
東の海に昇る朝日とともにスタートし、太陽を追い駆けながら日本列島を横断する。石川県の千里浜に沈む夕日を見送る壮大なスケールのアドベンチャーラリー「SSTR(サンライズサンセットツーリングラリー)2021」に、今回も『ウィズハーレー』誌の青木タカオ編集長が参加。前編に引き続き、後編ではゴール・千里浜なぎさドライブウェイへの道のりと、今回の取材で使用したドラレコについて紹介する。
●文:青木タカオ ●写真:関野 温 ●外部リンク:ハーレーダビッドソンジャパン BMWジャパン ミツバサンコーワ ミシュランタイヤ ゴールドウイン サインハウス SSTR運営委員会 BMWBIKES編集部
東の海に昇る朝日とともにスタートし、太陽を追い駆けながら日本列島を横断する。石川県の千里浜に沈む夕日を見送る壮大なスケールのアドベンチャーラリー「SSTR(サンライズサンセットツーリングラリー)202[…]
ロングライドもパンアメリカならノーストレス
(前編より続く)
岡谷JCTで長野自動車道に入り、松本インターで高速道路を降りたが、余裕のクルージングでまだまだ物足りないほど。このまま高速道路で北上し、糸魚川で日本海に出るルートも脳裏をよぎるが、安房峠を越えるのを僕は好む。
長野と岐阜の県境にまたがる安房峠は、信濃と飛騨を結ぶ交通の要衝。今でこそトンネルの完成によって所要わずか5分ほどだが、1997年に中部縦貫自動車道の一部となる「安房峠道路」が開通するまではタイトでツイスティな峠道しかなく、空いていても30分以上を要した。
道幅が狭くクルマがすれ違うことができないにも関わらず、北アルプスを越える道が他にないことから、行楽シーズンには観光バスも利用し、10時間近くかかることもあったと言われている。
全国に知られる屈指の難所。旧道/酷道マニアである僕を魅了してやまないが、夕日に間に合わなくなってしまっては元も子もない。やむなくトンネルでワープするが、深まりゆく秋の安房峠をオートバイで走ることがどれほど素晴らしいことか、未練たらたらとここに書き綴っておかなければ気が済まない。
さて、こうしたロングライドにあって、ハーレーダビッドソン パンアメリカは穏やかなトルク出力が扱いやすく、淡々と距離が稼げる。クラッチ/トランスミッション/ブレーキを含めストレスを感じるものは一切なく、移りゆく景色をただただ楽しんでいる。
ワインディングでは”ロード”だったライディングモードを”スポーツ”に切り替え、よりダイレクトでシャープなスロットルレスポンスを味わい尽くす。コーナーの出口でアクセルを開ければ、ダッシュがしっかり決まる。60度Vツインの「レボリューションマックス」は、クランクシャフトのコネクティングロッドジャーナルを30度オフセットすることで、90度Vツインと同じ点火間隔を実現。エンジン前後長を伸ばすことなく、優れたトラクション性能を獲得した。駆動輪の食いつきがとてもいい!
高原川の蛇行に沿って走れば、やがて高山本線とわずかな区間だけ並走し、北陸へと至る。前年も走った道の記憶はまだ鮮明で、見覚えのある景色が続く。のと里山海道に入れば、左手に日本海がぱっと大きく広がった。ゴールはまもなくだと、ワクワクせずにはいられない。
ついにゴールの千里浜なぎさドライブウェイへ
さぁ、今浜インターチェンジを降りれば、もう千里浜なぎさドライブウェイだ。ロードグライドリミテッドではおそるおそる走った砂浜も、パンアメリカなら平然と気持ちよく疾走できる。
ライディングモードを”オフロード”に切り替えると、電子制御式サスペンションがソフトによく動き衝撃吸収性を高めた。”ロード”ではピッチングモーションが少なく快適に流せたが、今度は逆にピッチングを生かしたマシンコントロールができ、アグレッシブに操れる。
さらに上級グレードのスペシャルには”オフロードプラス”も選べ、ダートでは「よくぞ設定してくれた」と唸るばかりの出来栄え。3000rpm以下でもアクセルを開ければガツンと車体を押し出し、グイグイ前に進む。
日はまだ沈まない。サービスエリアや道の駅に寄り、ポイントも規定以上を獲得したから、ついに完走扱いだ!
ゴールの千里浜レストハウスが見えてきた。あそこに着けば、SSTRのスタッフたちが笑顔で迎えてくれる。一日中バイクで走り続けたライダーにとって、それは何よりも嬉しく暖かい。
千里浜再生プロジェクトも進行中
魅力の尽きない千里浜ではあるものの、侵食が著しく砂浜がやせ細る傾向にある。昭和の初め頃には今の倍以上の幅があったが、1994年には約50m、2011年には約35mほどに。この20年間は毎年、砂浜が約1mずつ消失するという危機に直面している。かけがえのない海岸を守ろうと「千里浜再生プロジェクト」が進行中。未来のため、我々バイク乗りにもできることがあるはずだ。
旅の記録はドライブレコーダーで!
万が一のアクシデントのときはもちろん、ツーリングの思い出も録画できるドライブレコーダー。列島横断SSTRの行程を丸ごと記録し、かけがえのない旅の思い出となった。
今回の旅では、バイク用として人気を博しているミツバサンコーワのEDRシリーズを使用。R1250GSにはアップグレードしたばかりの『EDR-21α』、パンアメリカにはよりコンパクトで、より強くなった『EDR22G』を装着済み。分離型でコンパクトだから、バイクの美観や走りを邪魔しないのがなんと言ってもいい。「バイクのフォルムを邪魔するものは、愛車につけたくないもん!」という櫻井さんの言葉に、僕も頷く。
前後2台の高性能/高画質カメラにはソニー製CMOSイメージセンサーが搭載され、対角162度の広い視野角にて200万画素フルHDの高画質映像で記録される。さらにWDR(ワイドダイナミックレンジ)機能によって、明暗差の激しい逆光/トンネルの入口/夜間などのシーンの明暗差を補正し、明瞭な映像を作り出す。
バイク専用の強靭な防水/防塵/耐振動設計だから、不意の雨や連続振動はもちろん、列島横断の長距離走行も、砂浜の過酷な条件下でもしっかり耐えられる。
専用アプリを使って、スマートフォンなどの端末と無線LANで接続できるので、いつでもどこでも録画した映像を見ることも可能。「さっきのシーン、どうだった?」なんて、お互いに映像を見せ合うのも楽しい。また、帰宅したらPC専用のビューワーソフトで鑑賞会を開こう。GPS搭載だから位置情報も記録され、前後カメラの映像とともに走行軌跡を地図で辿りながら眺められる。
パンアメリカ装着:EDR-22G
R1250GS装着:EDR-21Gα
動画はこちら↓
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