
一段とパワフルな走りに、欧州ビルダーのカスタムマシンを彷彿とさせるスタイリッシュさと懐かしいカラーを融合。スポーツ系ネオクラシックの雄=ヤマハXSR900がフルモデルチェンジを遂げ、大幅に魅力を増した。
●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明)
’80年代レースイメージと最新トレンドを見事に融合
ヤマハXSR900は’16年のデビュー以来、レトロモダンな外観と鋭い走りで支持されてきたが、大幅な改良は今回が初となる。ベース車の’21 MT-09と同様、排気量を845ccから888ccに増強。軽量化した新作のフレーム+ホイールを手に入れ、最新の電脳も獲得した。
今回のモデルチェンジのポイントのひとつがデザイン。アルミ製リヤフェンダーやサイドカバーなど金属の質感を活かした懐古的な従来型に対し、新型は’80年代のレースイメージを色濃く注入。タンク前方のエアダクト/シングル風シート/さらには往年の”デルタボックス”を思わせるフレーム形状までも往年のレーサー風だ。
そして極めつけは青×黄の”ゴロワーズ”カラーだ。’80年代のレースを席巻したYZR500に施されたスポンサーカラーで、FZR400などの市販レプリカでも再現。あまりの懐かしさに感激したオジサンも多いハズだ。
さらにヘッドライトやウインカーをすべてLED化。バーエンドミラーや黒いリザーバータンクなど細部の質感も高い。プレーンな従来型を過激にモディファイし、ワルっぽい雰囲気が漂う新型。これぞネオクラ最新モードだ。

【感涙! WGPマシンを令和にオマージュ】全体のフォルムをはじめ、鮮やかなブルーに水色×黄色のラインが走る車体色は、’80年代WGPで活躍したYZR500が元ネタ。仏タバコブランド”ゴロワーズ”のスポンサーカラーでレプリカも発売された。YZRを駆り人気のあったクリスチャン・サロン氏もPVに登場! [写真タップで拡大]

【’22 YAMAHA XSR900】ボリュームを増したタンクに、太いアルミツインスパーフレームが際立つ新型ヤマハXSR900。レーサーレプリカをカウルレス化した’80年代の元祖ネイキッドを思わせるフォルムだ。一方でコンパクトなLEDヘッドライト+ウインカー、国産バイクでは異例のバーエンドミラーが現代風。まさに新感覚ネオクラシックである。●予想価格:120万円 ●予想発売時期:’22年春以降 ※写真は欧州仕様 [写真タップで拡大]

【ムキムキ筋肉質に】MT-09譲りの新型のフレームは従来型よりヘッドパイプ位置が低く、低く構えたスタイルに。力感溢れるタンクとサイドカバー、シングルシートカウルを模した斬新なシートの相乗効果でスポーティさが強調され、レトロ寄せの従来型より近代的なスタイルとなった。シート高は従来から20mmも減少。※写真は欧州仕様 [写真タップで拡大]

ダウンしたヘッドライト位置とバーエンドミラーにより、カスタムマシンの趣が漂う新型。フロントフェンダーはアルミ製ブラケットの従来型に対し、樹脂製のレプリカ風エアロタイプとしている。リヤビューは一段とシンプルになった。※写真は欧州仕様 [写真タップで拡大]

【カラーバリエーション】欧州仕様ではゴロワーズ風のレジェンドブルーのほか、ミッドナイトブラックを用意。各部やホイールを黒で統一し、タンクや車名などに赤のアクセントを用いるのが印象的だ。※写真は欧州仕様 [写真タップで拡大]
【待望のフルLEDで精悍&コンパクト化】先代[右]はヘッドライトとウインカーがハロゲンだったが、新型[左]はすべてLED化。ヘッドライトケースは小型化され、ラジエターシュラウドに細身のウインカーをマウントする。タンク前方にはカバーを装着し、吸気ダクトを設置した。※新型写真は欧州仕様 [写真タップで拡大]
各部に円のモチーフをあしらう従来型[右]はテールランプも丸型。一方、新型[左]はシート後端にテールランプを内蔵したユニークな構造だ。ナンバーホルダー+リヤウインカーは、従来型のサイドカバーを思わせる金属製の穴開きステーで保持される。※新型写真は欧州仕様 [写真タップで拡大]
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ヤマハXSR900:概要 ’22でユーロ5に対応するフルモデルチェンジ。排気量を845→888ccへと拡大し、フレームも新設計のツインスパーに置き換わった。電子制御まわりもフルライドバイワ[…]
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