万4500円〉 ※〈〉内はDCT車
【ライディングポジション】リヤへどっしりと荷重のかかる低いシートポジションで、両足を地面に下ろしてもカカトまでベッタリと届く。上半身は緩やかに前傾気味に。ステップは大胆なほど幅広だが、くるぶしグリップがしっかりできる。[身長175cm/体重65kg]
ホンダ レブル1100T 試乗インプレ:安くて速い長兄にツアラー能力もトッピング
スタンダードのデビュー時から、フロントカウルは純正アクセサリーに設定されていたが、「1100T」で追加装備するフェアリングは、スモーク仕様でショートカットされたウインドシールドが備わるなど、専用パーツであることがわかる。
正面から見て、左右グリップまですっぽり覆うヤッコ型のフォルムは、アメリカンクルーザーではお馴染みの形状。ヘッドパイプから後輪へかけて真っ直ぐに低く落ち込み、ライダーの股下にくびれをつけた車体の後部にはハードサドルバッグも備わり、スポーティさを合わせ持つバガーカスタムスタイルを演出した。
フェアリングは見た目こそボリューミーで、迫力のあるフロントマスクを形成しているものの、軽量な樹脂製でメーターなどを内側に配置することも一切ない。スピードレンジが上がった時こそ見た目以上のウインドプロテクションを発揮するが、常用速度域ではハンドリングに重さを感じることはなく、おおらかでありつつもフロントの接地感のある「レブル1100」で唸ったステアリングフィールはそのまま健在だ。
18インチホイールに130mm幅のタイヤを履くフロントまわりは、クルーザーらしくフォーク角を30度としながらスラント角を2度設け、28度にキャスターを立ててトレール量を110mmと極端に増やさないのがレブル流。扱いやすさに定評ある250や500と同じディメンションで、ビギナーにも受け入れられる軽快でイージーなハンドリング特性を持ち味としている。1100Tもコーナーアプローチで車体がすんなりと寝て、切れ込む事がないままビッグネイキッドのような手応えで旋回中も落ち着いたまま。バガーカスタムとなっても、コーナーをアグレッシブに駆け抜けられるのだ。
90度Vツインと同じ爆発間隔となる270度クランクのパラツインは、低回転でリズミカルなパルス感を伴いつつ、重いクランクによって力強く車体を押し出す。高回転域までスムーズに吹け上がり、サウンドも弾けるような力強さを伴うからアクセルを開けるだけで頬が緩み、どこまでも走り続けたくなる。
スポーツモードならスロットルレスポンスに俊敏さが加わり、加速はより強烈だが、レインモードでも粒立ちをハッキリと感じ、ダルさの中から潤沢なエネルギーを蓄えつつ、ゆったりと車速を乗せていくのは痛快としか言いようがない。コイツもまた人気を呼びそうだ!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(レブル1100シリーズ)
MT車/DCT車どちらでも使用できる このマフラーは、2025年の最新型式(8BL-SC87)と、2021年から2024年の旧型式(8BL-SC83)の両方に対応し、MT車/DCT車どちらでも使用でき[…]
ライディングポジション変更のおかげで操縦性も大幅アップ! 私が参戦する全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスは、5月下旬にシーズン初戦を迎え、私自身も今季のさらなる走りの進化に期待しているのですが[…]
Rebel 1100 S Edition Dual Clutch Transmission 新しくタイプ追加されたのは、アクセサリーを標準装備し個性を演出する「Rebel 1100 S Edition[…]
ツインエンジンの大型レブル、アメリカンテイストを増してマイナーチェンジ! ホンダは、270度クランクの1082cc並列2気筒エンジンを搭載する大型クルーザーモデル「レブル1100」シリーズにマイナーチ[…]
