![[’90s中盤] 400直4ネイキッドブーム第2世代【ZRX/バンディットetc.|400ccで見るバイクの歴史 #4】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/10/ym2208-EX10-03-top.jpg?v=1666257054)
’80年代終盤に登場し、後に続くネイキッドブームの火付け役となったゼファー。生みの親たるカワサキは、’94年にZZ-R400譲りの水冷直4を搭載したZRXを開発した。負けじとスズキも対抗馬たるバンディットをフルモデルチェンジ。さらにホンダはCB、ヤマハはXJRにビキニカウル仕様を追加し、ここにネイキッドブーム第2世代が出揃うことになる。
●文:ヤングマシン編集部(宮田健一) ●写真:真弓悟史
水冷、フルチェンetc…第2世代も登場【ZRX/バンディット/ゼファーχ】
各メーカーの活発な新型リリースに対し、ゼファーでネイキッドブームの火付け役となったカワサキがまたも動き出した。’94年、もう1台の400ネイキッドであるZRXを投入したのだ。ZZ-R400譲りの水冷直4を搭載し、スポーティなライバルに対抗。加えてフォルムは、Z1000Rを思わせる角眼とビキニカウルで、ゼファーと差別化を図るという妙手だった。
さらに、初期からリリースされていたバンディットとゼファーがフルチェンジを敢行し、魅力をアップした。CBとXJRにビキニカウル仕様も追加され、まさに400直4NKは全盛期を迎えたのである。
ヨンヒャクで走りの角Z復活:‘94 KAWASAKI ZRX
レトロな空冷ゼファーに対し、スポーティな水冷400ネイキッドとして投入。角基調フォルム、丸パイプスイングアーム+リザーバータンク付きリヤサスペンションなど随所にZ1000Rの面影を再現しつつスポーティさを両立した。’96年12月に1100が発売。’98からライムのローレプカラーが追加され、クラス初の6ポットキャリパーも獲得した。
【KAWASAKI ZRX】■全長2095 全幅745 全高1130 軸距1450 シート高785(各mm) ■車重185kg(乾) ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps/11000rpm 3.8kg-m/9000rpm ■燃料タンク容量16L ■タイヤF=110/80-17 R=150/70-18 ●価格:59.9万円 ※諸元は’94年式
【気分はエディ・ローソン!】E・ローソンのAMAスーパーバイク優勝車をモチーフにしたのが’82登場のZ1000R。このローソンレプリカがZRXの元ネタだ。
【’95 ZRX-II|翌年に追加されたシブい丸眼バージョン】ZRXからハンドルマウントのビキニカウルを撤去し、丸眼一灯と砲弾型メーターを採用。ZRXとともにラストの’08年型まで併売された。
ビキニカウルが次期トレンド候補?
ネイキッド人気を受け、400cc直4ネイキッドで闘うレース「NK-4」も隆盛。レーサー風のビキニカウルを再現しつつ、ZRXに影響を受けたと思われる仕様がCBとXJRに追加された。特にCBのバージョンRはエンジンとフレームにメスまで入れたが、ともに不人気で2年ほどで生産終了した。
【’95 HONDA CB400 SUPER FOUR VERSION R】独自の吸排気系や電子制御点火装置=PGM-IGで鋭い応答性を実現。フレームのダウンチューブにクロスパイプを追加し、車体も強化した。
【’96 XJR400R II】小ぶりのビキニカウルと角眼を採用し、バーグラフタコを備えた多機能デジタルメーターも投入。ブラックマフラーなどで差別化した。
全身を磨いた決定版:’96 KAWASAKI ZEPHYR χ
’95年末までに7.5万台超を販売したゼファー。ライバルに対抗すべく、より完成度を高めたのが本作だ。フォルムを堅持しながら、エンジンを2→4バルブ化し、7ps増と高回転パワーを獲得。マフラーやサス、ライポジの変更など大改造を施した。車名のχはギリシャ文字で無限の可能性の意で、「改」の意味も込められる。
【KAWASAKI ZEPHYR χ】■全長2085 全幅745 全高1110 軸距1450 シート高780(各mm) ■車重185kg(乾) ■空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 398cc 53ps/11000rpm 3.6kgm/9500rpm ■燃料タンク容量15L ■タイヤF=110/80-17 R=140/70-18 ●価格:58万円 ※諸元は’96年式
