●文:ヤングマシン編集部(宮田健一/沼尾宏明/編集部)
伝統イメージを継承しつつ650ならではの世界観も
ついに登場したカワサキレトロスポーツの第2弾となるZ650RS。このマシンはミドルクラスの新しい中核モデルとなるべく、Z900RSから受け継ぐ時代を超えた美貌と、ライダーが毎日楽しめるコンパクトで扱いやすいパッケージを組み合わせたキャラクターとすべく開発が行われた。
そのためにベースとして選ばれたのは、堅牢なローエンドトルクと高いレスポンスを備えた649ccパラレルツインと軽量シャーシを組み合わせ、現代的なフォルムにまとめあげたスポーツネイキッドのZ650。Z650RSは、そのベースを活かして伝統的なフォルムへと生まれ変わった。
兄貴分のイメージを見事に継承したZ650RSだが、その一方でデザインには毎日乗れるキャラクターを強調すべく、差別化もきちんと図られている。スリムな燃料タンクや短くコンパクトなテールで、軽快なハンドリングと親しみやすいキャラクターを表現。極太リングを周囲に持つ新作ヘッドライト、ベースモデル譲りのミッドシップマフラーや湾曲スイングアームにより、モダンでカジュアルな雰囲気も兄貴分より多く取り入れられた。ビッグバイクのエントリー層がZの世界観に入るためのハードルも、これでグッと低くなったわけだ。
車重はZ900RSより28kgも軽く、手軽さではクラス随一になること間違いなし。カラーリングも往年のザッパーを再現したグリーン/ベーシック/カスタムチックと3パターンを揃えて幅広い世代のユーザーに応え、’22ミドルクラスを代表する車種になるはずだ。
現代のザッパーが伝統フォルムに先祖返り
’76年に登場した”ザッパー”こと初代Z650は、Z1/Z2の下を埋めつつ、750/500SSマッハの代替として誕生。その直4エンジンはZ750FX-IIのベースへと発展し、改良を続けながらゼファー750やZR-7まで連なって同クラスを支えていった。一方、Sugomiデザインを持ち並列2気筒となる現代のZ650は、ER-6nから発展し、やはりミドル帯の中核モデルに成長。そして俊敏な走りを持つ現代のザッパーは、RSとして伝統フォルムに還っていく。
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