
レーシングマシンといえば軽量コンパクト…のはずが、年々巨大化するモトGPマシンのテールカウル。中身はいったい何なんだ!?
●文:ヤングマシン編集部 ●監修:青木宣篤 ●写真:Yamaha Ducati Suzuki Honda Aprilia
リヤタイヤの強みをより強化するために設置?!
ルックス的には賛否両論…というより、どちらかといえば「否」の声の方が大きいような気がする、最新モトGPマシンの巨大シートカウル。年々厚みとボリューム感が増している。’17年型ドゥカティ デスモセディチから肥大化が始まったのだが、当初は「排気デバイスか?」「マスダンパーでは?」などさまざまな憶測が飛んだ。
現在、おそらくマスダンパーが内蔵されていることはほぼ間違いないが、それにしてはデカすぎる。マスダンパーは意外とコンパクトなものなのだ。
では何が…? おそらくECUなどの補機類をはじめ、詰められるだけのものが詰められているだろう(笑)。目的は、リヤの荷重を高めて、ミシュランタイヤの強みであるリヤタイヤをより使いこなすことだ。あえてマスを分散させることで、リヤのグリップ力をより高めているのだろう。
「リヤタイヤが強みなら、リヤは放っておいて、フロントタイヤにもっと荷重をかけた方がいいんじゃないの?」と思うかもしれない。しかしワタシの実体験からしても、それではたいていうまく行かない。弱いところを補おうとするより、強いところをさらに機能するように強化した方が、結果的にうまく行く場合が多いのだ。
モトGPのワンメイクタイヤがミシュランになって、今年で7シーズン目を迎える。フロントが強みだったブリヂストンからリヤが強みのミシュランになり、いよいよその使いこなしも究極のレベルに達しようとしている。
先駆者はやはりドゥカティ デスモセディチ
他メーカーも追随
【ホンダもついに動いた!】RC213Vも’22年型(右)でついにボッテリ。ライダーからリヤのグリップ不足を指摘され続けてきたホンダが、’21年型(左)から大幅にコンセプトを変えてきたことの一環だ。 [写真タップで拡大]
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