【中身は別物。ついに4バルブをゲット】伝統のZ系では異例の4バルブ化。燃焼室形状やピストン、クランクシャフトなど内部パーツも一新している。力強さが増し、乗り比べると先代とは別物。
カタログでは、日本の景色に溶け込む和製ネイキッドの美しさを強調。中には風景がメインのカットも。
’97でラジアルタイヤや4ポットキャリパーを獲得。Z1風の“火の玉カラー”は’99から度々設定された。
気品と戦闘力を向上した後期型:’95 SUZUKI BANDIT 400/V
デビュー6年目に初のフルチェンジを敢行。新設計フレームとアルミ製スイングアームの採用で3kgの軽量化に成功し、軸間距離を20mm短縮した。さらにエンジンの低中速レスポンスを向上するなど戦闘力を一段と向上している。外観はより丸みを帯び、ライバルと一味違う色気が増した。
【SUZUKI BANDIT 400/V】■全長2050 全幅720 全高1055 軸距1410 シート高745(各mm) ■車重165kg(乾) ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 398cc 53ps/11000rpm 3.8kg-m/9500rpm ■燃料タンク容量15L ■タイヤF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:59.9万円 ※諸元は’94年式STD
リミテッドは設定されず、’97でビキニカウルのVZを追加。’97が最終型となった。
ネイキッドブームに対しアンチ正統派も生まれた
ゼファーの成功以降、オーソドックスな400が一挙に増えたが、挑戦的なモデルもまだ発売された。特にXANTHUS(ザンザス)は強烈。ゼファーで成功を収めたからこそできた冒険だったのかも。RF400はZZ-Rと双璧をなすレアな400ツアラーで、初代バンディットがベースだった。
【’92 KAWASAKI XANTHUS】ルックスも性能もトガリまくりの1台。現代版マッハIIIを目指し、750並みの動力性能を誇った。独自のアルミフレームにZXR400譲りの心臓部を搭載。 ■168kg(乾) 399cc 53ps 3.7kg-m
【’93 SUZUKI RF400】独特な分厚いプレススチールフレームとエアロボディが特徴。フェラーリを思わせるフィンが斬新だ。’94で900が登場。’95ではVC仕様を追加した。 ■185kg(乾) 398cc 53ps 3.8kg-m
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
日本仕様が出れば車名はスーパーフォアになるか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「Ninja ZX-4R」が登場し[…]
トレリスフレーム+ユニトラックサスペンションの本格派 カワサキは欧州で、15psを発揮する水冷125cc単気筒エンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、前後17インチホイールを履かせたフルサイズス[…]
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
高級感漂うゴールドカーキのデザイン 「IQOS ILUMA PRIME ゴールドカーキ」は、その名の通り落ち着いたゴールドトーンとカーキを組み合わせた洗練デザインが特徴です。手に取った瞬間に感じられる[…]
PROGRIP専用の信頼接着剤 デイトナ(Daytona)の「グリップボンド PROGRIP 耐振ゲルタイプ専用 12g 93129」は、PROGRIP用に設計された専用接着剤です。容量は12gで、初[…]
最新の記事
- 【限定仕様】ABS付きで19万円台ってマジ?! ヤマハ新型「PG-1」登場で日本導入にも期待できちゃうかも【海外】
- 「のちに累計1億台へ」ホンダ初代スーパーカブC100[’58年製造]〈走行映像あり〉
- 秋ツーリングに! 絶景と秘湯が待つ南伊豆の、天然かけ流しの湯処「下賀茂温泉 花のおもてなし南楽」が魅力的すぎる
- 世界が注目するビルダーの最新作! ロイヤルエンフィールド「CLASSIC 650」カスタムが横浜HRCSに登場
- カワサキ「ニンジャ125」「Z125」の2026年モデル登場! 原付二種クラス相当のフルサイズ入門マシンに新色【海外】
- 1
- 2