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名車の中の名車として知られる”900 Super 4=Z1″。これをオマージュした、大人気のネオクラモデルがZ900RSだ。そのフォルムに加え、カラーリングにおいても往年のZ系をリスペクトした車体色を投入するのが特徴だ。ここでは日本未発売のカラーを含め、STDとSEの歴代バリエーションを一堂に収録してみた。あなたはどのカラーがお好み?!
●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
’18〜’19:まずは火の玉!
Zと言えばコレ!王道カラーでスタート
’17年秋の東京モーターショーで世界初公開され、同年12月1日に発売開始された初代Z900RS。国内には茶×橙、黒×金銀ラインの2カラーが用意された。予約が殺到し、特に初代Z1を彷彿とさせる”火の玉カラー”=茶×橙は入手困難。Z1をイメージしたZ900RSだけに、シンボルと言える火の玉との相性は最高で、人気も当然と言えるだろう。あまりの反響ゆえか、デビューから8か月後に早くも’19年型が発売。’18年型をそのままキャリーオーバーした。
【キャンディトーンブラウン×キャンディトーンオレンジ】カラーコード:60X
18万円で火の玉化完了!?
カワサキの純正パーツリストから調べると、塗装済みタンクにサイドカバー、Fフェンダーにテールカウル…これらすべて合わせても18万2512円。純正パーツによる”火の玉”化は、意外に手軽な価格でできそう。
オマージュは’73 Z1/Z2
流麗なタンク形状とオレンジの塗色から”火の玉”(ファイヤーボール)と呼ばれた初代Z1のカラー。最速カワサキが始まった記念碑的な車体色で、知名度も圧倒的だ。
’18〜’19:黒に金銀
北米版Z1000を彷彿とさせる配色
黒地に細い銀と金のラインをあしらう。米国リンカーン工場製の’78 Z1000は、黒ベースに金ラインが入っていたが、これを思わせるカラーだ。本体価格は火の玉より3万円安い120万円だった。
【メタリックスパークブラック】カラーコード:660
’18欧州:唯一のツヤ消し!
珍しいマット系でレトロモダン風に
欧州仕様では、国内モデルの2色に加え、マット緑×黒も導入。今のところ唯一のツヤ消しカラーで、グリーンのラインやニーパッド、サイドカバーの”900″などがカフェレーサーイメージを強調する。
【メタリックマットコーベルトグリーン×フラットエボニー】カラーコード:36T
’20〜’21:タイガー見参!
イメージは2代目Z!色変更の順番まで再現
デビュー3年目で車体色を総入れ替え。’73初代Z1は、翌’74年型でキャンディトーングリーン(通称イエロータイガー)を採用したが、Z900RSもこれに倣い、次の車体色をタイガーイメージとしている。カワサキからの心憎い演出と言えるだろう。深みのある緑をベースに、白い子持ちラインが入る黄色の直線ストライプが特徴で、スピード感が抜群。ストライプは表面の凹凸が少ない水転写デカールを採用し、仕上がりも万全だ。なお前年から主要諸元に変更はない。
【キャンディートーングリーン】カラーコード:65G
ストレートなイエローストトライプ+白ラインをタンク下部に配色。カドを縁取るように2本の細いストライプが上部に入る。
オマージュは’74 Z1/Z2
横縞の黄ラインから”タイガー”の名称で親しまれた’74 Z1/Z2。キャンディトーングリーンという色名もZ900RSで踏襲された。なお同年のZ1には茶色に橙ラインの”オレンジタイガー”もある。
’20:男の黒単色
シブさ全開、国内でのワントーンはコレのみ
タイガーカラーと同様、’20年型で登場。従来のメタリックスパークブラックからラインを取り去ったシンプルなカラーで、現在のところ国内仕様唯一の単色だ。岩城滉一氏らが所属し、映画にも登場した’70年代のバイクチーム「クールス」のカスタムZ2を思わせる。
【メタリックディアブロブラック】カラーコード:17K
’20欧州:灰単色
金属の質感を彷彿とさせるシックな仕様
’20欧州モデルは、タイガー、黒のほか、単色グレーの3色を設定。金属をクリアコートしたような剥き出しのメタル感がクールだ。ホイールにはライムグリーンのリムストライプもあしらう。
【メタリックグラファイトグレー】カラーコード:45W
’21:黒×銀!