400ccライダーの感じたレブル1100T DCT 柴﨑美奈子さんは横須賀にあるバイカーズカフェ☆TWO STAR☆のオーナー。10代で免許を取得してからずっと同じ400ccのバイクに乗り[…]
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
低く長いデザインが個性マシマシ! レトロモダンなボバークルーザー 中国から新たな刺客がやってきた! ベンダは2016年設立の新興メーカーで、独自設計のエンジンを搭載したクルーザーを中心に、ネイキッドな[…]
地面を感じる直進安定性で日常の移動を安心快適に 決勝レース1で自己最高となる2位を獲得した第3戦を終え、全日本ロードレース選手権は8月下旬まで約2ヵ月間の夏休み。その間もいろいろと忙しいのですが、やっ[…]
DCAがスポーツと旅でディメンションをキャラ変する!? まず驚かされたのは、より扱いやすくなった車体だ。走り始めた瞬間この“RTってこんなに軽やかだったっけ?”と思うくらい扱いやすくなっている。どうや[…]
1000に負けない元気のよさ 1月発売の1000に続いて750にも新しいホーネットが登場した。1000の方は乗ってみて、まあ元気のいい走りが印象的だったんだけど、この750もそれに負けず元気がいい。エ[…]
デカいバイクに挑むロマンがここにはある これまで何度か噂には上っていたが、遂にそのときがやってきてしまった。’92年の初代BIG-1ことCB1000SFから30年以上の長きに渡り、ビッグネイキッドのみ[…]
人気記事ランキング(全体)
フレディ・スペンサー、CB1000Fを語る ──CB1000Fのインプレッションを聞かせてください。 とにかくすごく良くて、気持ちよかったよ。僕は何年もの間、新しいバイクのテストをしてきた。HRCのテ[…]
お手頃価格のヘルメットが目白押し! 【山城】YH-002 フルフェイスヘルメットが38%OFF コストパフォーマンスと信頼性を両立させた山城の「YH-002」フルフェイスヘルメット。大型ベンチレーショ[…]
後発のライバルとは異なる独創的なメカニズム 近年では、日本製並列4気筒車の基盤を作ったと言われているCB750フォア。もっとも細部を観察すると、この車両のエンジンには、以後の日本製並列4気筒とは一線を[…]
まさかのコラボ! クロミちゃんがホンダバイクと出会う ホンダがサンリオの人気キャラクター「クロミ」と、まさかのコラボレーションを発表した。クロミがバイクに乗りたくなるというストーリーのオリジナルアニメ[…]
世界初公開のプロトタイプ&コンセプトモデルも登場予定! ホンダが公式素材として配布した写真はモーターサイクルショー展示車および鈴鹿8耐時点のもの、つまりミラー未装着の車両だが、JMS展示車はミラー付き[…]
最新の投稿記事(全体)
前年モデルでTFTディスプレイを獲得した無印 北米スズキは、2005年型GSX-R1000(通称K5)由来の痛快な並列4気筒エンジンを搭載するスポーツネイキッド「GSX-S1000」およびスポーツツア[…]
2025年モデルでエンジンのパフォーマンスアップ、電サスや6軸IMUも採用 ホンダは欧州で2026年型「NT1100」を発表した。2022年に初登場したNT1100は、CRF1100Lアフリカツインの[…]
アメリカで僕もCB1000Fが欲しいなと思っている ──CB1000Fの印象から教えてもらえますか? 前日はHSR九州のサーキットをかなり本気で走行しましたが、その感想も含めてお願いします。 フレディ[…]
低く長いデザインが個性マシマシ! レトロモダンなボバークルーザー 中国から新たな刺客がやってきた! ベンダは2016年設立の新興メーカーで、独自設計のエンジンを搭載したクルーザーを中心に、ネイキッドな[…]
7.3リッターとなる心臓部はコスワースがカスタマイズ 今でこそアストンマーティンの限定車はさほど珍しくもありませんが、2000年代初頭、すなわちフォード傘下から放り出された頃の彼らにとってスペシャルモ[…]
- 1
- 2