
「気持ちイー!」をコンセプトに、オリジナルマフラーのラインナップを拡充しているスペシャルパーツ忠男から、ホンダGB350用の「パワーボックスパイプ」がリリースされた。果たしてその実力は?
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:山内潤也 ●外部リンク:SP忠男
[◯] シフトをサボってもスルスルと前に進む
実はちょうど愛車セロー用のパワーボックスパイプを購入するつもりだったので、興味津々でテストした。サイレンサーはスタンダードのまま、エキゾーストパイプの交換のみでトルク感を変化させるというこの製品。GB350用は、商品名の由来である膨張室こそ付いていないが、これは機種によって異なり、最終型のセロー用にも存在しない。ステンレス製のエキパイは、ポリッシュ仕上げにより非常に美しく、描かれるカーブも車両メーカー純正品よりきれいだ。
【SP忠男 パワーボックスパイプ ステンレス ホンダGB350用】サイレンサーはそのままに、エキパイのみの交換で理想的なトルクフィーリングを実現するSP忠男のパワーボックスパイプ。同じ超軽量ステンレスパイプで耐熱ブラック仕上げとした仕様は7万400円だ。●材質:超軽量ステンレス ポリッシュ仕上げ ●価格:6万4900円
実際に試乗し、まず感じるのは低回転域からのトルクの厚さだ。タコメーターがないので具体的な回転数は不明だが、意識してスロットルを開けなくてもスタタタッと力強く発進する。そして、リズム良くシフトアップしていくと、スタンダードエキゾーストパイプよりもトルクのつながりがスムーズで、レスポンスにも張りが出たように感じる。シフトダウンをサボっても低回転からスルスルと進んでくれるので、実に扱いやすい。
サイレンサーは純正品のままなのに、排気音がいくぶん歯切れ良くなったように感じた。音量自体はそれほど変わらないので、うるさいのは苦手という人にこそオススメだ。
材質は超軽量ステンレスで、ポリッシュ仕上げとなっている。シンプルに見えるが、実はアウターとインナーパイプの二重構造で、これは標準装着のエキゾーストパイプも同様だ。装着したままでのオイル&フィルター交換が可能で、もちろん車検対応品だ。
エキゾーストパイプの外径が一部太くなっている。これの位置や太さ、長さなどを変えることで排ガスの脈動をコントロールし、理想的なトルクフィールを追求。
WR250R用のマフラー開発の過程で誕生したパワーボックスパイプ。名前のとおりエキゾーストパイプの途中に膨張室(ボックス)を持つのが特徴だが、このGB350のように存在しない機種も増えている。
[△] やや高めに思えるがそれだけの価値あり
同じ単気筒のレブル250用が3万3000円なので高く感じてしまうが、これは二重管など見えない部分に手間がかかっているからだ。
[こんな人におすすめ] オーナーなら特性の変化に感動するはず
GB350に初めて試乗した際、低回転域から力強くて感心した。パワーボックスパイプ装着車は全域でトルクが上乗せされている印象で、不快な谷やレスポンスの不自然さもない。なお、GB350Sには装着不可なので注意。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(SP忠男)
重厚感とユーザー寄りのデザインと扱いやすさが魅力本物のクラシックテイストがロイヤルエンフィールドの特長 1901年にイギリスで創業したロイヤルエンフィールドは、世界最古のバイクブランドとして長い歴史の[…]
エキサイティングなキャラクターを生かしながら、街中での安心感や大らかさを追求してきた歴代MT-09用POWERBOX 排気量900ccの3気筒エンジンをコンパクトな車体に搭載した新世代スーパースポーツ[…]
自身の愛車で1年間ノーマルマフラーで走った大屋雄一氏によるインプレッション SP忠男では、全国各地のバイク用品店で開催している「快感体感試乗会ライドオンキャンペーン」にて、マフラー交換済みのさまざまな[…]
