ヤマハは、前2輪+後1輪の3輪スクーター「トリシティ125」をモデルチェンジし、2月28日に発売した。令和2年排出ガス規制に適合した新エンジンを搭載し、前2輪のより自然な挙動を実現するアッカーマンジオメトリを採用。スマートフォン専用アプリへの対応など盛りだくさんの内容だ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ヤマハ発動機
新排出ガス規制に適合した新“ブルーコア”エンジン搭載、フレームも新作に
ヤマハは、リーニングマルチホイール(LMW)を採用する原付二種の3輪スクーター「トリシティ125」をモデルチェンジし、2月28日に発売した。
上位機種のナイケンやトリシティ300が採用する“アッカーマンジオメトリ”を採用したことにより、前2輪が同心円を描くように旋回することが可能になった。従来は前2輪の存在を意識する場面もあったが、これによって普通のスクーターに近いフィーリングを得ながら、前2輪ならではの安心感を享受できるはずだ。
エンジンは最新の令和2年排出ガス規制に適合した新“ブルーコア(BLUE CORE)”とし、これに静粛かつ振動の少ないエンジン始動をもたらすスマートモータージェネレーターを組み合わせる。また、いわゆるアイドリングストップにあたる“ストップ&スマートシステム”も採用し、低燃費にも貢献。車体は新フレームと新作リヤサスペンションを組み合わせ、ホイールベースを60mm延長することで上質かつ落ち着いた走りを獲得した。
電脳も進化し、スマートキーシステムの搭載や新デザインのメーターパネル採用に加え、着信通知/燃費管理が可能なスマートフォン専用アプリにも対応して利便性を高めている。
この専用アプリ「YAMAHA Motorcycle Connect(略:Y-Connect)」をインストールしたスマートフォンとペアリングすることにより、下記の機能が使えるようになる。
・車両メーターへのスマートフォン通知の表示
(電話やメールの着信、スマートフォンのバッテリー残量などを表示)
・スマートフォン画面のサブメーター利用
(エンジン回転数、スロットル開度、エコ運転状況などを表示)
・オイル・バッテリーのメンテナンス推奨時期のお知らせ
・燃費管理
・車両の最終駐車位置確認
このほか、照射範囲を拡大したLEDヘッドライト、新デザインのインナーパネル、足元の自由度を増したフットボード、操作性に優れたタンデムステップなどを採用している。
3色のカラーバリエーションは全て新色になり、本モデルよりABS仕様は廃止されてUBS(Unified Brake System)仕様のみの設定となった。
YAMAHA TRICITY 125[2023 model]
車名 | TRICITY125 |
認定型式/原動機打刻型式 | 8BJ-SEK1J/E34AE |
全長×全幅×全高 | 1995×750×1215mm |
軸距 | 1410mm |
最低地上高 | 165mm |
シート高 | 770mm |
キャスター/トレール | 20°00′/68mm |
装備重量 | 168kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ |
総排気量 | 124cc |
内径×行程 | 52.0×58.7mm |
圧縮比 | 11.2:1 |
最高出力 | 12ps/8000rpm |
最大トルク | 1.1kg-m/6000rpm |
変速機 | Vベルト無段変速(オートマチック) |
燃料タンク容量 | 7.2L |
WMTCモード燃費 | 44.9km/L(クラス1、1名乗車時) |
タイヤサイズ前 | 90/80-14(チューブレス) |
タイヤサイズ後 | 130/70-13(チューブレス) |
ブレーキ前 | 油圧式ディスク |
ブレーキ後 | 油圧式ディスク |
乗車定員 | 2名 |
価格 | 49万5000円 |
発売日 | 2023年2月28日 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
唯一無二の存在感! スマートフォン・コネクティビティも獲得 ヤマハ独自のLeaning Multi Wheel(LMW)は、フロント2輪を採用しながら普通のバイクと同じように車体を傾けて曲がるのが最大[…]
[〇] 排気量の大きさに納得。LMWの安心感は秀逸だ ネーミングからして誤解されそうだが、このトリシティ300は125/155の単なる排気量拡大版ではない。フレームから専用設計であり、さらにフロント2[…]
快適で安心感のある走りはスクーター界の“グランツーリスモ” フロント2輪の3輪バイク、ヤマハ「トリシティ300」は同社のLMWシリーズ第4弾。トリシティ125、同155、MT-09ベースのエンジンを搭[…]
