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アンダー100万円のヒジスリバイク! 新型ヤマハYZF-R7〈丸山浩の試乗インプレッション・サーキット編〉

北米&欧州で先行発表されていたYZF-R7が、国内でも発売された。MT-07のパラレルツインをベースに、扱いきれるパワーと車体、そして100万円を切るリーズナブルな価格で、スーパースポーツに憧れるステップアップライダーの門戸をガッと大きく広げる意欲作。テスター丸山浩氏がその戦闘力をサーキット全開走行でチェックした。

●まとめ:ヤングマシン編集部(宮田健一) ●撮影:真弓悟史 ●外部リンク:ヤマハ

丸山浩

【テスター:丸山浩】WITHMEプロフェッショナルレーシング会長兼ヤングマシンメインテスター。様々なメディアが集うこの日の試乗会ではヒジスリまで見せる一番の走りでR7の実力をとことんチェック。 [写真タップで拡大]

ハードルは下がったが、ライディングポジションは本格SSそのもの

ヤマハ期待の新星YZF‐R7は、ネイキッドモデルであるMT‐07のエンジン/メインフレーム/スイングアームといったコンポーネントを流用しつつ、倒立フォーク/三つ又/ピボットまわりのセンターブレースといった専用パーツでスーパースポーツらしい車体姿勢や剛性を実現し、ほどよいパワーと100万円を切るリーズナブルな価格を実現。YZF-R25/R3を堪能したライダーがステップアップを目指すのにピッタリのマシンとなった。いきなりYZF-R1/R6といったハイエキスパート向けモデルではさすがにハードルが高すぎたから、これは大歓迎だ。

ヤマハYZF-R7

【’22 YAMAHA YZF-R7/WORLD GP 60th ANNIVERSARY】YZF-R1にも設定されたヤマハWGP参戦60周年記念の特別カラー(左)は、国内R7でも発売。価格は標準色より5万5000円高の105万4900円だ。生産予定は400台。早いもの勝ちになるか!■全長2070 全幅705 全高1160 軸距1395 シート高835(各mm) 車重188kg(装備) ■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 688cc 73ps(54kW)/8750rpm 6.8kg-m(67Nm)/6500rpm 変速機形式6段リターン 燃料タンク容量13L ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク ■タイヤF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●色:青 黒 白(WGP60th) ●価格:99万9900円/105万4900円(WGP60th) ●発売日:22年2月14日/3月14日(WGP60th) [写真タップで拡大]

目の前にしたYZF-R7は非常にスリムな印象。開発者によれば、横幅はYZF-R25/R3、日本では未発売であるYZF-R15も含めた他のYZF‐Rシリーズよりも狭く作られたという。そのためにアンダーカウルをアルミにして極限まで内側に追い込んだという力の入れようだ。

またがってみてもそれはしっかりと感じられる。シート高はMT‐07より30mm高い835mmとそれなりだが、ステップが後方にあって足を下ろす際の邪魔をせず、両足の指先までしっかり接地。完全なビギナーにはちょっとキツいかもしれないが、つま先ギリギリのYZF-R1MやYZF-R6よりはずいぶんと足を着きやすい。セパレートハンドルもR1/R6のように低くて遠い完全なサーキット仕様というほどではないが、しっかりとレーシーなポジションになっている。エンジンをかけるとマフラー音量は低め、というより静か。もう少し演出的に迫力があっても良かった気もするが、まあ走り出してみよう。

抜群のバンク角とエンジンのコントロール性

試乗は袖ヶ浦フォレストレースウェイで、当日の気温は7.5℃と低め。まずは慣らしで数周走ってみる。YZF-R1/R6だとタイヤが温まるまで緊張するところだが、YZF-R7はいきなり楽しいので思わず笑みがこぼれてしまう。と言うのも、よく動くサスとブリヂストンS22の組み合わせがグリップ感をすぐに感じさせてくれ、早い段階から走りを楽しませてくれるのだ。

エンジンは270度クランクならではのトルク感で路面を掴みやすく、パワーはフラットな曲線を描きながら上昇。高回転の伸びもしっかりあって、開け始めから最後までスロットルを操作するのが楽しい。綿密な準備を経てタイムを狙っていく走りより、まずはスポーツ走行そのものを手っ取り早く楽しんでと言ってくれている感じ。ここがR7のやりたかったことのひとつなんだろう、というのが最初の印象だ。

