
’22年2月に国内発売されたスズキGSX-S1000GT。先に登場していたスポーツネイキッドのGSX-S1000と共通の骨格を持つものの、「GT=グランドツアラー」の名前にふさわしい専用の快適装備が特徴だ。価格は160万円切りで、まさに”バリューフォーマネー”。スズキの本気が伝わってくる。
●文:ヤングマシン編集部(小川勤) ●写真:武田大佑 ●外部リンク:スズキ
快適性と軽快なスポーツ性を両立した”GT”
先に発売されたGSX‐S1000の派生モデルとも言えるGSX‐S1000GT。2台に共通しているのはシャシーやエンジンだけでなく、スズキのチャレンジを感じさせてくれる攻めたフロントマスクにある。灯火類のLED化でデザインの自由度は大幅に向上し、それを上手に取り入れているのだが、これが先進性や勢いを感じさせ、スズキデザインが次世代に到達したことを明確に伝えてくる。
もちろんデザイン先行で作られたわけではない。カウリングとスクリーンは、シャープさとプロテクション性能を両立し、ライダーが不快に感じる局所的に当たる風をカット。長距離走行は風との戦いになるため、ライダーの疲労を抑える工夫が随所に施されている。
そして快適に走るためのさらなる機能は、スズキ初のTFTカラー液晶に映し出される。デジタルなのにアナログ式タコメーターのデザインは、視認性が高い。画面右側にはエンジンモード/トラクションコントロール/クイックシフトなどの電子制御情報を網羅。クルーズコントロールも搭載し、バイクの今の状態を瞬時に判断できる。
また、スズキのバイクとしては初となる専用アプリ「スズキマイスピン(mySPIN)」に対応。スマホとマシンを同期させることで、スマホの情報をメーターに表示でき、インカムを使えばナビの音声を聞いたり、電話もできる。
パッセンジャーの快適性にもこだわっていて、贅沢な時間を大切な人と共有できるのも嬉しい。GSX‐S1000GTから伝わる”新しいスズキ”を、多くのライダーに体感してほしい。
‘22 スズキGSX-S1000GT
スタイリング
【’22 SUZUKI GSX-S1000GT】■全長2140 全幅825 全高1215 軸距1460シート高810(各mm) 車重226kg(装備) ■水冷4スト4気筒DOHC4バルブ998cc 150ps(110kW)/11000rpm 10.7kg-m(105Nm)/9250rpm 変速機形式6段リターン 燃料タンク容量19L ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●色:リフレクティブブルーメタリック トリトンブルーメタリック グラススパークルブラック ●価格:159万5000円 [写真タップで拡大]
【ウインドプロテクションを向上させパッセンジャーの快適性にもこだわった】フロントまわりはボリュームがあるが、リヤまわりはスリムなメリハリのあるデザイン。実走と風洞実験を繰り返して誕生したスタイリングは、風の巻き込みなどによるストレスからライダーを解放。スクリーン形状で上半身に当たる風を、ミラー形状で手に当たる風の流れをコントロールしている。 [写真タップで拡大]
【ブルーを2種類用意!】青を2パターン展開する、スズキならではの攻めたカラーバリエーションが新しい。グラフィックに頼らない、面のデザインを大切しているからこその上品さが伝わってくる。〈写真左からリフレクティブブルーメタリック/トリトンブルーメタリック/グラススパークルブラック〉 [写真タップで拡大]
ライディングポジション
【存在感の割にポジションはコンパクト】ハンドルはネイキッドのGSX-S1000よりも14mmライダー側に近づけられ、23mmワイドに。上半身が起きる自然なポジションには、膝まわりにゆとりを持てる低めのステップも貢献。身長165cmでも足着き性に不安なく、安定感の高さが伝わってくる。[身長165cm/体重67kg] [写真タップで拡大]
エンジン
シャーシ
足まわり
【サスペンションはアジャスター付き】前後サスペンションはKYB製。フロントはフルアジャスタブル、リヤはタンデムや積載にも対応できるよう、プリロードと伸び側減衰力の調整が可能。フロントキャリパーは、ブレンボのモノブロックをラジアルマウント。 [写真タップで拡大]
電子制御
【1】SDMS(スズキドライブモードセレクター)は、A(アクティブ)/B(ベーシック)/C(コンフォート)の3段階から選べる。路面状況や天候などに合わせて使いたい。【2】クイックシフトは、もっとも体感しやすい電子制御のひとつ。双方向に対応するため、スタート&停止時/右左折の小まわり/Uターン時以外で、クラッチレバー操作の必要がない。【3】トラクションコントロールは、5段階&OFFモード1がもっとも介入が少なく、数字が大きくなると介入が大きくなる。路面状況やタイヤの状況に合わせて使い分けると、安心感が高まる。 [写真タップで拡大]
【スズキ初搭載「マイスピン」で楽しみが広がる!】まずはスズキマイスピンのアプリをスマートフォンにインストール。車両と同期させると自分のスマホの情報をメーター内で見ることができる。連絡先/カレンダー/マップ/音楽/電話などの機能を走行中に呼び出せるため、自由度が大幅に向上する。 [写真タップで拡大]
主要装備
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
GSX-S1000GT 概要 スズキのブランニューモデル「GSX-S1000GT」は、従来のGSX-S1000Fの後継モデルに当たるが、車名をF→GTに変えるとともにロングツーリング性能を大きく高めた[…]
関連する記事
歴代GSX-R1000において、今も“名機”と讃えられる2005〜2006年式、通称K5/K6型。このエンジンを抱くストリートファイター・GSX-S1000をベースにフルカウリングを与え、さらにスズキ[…]
スズキは、GSX-S1000をベースとした新型スポーツツーリングモデル「GSX-S1000GT」の国内仕様を正式発表した。基本的に欧州と同じ仕様・装備を踏襲しながら、日本独自の専用装備としてETC2.[…]
スズキが世界同時発表した新型スポーツツーリングモデル「GSX-S1000GT」には、多くの純正アクセサリーが設定されている。いずれも欧州仕様向けなので、日本仕様が登場した際に全てが導入されるとは限らな[…]
スズキが世界同時発表した新型スポーツツーリング「GSX-S1000GT」は、デザインやハードウエアの進化もさることながら、電脳に関する進化の幅がもっとも大きいと言える。本記事では電子制御について解説し[…]
世界同時発表されたスズキの新型GSX-S1000GTは、スーパースポーツを思わせる堅固なフレームを前作のGSX-S1000Fから踏襲しつつ、新作シートフレームやアップデートされたサスペンションなどで走[…]
最新の記事
- みんなのスーパーカブが大集合! 第25回カフェカブミーティングin青山が開催
- 待ちに待った完全新作! スズキ GSX-8S詳報〈エンジン/シャーシ/足まわり編〉
- 世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.97「僕がレースで使ったヘルメットのデザインを全て集めてみた」
- ラムエア80馬力!!! Ninja ZX-4RRで4気筒400ccが本当に復活!! カワサキが欧州と北米で発表!【ZX-4Rも出たよ】
- 【復習】2022年、「ニンジャZX-4R 肩すかし騒動」とそのてんまつ
- 1
- 2