取り柄はレトロなスタイルだけじゃない。最新のクラシックは基本性能の高さが魅力 トライアンフやノートン等と同様に、イギリスで創業したロイヤルエンフィールドは、1901年にバイクの生産を開始した世界最古の[…]
アラを探しても見つからない!? 完成度の高い並列4気筒エンジン 1980年代以降、250~750ccまでステイタス性とパフォーマンスの両面で高性能の代名詞となっていたのが並列4気筒エンジンです。とくに[…]
最新の関連記事(GB350シリーズ)
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
2機種/3+2グレードで構成されるインド仕様 ホンダモーターサイクル&スクーターインディア(HMSI)は、日本でGB350シリーズとして販売され人気の空冷単気筒バイク「H’ness CB350(ハイネ[…]
2021年モデル:無印3種、Sに2種のカラーを設定 丸型ケースに収められたLEDヘッドライトにシンプルな造形の燃料タンク、そしてダブルシートへの流れるような水平ライン。ほぼ垂直に立った単気筒エンジンの[…]
レトロな容姿になってもやっぱり走りはイマドキ 2024年の全日本ロードレース選手権最終戦で、鈴鹿サーキットに対する苦手意識をようやく克服しました。日曜日朝のフリー走行で、走り方の意識を変えたことがその[…]
燃料タンク/サスペンションカバー/ディープフェンダーも新作! ホンダは、2023年11月に車両の姿を公開し、後日国内で発売予定としていた新型モデル「GB350C」を2024年10月10日に発売した。開[…]
人気記事ランキング(全体)
カワサキ500SSマッハⅢに並ぶほどの動力性能 「ナナハンキラー」なる言葉を耳にしたことがありますか? 若い世代では「なんだそれ?」となるかもしれません。 1980年登場のヤマハRZ250/RZ350[…]
マーヴェリック号の燃料タンク右側ステッカー エンタープライズに配属された部隊 赤いツチブタは、「アードバークス」の異名を誇る米海軍「第114戦闘飛行隊(VF-114)」のパッチ。1980年代には第1作[…]
インパクト大なシリーズ初カラー 現代的ストリートファイターのMT-09をベースに、アルミタンクカバーなど金属の質感を活かした専用外装などでネオレトロに仕上げられた1台であるXSR900。3種のパワーモ[…]
公道モデルにも持ち込まれた「ホンダとヤマハの争い」 1980年代中頃、ホンダNS250Rはヒットしたが、ヤマハTZRの人気は爆発的で、SPレースがTZRのワンメイク状態になるほどだった。 しかしホンダ[…]
※この記事は別冊モーターサイクリスト2010年11月号の特集「YAMAHA RZ250伝説」の一部を再構成したものです。 ヤマハ RZ250のエンジン「2ストロークスポーツの純粋なピーキー特性」 ヤマ[…]
最新の投稿記事(全体)
EVは脱炭素社会実現と移動課題の改善に寄与するか 「バイクラブフォーラムin南国みやざき」で実施されたパネルディスカッション、「電動二輪車利活用による社会課題(脆弱な二次交通)解決」において、次のトー[…]
150万円切りはほぼ確実と思われるが…… ヤマハは台湾で、欧州および北米などで発表済みのスーパースポーツモデル「YZF-R9」の導入価格を発表。日本国内にも2025年春以降の導入が案内されており、正式[…]
100万都市・千葉市のバイク駐車場問題 上総台地の平坦地に位置する千葉市は、人口98万人強の大きな自治体で、現在も増加中であることから「最後の100万都市」とも呼ばれている。 高度経済成長期には大規模[…]
日本映画史の記憶に残り続ける『トラック野郎』シリーズ第1作 『トラック野郎 御意見無用』は、1975年に公開された鈴木則文監督による日本映画。東映製作/配給の『トラック野郎』シリーズの記念すべき第1作[…]
直4&丸目。王道のジャパニーズネイキッドスタイル 直列4気筒エンジンの存在感を際立たせつつ、丸1眼ヘッドライトとオーソドックスな外装。CB1000Fコンセプトのスタイルは、往年のエフらしさを漂わせつつ[…]
- 1
- 2