し、週刊プレイボーイとコラボだなんて………ッ! 潜入したつもりが潜入されていた──。な、なにを言ってるかわからねーと思うが(以下略) ヤングマシン本誌3月号(1月24日発売)でお届けした『原付二種スク[…]
スポーティな走りにMotoGPカラーを融合 アグレッシブなLED2眼ヘッドライトや大型フルデジタルメーター、容量約28Lのシート下スペースなどを備えるスポーティな原付二種スクーター「シグナス グリファ[…]
最新の関連記事(新型スクーター)
『カワイイ×カワイイ』のコラボレーション モンキー×ドラゴンボール、モンキー×鉄腕アトム、ADV160×アイアンマンなど、これまでも多くの限定コラボレーションモデルをリリースしてきたタイホンダが、今回[…]
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
為替変動や輸入コスト、および各種原材料等の高騰に歯止めがかからない状況が続いていることを受け、イタルジェットも値上げを決断した。経費削減や合理化に取り組んできたとのことだが、一社の努力だけでは、価格を[…]
日本とほぼ同スペックだがオリジナリティあるグラフィックを採用 ホンダの軽二輪スクーター「ADV160」マレーシア仕様にニューカラーが登場した。日本では2023年1月に発売されたADV160は、PCX1[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
メーター読み145km/hが可能なYZF-R15 高速道路も走れる軽二輪クラス。排気量で余裕のあるYZF-R25が有利なのは当たり前である。ただR25とYZF-R15の比較試乗と聞いて誰もが気になるの[…]
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
メッキのトラスフレームに2スト200cc単気筒。レプリカのバイクブームに迎合しないフィロソフィ 1980年代半ばはバイクブーム真っ只中。レーサーレプリカが乱舞し、毎年フルモデルチェンジが繰り返され、ユ[…]
鋳造工程はCO2排出量がもっとも多い アルミを鋳造する工程では、インゴットと呼ばれる素材を溶かす「溶解」と、最終的に素材の強度を高めるための「熱処理」という2つの工程がとくに多くの熱エネルギーを必要と[…]
人気記事ランキング(全体)
メーター読み145km/hが可能なYZF-R15 高速道路も走れる軽二輪クラス。排気量で余裕のあるYZF-R25が有利なのは当たり前である。ただR25とYZF-R15の比較試乗と聞いて誰もが気になるの[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 「腐ったガソリン」とは、どんな状態のこと? 時間経過とともに燃料の品質が低下して変質したガソリン。放置すると、ドロドロを通り越してガム状の固形物へと変化。軽度の劣化であれ[…]
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
バイクに積載義務のあるものとは? 車検証や自賠責保険証等の書類 積載義務違反で重い罰則が科せられるものの代表は“書類”です。バイクには使用時に以下の書類を備え付けなくてはなりません。 車両登録書(車検[…]
アクスルシャフト位置がピタリと決まる! “お助けリフターA”はリヤタイヤ着脱の必須アイテム リンクまわりの清掃やハブダンパーのチェックなど、リヤタイヤを外せばできると分かっていても、「タイヤの着脱が面[…]
最新の投稿記事(全体)
押し引きで熱い! 座ると熱い! そんなシートの熱さをどうにかしたい… ツーリングや街乗りにかかわらず、真夏のバイクは炎天下に駐輪していた後に触るのが最初の大きな関門になる。押し引きでシートに触れば手の[…]
ポイントはリヤタイヤと床面との空間。リフト量が少ないほどスタンド操作が軽く車体も安定する ガレージやサーキットのパドックで、バイクにスタンドをかけた状態で前後左右自由に移動できるのが、ガレージREVO[…]
SHISEIDO(資生堂) クリアサンケアスティック 日焼け対策といえば、まずは日焼け止めを塗ることが何より大切です。日焼け止めと言ってもさまざまな種類がラインナップされていますが、昨今人気を集めてい[…]
サンダルでの運転はダメ…では、半袖半ズボンのようなラフな格好は? たとえば、頭の蒸れが気になったからとヘルメットを脱いでしまった場合、乗車用ヘルメット着用義務違反が適用され、違反点数1点が科されます。[…]
メーター読み145km/hが可能なYZF-R15 高速道路も走れる軽二輪クラス。排気量で余裕のあるYZF-R25が有利なのは当たり前である。ただR25とYZF-R15の比較試乗と聞いて誰もが気になるの[…]