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BMWの電動スクーターが第二世代のCE04へと進化! 永久磁石式電気モーターならではの鋭い加速はそのままに、スロットルレスポンスに操る楽しさが加わった!?
●文:ヤングマシン編集部(谷田貝洋暁) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:BMW
ファンライドの“芽”は出た。次は車体の楽しさだ
BMWの電動スクーターに乗るのは’15年に国内テスト導入されたCエボリューション以来。あれから約6年。後継機であるCE04に乗ると、かなりの進化を体感ことができた。先代は正直なところ“とりあえず高速道路を含む交通社会で他のクルマに迷惑をかけない電動の乗り物ができました”というレベル。…とは言っても、速度/出力制御/バッテリー信頼性といった点で当時の電動バイクの中では断トツの完成度を誇った。ただ、純粋に乗り物として楽しいか? と聞かれるとちょっと返答に困ったのも確かだ。
それがである。最新のCE04に乗ってみれば、アクセルを開けた瞬間しっかりとした“味わい”を感じられるまで進化していた。スロットルが単なる出力調整ツマミではなく、“スロットルを開ける楽しさ”がきちんと表現されるようになったように感じる。
【BMW CE04】■全長2285 全幅855 全高1150(ハイシールド装備時1315) 軸距1675 シート高800(各mm) 車重231kg ■電動モーター 42ps/4900rpm(定格出力:20ps) 6.32kg-m/0~4900rpm ■タイヤサイズF=120/70R15 R=160/60R15 ●色:灰 白 ●価格:161万円 ●発売日:’22年4月22日
残念ながら、味わい深さという意味では、レシプロエンジンとは比べられないほど浅いものだが、それでもスロットルを開けてマシンを加速させれば、そこに心躍る瞬間が間違いなくある。
また加速も鋭く、「ダイナミック」モードで全開にすれば、フラットなトルク特性のまま車速は一気に100km/hオーバー。しかもモードによっては約130kmも走るというのだから、Cエボリューション(約100km)からするとものすごい進化である。
一方の車体。正直に話せば、残念ながらこちらに関しては、まだバイクのような、車体を積極的にしならせて走るような乗り物にはなっていない。バッテリーという、“安全対策上絶対に変形させられない大きく重い物体”を抱えている以上、仕方がないことなのかもしれないが、車体のフィーリングにいわゆる“丸太感”があるのは相変わらずといったところだ。
スロットルレスポンス同様、“味わい”という抽象的な表現を車体の表現に使うなら、CE04の車体には、残念ながらまだ味がない。確かに現状でもワインディングを走れなくはないが、そのレベルは“安全に通過できる”という感じで、“コントロールするのが楽しいかどうか”とは、まだちょっと別の次元にある印象だ。
バイクの車体を操る楽しさとは、加速力に制動力/重力/遠心力など、走行中にバイクが受けたり、発生させる力を複合的にコントロールするところにあると僕は思っている。バイクにかかる様々な力を使って路面に踏ん張らせたり、逆にそのバランスを崩すことで向きを変えたりもする。そんなコントロールを行うには、やはり車体のしなりが必要不可欠なのだ。
電動スクーターという乗り物が、既存のバイクと同じ進化をたどる必要はないのかもしれないが、もしバイクと同じように“操る楽しさ”を求めるのであれば、出力の“味わい”の進化に加え“しなる車体”も是非とも手に入れてほしいところ。それで電動スクーターはもっと面白くなるハズだ。
BMW CE04 ディテール解説
スタイリング/カラーバリエーション:近未来的デザイン
未来を感じさせる先見的なフォルムがいかにも電動という感じ。サイドスタンドは収納時にはボディと一体化するデザインで、出すとパーキングブレーキがかかるようになっている。
ライディングポジション:バッテリーのためシートは太い
シート高は800mmだが、腹下に大きなバッテリーを抱えるため車体は太めで、両足をつこうとすると3~4㎝ほど踵が浮く。上半身は背筋が垂直に伸びるスクーターポジション。[身長172cm/体重75kg]
パワーユニット:ベルトドライブ採用
電動モーターは、その強烈な加速が持ち味だが、ドン突きのような扱いにくさはない。緻密な制御はもちろん、ベルトドライブや最新のトラクションコントロール制御のおかげでパワーフィールは思いのほか扱いやすい。
単相200V/15Aの給電が可能な充電器(モード2)が付属。車体は、EV200V用普通充電器など、最大200V/32A(6.4kw)のモード3のハイスピード充電に対応している。フル充電には約4時間かかる。
主要装備
フルカラーTFTメーターは、時流のブルートゥースで接続機能も搭載。また充電中は60.6Ah(8.9kWh)バッテリーへの充電状況や、走行中は電気の回生具合なども表示。日本向けの走行モードは4つで、ロード/レインに加えてダイレクトな加速とより強い回生を行うダイナミック/出力も回生ブレーキも穏やかなエコを搭載。
グリップヒーター&シートヒーター付き。板状デザインのシートは意外と座り心地がよく、後部の凸部が電動の鋭い加速を受け止める。左スイッチボックスの“R”ボタンを押しながら、スロットル操作で微速後進も可能。
【照明付き荷室はメットもスッポリ】シート下の横開き収納スペースはジェットヘルメット+αくらいの大きさで、A4ビジネスバッグがちょうどよく収まりそうなサイズ。また内部にはLED照明も備え、夜間も使いやすそう。
欧州ではポリス仕様も
欧州ではいち早く警察仕様車が発表されたCE04。日本でも’21年から箱根駅伝にCエボリューションが登用された実績がある。来年の駅伝はCE04が先導するカモ!?
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