シブい!平成の空冷Zを令和にリバイバル
’21年型で単色のブラックに代わり、シルバーの水平ラインが入ったエボニーが登場。’05モデルのゼファーシリーズに展開された黒×銀と同様の配色で、シブさ全開だ。’21でもタイガーカラーのグリーンは継続となり、2色展開は変わらない。ちなみに主要諸元に変更はなく、公式なアナウンスもないが、’21からラジエターが大型化されている。ラジエターコアガードをカスタムする場合などは、年式に応じた対応品を選びたい。
【エボニー】カラーコード:H8
オマージュは’05 ゼファー1100/750/χ!?
’89 年にデビューし、大ヒットを重ねた空冷直4シリーズのゼファー。’00年代には水平ストライプのグラフィックを多く採用し、’05年モデルが黒×銀ストライプの組み合わせだった。
’21欧州:黒に鮮やか緑ライン
細い二重ラインが復活、黒ホイールも特徴だ
’21欧州仕様も、国内より1色多い3カラーを設定。’18~’19のメタリックスパークブラックが銀×金のラインだったのに対し、こちらは銀とライムグリーンをあしらう。ホイールは、他の’21モデルがシルバーだが、唯一ブラック仕上げとなる。
【メタリックスパークブラック】カラーコード:660
’22 SE:イエローボール!!
金脚にピタリとハマる、欧州仕様Z1の伝統カラー
欧州仕様に続き、やや遅れて国内でも8月に正式発表された上級バージョン。車体色は、欧州仕様の初代Z1を思わせるイエローボール風のメタリックディアブロブラックを採用した。火の玉カラーが茶色ベース×オレンジなのに対し、パターンをそのままに黒ベース×黄色の組み合わせとなる。リヤのオーリンズS46に合わせ、アウターフォークとホイール、フロントのインナーディスクもゴールドに統一。全身のコーディネートにも抜かりがない。
【メタリックディアブロブラック】カラーコード:17K
オマージュは’73 Z1
欧州仕様の初代Z1には、火の玉のほか、濃緑×黄色の通称”イエローボール”も存在し、人気を博したという。Z900RS SEでは、ベース色をブラックに改めている。
’22:青玉虫の登場だ!
サファイアのごとく深みのある輝きを放つ
登場5年目の’22は、2カラーとも新色となり、キャンディトーンブルー、メタリックディアブロブラックを投入した。ブルーは予想通り(?)のZ1/Z2オマージュ。’73初代Z1の火の玉、’74 Z1のタイガーに続き、’75年型Z1Bで採用されたキャンディトーンスカイブルー風とした。通称”青玉虫””玉虫ブルー”と呼ばれ、見る角度によって玉虫のように色味を変える。上部に黒、下部に金ストライプを施し、白いテーピングラインで強調するのも特徴だ。
【キャンディトーンブルー】カラーコード:68R
オマージュは’75 Z1/Z2
初期型を受け継いだ最後の意匠となる’75年型。玉虫ブルーはZ1/Z2でも人気の高いカラーのひとつだ。同年モデルには、もう1色のカラバリとして通称”玉虫マルーン”も存在する。いずれ…?
’22:いわば黒玉虫!!
ゼファー系イメージの第2弾!この路線も継続?
’22国内仕様に導入された、もう1色がこのブラック。欧州仕様のメタリックディアブロブラックと色名は同一ながら、カラーは全く異なる。玉虫のパターンはそのままに、黒ベース×ゴールドで仕上げており、”黒玉虫”と呼べそう。カワサキらしいワルっぽさ漂う粋な組み合わせだ。モチーフが近いのは’04ゼファーシリーズ。’21年型に続くゼファーオマージュの第2弾で、この路線は今後も続きそうだ。
【メタリックディアブロブラック】カラーコード:17K
オマージュは’04 ゼファー1100/750/χ!?
ブラックを基調に、水平に引かれたゴールドのラインがアクセント。Z900RSよりゴールドの色調が明るい。こちらは厳密には玉虫グラフィックと異なり、タンク上部にラインがない。
’22欧州:濃緑!!
品のいい英国車風のオーラ
英国車のように上品なダークグリーンに、銀のストライプを与えた。パターンはタイガーや玉虫カラーと同様で、このグラフィックでの欧州独自カラーは初だ。同じ色名が’07 ゼファー750/χに存在するが、ストライプが金色となる。
【メタリックダークグリーン】カラーコード:727
’22欧州:黒に鮮やか青ライン
リンカーン系の3カラー目はポップ
’22欧州仕様は、青玉虫、グリーン、このメタリックディアブロブラックという3色設定。前年のメタリックスパークブラックと同様のパターンで、下側のラインが人目を惹くスカイブルーに変更されている。ホイールは黒。
【メタリックディアブロブラック】カラーコード:17K
※各カラーコードはベースカラーのコード。 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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