ペースを上げていくと、フレームがMT‐07と同じとは思えないほどスポーティーなライディングに応えてくれる。MTでは軽快さと引き換えに安定性が損なわれてしまう速度域でも、YZF-R7は破綻をきたすことなくコーナーに飛び込んでいくことができる。

YZF-R7が新たに得た倒立フォークの剛性はMT-07よりもはるかに高く、限界が先に来るとしたら、コストとの兼ね合いでセッティングとリンクの変更のみとなっているリヤサスペンションの方だ。もっとも、それを感じるまでライダーが成長したなら、オーリンズなど高級サスに交換したり、それこそYZF-R1/R6に乗り換えてみたくなる頃。レベル的にR7はこのままでいい。

低いセパレートハンドルと後方に移ったステップ、それに腰を動かしやすいシートで、しっかりと”攻めるライディングフォーム”が取りやすくなったポジションで、ハングオフはばっちりと決まる。バンク角もかなり深い。ステップ裏のバンクセンサーは長く、YZF-R1のようなハイエキスパート向けではないのでそんなに寝ないのかなと最初は思っていたら、寝かせてもなかなか擦らない。調子に乗って攻め続けてみたらヒジ擦りまでできてしまったので驚いた。YZF-R7の最大バンク角はYZF-R6の57度に迫る勢いの53度。これなら49度のMT-07に比べてずっと深く寝るわけだ。

ヤマハYZF-R7

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本来はサーキット走行でも危険行為なので御法度なのだが、今回はコース貸し切りということでウイリーにも挑戦してみた。何もカッコつけるためにやるわけではない。ウイリーをすると、マシンの性格がより明確に現れてくることがあるからだ。やはりYZF-R7にもそれは現れていて、まず下からのトルクが十分にあるのでフロントタイヤを浮かしやすい。

YZF-R7が優れているのはこの後だ。全体的にスロットルのコントロール性がいいために、エンジン回転を維持することが容易。シフトアップを続けていっても、ウイリー状態を非常に維持しやすくなっている。さらに、下のトルクを重視しているエンジンだと上が伸びず失速して、すぐにタイヤが落ちてしまうのだが、R7はこのあたりのバランスが非常に上手く作りこまれていて、上も伸びるためタイヤを落とさずに済む。このコントロール性の良さと伸び感はそのまま通常の走行にも反映。MT-07に搭載されている時点でもこのエンジンはかなりスポーツ性の高さを感じさせたが、それをあらためて実感した。

ヤマハ YZF-R7

コントロール性が非常に優れたエンジンのおかげでウイリーも軽々。自在にマシンを操る喜びが味わえる。 [写真タップで拡大]


トラクションコントロールなど電子制御のサポートはないが、YZF-R7は手の内に収まる73psのパワーとこのコントロール性のおかげで、”操る楽しさ”をダイレクトに覚えられるマシンに仕上がっている。これならサーキットだけでなく公道ワインディングの速度域でもきっと楽しめる。YZF-R1でコーナリングが決まる速度は、もはや公道領域のはるか上だ。

ミドル排気量帯が脚光を浴びる中、ステップアップライダーを主なターゲットに、マルチユースではなくスポーツ方向へ尖ることで差別化を図ったYZF-R7。選択肢の幅を増やしてくれる1台として、嬉しいマシンの登場だ。

〈参考〉YZF-R1&R25とはどう違う?

YZF-R25:まずはここから始めよう

ヤマハ YZF-R25

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YZF-R7は73psと言えど数値的にはビッグバイクとして十分なもの。まだ自分が完全な初心者だと思うなら、最初はYZF-R25/R3でスポーツライディングの基本を覚えることをオススメしたい。R7のように2気筒トルクで接地感を掴みやすく、ハンドリングも素直だ。マルチユースを目指したR25/R3ではそのうちハンドルの高さなどが気になっていくだろうが、そうしたことを覚えてからステップアップすることで、よりR7の楽しさを引き出せるようになるはずだ。

YZF-R1:最高だが楽しめるまでが大変

ヤマハ YZF-R25

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パワーと電制装備を使い切り好タイムを出したときなど、スポーツライディングの最高の楽しさを味わえるのは頂点であるYZF-R1/R1Mだ。だが、その境地に至るにはサーキットに通いつめて腕を磨き続ける必要がある。多くの人はそこまで気力も財力も続かないというのが実際のところだろう。YZF-R7はそのハードルをもっと下げてくれ、走行会でも難しいことを考えず1本目から走りを楽しませてくれる。この手軽さにはR1/R6も到底勝てない。


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ヤマハ YZF-R7

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