カワサキは欧州で、昨年9月に発表した「ニンジャZX-10RR」の追加情報を公開した。STDモデルのニンジャZX-10Rは新グラフィック&新色の採用のみだったが、RRには武器が隠されていた!
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:KAWASAKI EU
レーシングECUでアクティベート
カワサキは、2022年9月に欧州で「ニンジャZX-10R」およびレースホモロゲーションモデルの「ニンジャZX-10RR」の2023年モデルを発表。前者はKRTエディションのグラフィック変更と新色ホワイトは世界初公開が主だったが、10RRについてはロゴの一部が変更されたのみと伝えられていた。
今回発表されたのは、ニンジャZX-10RRにVAIシステム(Variable Air Intake system)と呼ばれる可動吸気ファンネルを採用していたということ。エアボックス内に設置されたVAIシステムは、電動サーボによってVAIファンネルを上下することで、吸気通路を長くしたり短くしたりできるというものだ。
VAIファンネルを上げると、吸気通路がバイパスされることで短縮され、最適な高回転性能を実現。そしてVAIファンネルを下げると、吸気はより長い通路を通ることになり、中低速のパフォーマンスが向上する。これらにより、全ての回転域で出力を最大限に発揮できるわけだ。
ニンジャZX-10RRは、レースホモロゲーションマシンの意味合いが強いRRモデルで、ステンレスメッシュのフロントブレーキホースや軽量なPankl製チタンコンロッド、専用カムシャフト&バルブスプリング、Pankl製ピストンとDLCコーティングした軽量ピストンピン、ピレリ ディアブロスーパーコルサを装着したマルケジーニ製の鍛造ホイールといった特別装備を誇る。乗車定員は1名だ。
ちなみに、VAIシステムを有効にするには、レースキットECU、サブコントローラーなど特定のレーシングキットパーツが必要になる。公道を走れる標準状態ではVAIシステムがアクティブ化されていないので留意しておきたい。