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ホンダは、中国の上海で開催されたオンライン発表会にて、中国国内のZ世代(ジェネレーションZ)の若い消費者に向けた電動二輪車(EB=Electric Bicycle)×3車を発表した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ホンダ
最高速度25km/h以下の“EB”に分類される3車
「Honda Cub e:(ホンダ・カブ・イー)」「Dax e:(ダックス・イー)」「ZOOMER e:(ズーマー・イー)」の3モデルが一気に発表されたぞ! 発売されたばかりのダックス125や、ズーマー、スーパーカブをモチーフにした電動二輪車が中国・上海で開催されたオンライン発表会で登場したのだ。
これらはEB=Electric Bicycleカテゴリーに分類されるもので最高速度は25km/h以下というから、イメージとしてはその名の通り電動自転車の一種と見ることができる。
中国ではこのほか、最高速度26km/h以上~50km/h以下のEM(電動モペッド=Electric Moped)、51km/h以上のEV(電動車:Electric Vehicle)と合わせて計3タイプの電動二輪車の区分がある。これらのうち、最もカジュアルな電動二輪車を発表したわけだ。
オンライン発表会では、「Electric Evolution, Colorful Future」をテーマに、電動二輪車の新ブランド「Honda e:」とEB3モデルを発表。中国のZ世代の若者にとって、EBは単なる移動手段ではなく、生活を共有し、自分を表現するための重要な乗り物なのだという。こうした需要に応えるための、付加価値の高いモデルが求められている。
そんな付加価値を実現するデザインモチーフに、いま(エンジン車ではあるが)日本や他のアジア圏、欧州などでも人気のリボーン(Reborn)シリーズが選ばれたのは必然といえるかもしれない。
過去の遺産を現代の技術で再現、昇華したリボーンシリーズは、スーパーカブC125やダックス125として人気を呼び、これにかつてNプロジェクトが手掛けたズーマーシリーズも加わって世界中で人気モデルとなっている。
こうした新シリーズを日本ではなく中国で発表するあたりに、今の世界の勢力図が滲み出ているのが惜しい……。そう感じられるのは筆者だけではないだろう。
ともあれ、愛されるデザインをモチーフに先進機能を加えたこれら3モデルは、2025年までに電動二輪車を合計10モデル以上、グローバルで投入する計画の先駆けとなるモデルだというから楽しみだ。
ホンダは、今回発表されたEB3モデルについて、2022年9月13日発表の「二輪事業の取り組みについて」で公表した、「中国・アジア・欧州・日本で、2022年から24年の間に投入する予定のコミューターEM/EBの5モデル」に含まれるものとしている。ただし、今回の3モデルは日本導入なしというから残念。次の発表モデルに期待したい!
Honda Cub e:
【Honda Cub e:(ホンダ・カブ・イー)】スーパーカブまたはモペッドのようにも見えるが、自転車と同じ足漕ぎ用のペダルが付いていることとチェーンの細さから速度域や出力が推察できる。反対側は見えないものの、前輪ディスクブレーキ、後輪ドラムブレーキを装備している模様。プロジェクタータイプのヘッドライトやウインカーなどの灯火類はバイクに近い。もちろん1人乗りだ。
こちらは2015年の第44回東京モーターショーに出品されたEVカブ コンセプト(EV-Cub Concept)。スタイリングは同時出品されたスーパーカブコンセプト(のちにスーパーカブC125へ結実)と共通で、しっかり感のありそうな足まわりなどは今回のHonda Cub e:よりもモーターサイクル然としている。
Dax e:
【Dax e:(ダックス・イー)】ダックスをダックスたらしめている胴長のフレームを核に、その他の要素は大胆に簡略化。とはいえ保安部品は完備しつつ、横型エンジンの位置にバッテリーを搭載している。前輪ディスクブレーキ/後輪ドラムブレーキに自転車同様のペダルを装備している模様だ。こちらも1人乗り。
2001年の第35回東京モーターショーに参考出品された「e-DAX(イー ダックス)」。超コンパクトに折りたためるのが特徴で、同じく参考出品されたクルマのコンセプトモデル“ブルドッグ”の荷台スペースに積むことが想定された。
ZOOMER e:
【ZOOMER e:(ズーマー・イー)】パイプフレームに丸目2眼の可愛いスタイリングと電動自転車の機能を融合。前輪はディスクブレーキで、後輪もディスクブレーキかもしれない(ように見えなくもない)。サスペンションは3モデルの中で最もしっかりしている模様で、リヤ側もチェーンの取りまわしを見るとけっこうストロークがありそうだ。
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