
シリコンバレーにある電動バイクメーカー・ゼロモーターサイクルズはどのバイクもスポーツ性能や航続距離がズバ抜けて高い。その中でもスリムなボディでライディングの楽しさを追求したファンライドモタード「FXS」に乗りました!
●文:ヤングマシン編集部(近藤スパ太郎) ●写真:輪 ●外部リンク:ジーム[MSソリューションズ]
軽量でパワフルな性能を持ち、シティライドが楽しいバイク!
スポーツ性能の高い電動バイクを9車種もラインナップするゼロモーターサイクルズ。「FXS」はスリムなボディに軽量さと俊敏性が備えられ、シティライドの楽しさを追求したスーパーモタードで、最大航続距離161kmという性能を持つ。重いイメージがある電動バイクだが、跨ってみるととても軽く、250ccのモタードと同じくらいの車格でちょうど良いサイズ感だ。

【ZERO MOTORCYCLES FXS】■全長×全幅×全高(mm):2050×840×1150 シート高:836mm 車体重量:133kg ■原動機:Z-Force75-5 空冷高効率ラジアルフラックス永久磁石ブラシレスモーター 駆動方式:カーボンファイバー製ドライブベルト 定格出力:15kW 最大出力:34kW(46hp)/4300rpm 最高速度:137km/h 最大トルク:106Nm ■駆動用バッテリー:リチウムイオンセル(脱着可) バッテリー電圧/容量/充電時間:NA/7.2kWh(3.6kWh×2個)/9.7h(レベル1:100Vまたは200Vの場合) 一充電走行距離(実測参考値):161km* ■ブレーキ:ディスクブレーキ タイヤサイズ:F=110/70-17 R=140/70-17 ●車体色:スレート ■車両区分:軽二輪 ●乗車定員:2名 ●運転免許:AT限定普通自動二輪~ ●価格:179万9800円 *街乗りでの数値 (高速道路89km/hの場合は97km)。実際の航続距離は走行モード/速度/坂道/ライダーの体重/気温/バッテリーの劣化状況等により変化 [写真タップで拡大]

【ライディングポジション】車格や跨った感じは250ccクラスのモタードとほぼ同じポジションでとても乗りやすい。シート高は836mmだが、両足が着くので安心感がある。シートは固めだがモタードにしては少し幅広な作りで、お尻の部分がしっかりとホールドされる独特な形状をしていてとても座りやすい。重量物であるバッテリーの配置が良く重心バランスが良い点も高評価![身長173cm/体重77kg] [写真タップで拡大]
発進可能スイッチをオンにしてスロットルを開けると、スロットル開度にリニアに反応してシュイーン! と一気に加速する。このパワフルな加速感は電動バイクの醍醐味でもあるが、数多い電動バイクメーカーの中でも、ゼロの車両はどれも突出している。走行モードは回生ブレーキ度が強い”エコ”/パワフルでダイナミックな走りの”スポーツ”/好みに設定できる”カスタム”の3つがあり、走行中に切り替えが可能だ。エコモードとはいえ、その加速はすさまじく、高速道路では100km/hなんてあっという間に到達する。
一方、ワインディングでは、スロットルのオンオフのメリハリがあるエコモードの方が楽しかった。また、スロットルを開けた時のエネルギー放出度や回生ブレーキ時のエネルギー回収度がリアルタイムでメーターパネルにグラフ表示されるのも面白い。これを活用して電費を伸ばすテクニックを楽しむゼロオーナー達も多いそうだ。
バッテリー重量だけでも約40kgもあるが、コーナリングやブレーキ時でも安定性が高いのは、マスの集中化や前後重量バランスのほか、専用設計されたショーワ製サスペンションの効果も大きいようだ。静粛性の高いベルトドライブ駆動を採用するため、沿道の人の話し声や鳥の声も聞こえ、走っている…というより風を切って飛んでいるような気分になるから不思議だ。
非の打ちどころのないFXSだが、唯一の難点は充電に時間がかかること。軽さを求め走行性能にこだわった結果だが、充電ケーブルはフレームインで収納できるし、電気自動車で普及している普通充電器J1772のアダプターを携帯すれば、外出先での充電場所/手法の選択も広げられる。
乗りやすくて電動バイクの魅力を体感できるFXS。機会があればぜひ乗ってもらいたいな。e-レンタル819博多店でレンタルもやってますよ!

【パワフルで軽い車体。走りがメチャ楽しい】トルクは106Nmとリッターバイク並み。加速が良い上に車重は133kgと軽くて扱いやすいのだから、走りが楽しくて仕方ない!サーキット走行も楽しそうだ。 [写真タップで拡大]
FXS ディテール写真解説
【空冷のセンターモーター&ベルトドライブを採用】FXS専用設計のゼロ製空冷センターモーターは、最高出力34kW/最大トルク106Nmを発揮する。このパワーは静粛性の高いカーボンファイバー製のベルトでダイレクトにリヤホイールに伝達される。 [写真タップで拡大]
【キャストホイールにショーワ製サスペンション】キャストホイールを採用し、ピレリのディアブロロッソIIを前後に履く。サスペンションは前後ともにフルアジャスタブルのショーワ製サスペンション、ABSはボッシュのジェネレーション9を採用する。 [写真タップで拡大]
【個性的なヘッドライト。灯火類には電球を採用】意外にも灯火類はすべて従来型の電球式。2眼ヘッドライトはハイ/ロー切り替えでそれぞれが点灯する。デジタルメーターはブルー液晶ディスプレイを採用していて視認性が良い。 [写真タップで拡大]
【脱着可能なバッテリー】1個3.6kWh、重量約20kgのバッテリーを2個搭載。車体右側のプレートを外せばバッテリーの取り外しも可能だ。航続距離は約半分になるが、バッテリー1個でさらに軽量化しての走行も可能。 [写真タップで拡大]
家庭用100Vと単相200V。電気自動車のJ1772でも充電可能
充電はプラグインのみ。一般的な100Vコンセントと単相200Vのどちらも使えるが、充電時間は約9.7時間と長い。ゼロのマシンの充電器は車両に搭載されているが、FXSは軽量化のために800Wの小型充電器とされ、それが充電時間が長い理由だ。なお、電気自動車と同じJ1772の200V普通充電器が使えるアダプターが標準装備されるので、外出先での充電も可能。ただし、J1772でも充電時間は9.7時間と変わらない。
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