●文:ライドハイ編集部(小川勤) ●写真:ブレンボ
神業の秘訣はブレンボ製ブレーキ
近年、スーパーバイク世界選手権(SBK)の選手の間でストッピー・チャレンジが大流行。選手がピットレーンに戻るとき、特に好成績を収めた後は(順位が悪かったらはしゃぐ気になどならないだろう)、ウイリーを真逆にした走りを披露している。
前輪を地面から上げるわけではないので、実は割と簡単にできる技だ。マシンが100馬力超で、その総合重量を考えればなおさらのこと。MotoGPでのマシンの最低重量は157kg、スーパーバイクは168kg、Moto2ではライダーの体重込みで217kgだ。
こうした数値を実現させているのが、驚くべき軽さのブレンボのブレーキパーツとマルケジーニのホイール。17インチの鍛造マグネシウムホイールは前後輪でわずか6kg。MotoGPのマシンが採用している4ピストンモノブロックキャリパーは、アルミニウム・リチウム合金のインゴットから削り出す製法によって、1台分の重量を1.5kg未満に抑えている。
ストッピーは、前輪を地面につけたまま後輪を宙に浮かせるが、このとき必要なのは速さではない。速さは技の出来にはむしろ逆効果。スタントマンに聞けば時速40~60kmでも大丈夫と全員が答えるだろう。
最近2シーズンで回数が最も多かったのは、プチェッティ・カワサキでデビューし、現在はヤマハに所属するトプラク・ラズガットリオグルだ。彼のマシンコントロールは明らかに群を抜いていて、マシンを前輪で90度に直立する妙技を何度も披露している。
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