部品を組み付ける時は”奥から手前”、分解する際は”手前から奥”が大原則。しかし作業内容によっては、手前を跨いで奥のボルトナットを回したい時もある。まとわりつくハーネスや部品をかき分けて最短距離で到達できるシブイチ(1/4インチ=6.3sq.)のソケット工具なら、面倒に思える複雑な作業が快適になり、一気に効率アップできる。本記事ではネプロスのラインナップからセレクトして紹介する。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:京都機械工具
狭い場所こそシブイチの得意ワザ!!
フレーム単体、ボルト1本までバラバラに分解するフルレストアに要する労力は相当だが、実はその組み立て作業は考えるほど複雑ではない。バイクメーカーが新車を製造する工程と同様に、ドンガラのフレームにエンジン/電装ユニット/足まわりを順序よく組み付ければ1台の完成車ができ上がる。製造効率の良さを重視したバイクを始めとした多くの工業製品は、そもそもそのように設計されているからだ。
しかし完成されたバイクをメンテする際には、その原則が通用しないこともある。例えば始動系の不調でセルモーターやスターターリレーを交換する場合。フレームに搭載する前のセルモーターは簡単に着脱できるが、周辺をキャブレター/エアクリーナーボックス/ラジエーターホースに取り囲まれた状態で摘出するのは簡単ではない。スターターリレーも同様で、電装品一式がセットされたプレートがフレームに付いた状態でリレー単体を取り外そうとすると工具が届きにくいこともある。
手間を惜しまず手前の部品から順序よく取り外して目的地にたどり着くのが模範解答だと分かっていても、無駄な手数は省きたいのも本心。メガネレンチやギアラチェットよりスリムで機動性が高いシブイチ(1/4インチ=6.3sq.)サイズの工具はこうした場面で重宝する。なかでもKTCネプロスの6.3シリーズのソケットやラチェットハンドルなどのアイテムはコンパクトでスリムだから、狭い隙間をくぐり抜けてボルトナットにたどり着ける。
手抜きではなく効率アップを追求したい。ネプロスの6.3シリーズはそうした場面で強みを実感できる、実践的かつ魅力的なアイテムだ。
コンパクトさが際立つハンドルを適材適所で使い分ける
ネプロス6.3sq.製品群の中核を担うラチェットハンドルは、差込角9.5sq.に比べてヘッド部分の幅が30%以上小型化されており(NBR390H比)、狭い場所への届きやすさは抜群。送り角わずか4°の90枚ギアは、メガネやギアラチェットが使いにくいボルトでも確実に回せるのが大きな魅力。
スイングアームピボット近くのバッテリーケース固定ボルトの付近にはフレームやエンジンなどの干渉物が多く、ボルトに近づくより距離を取った場所から回す方がスムーズに作業できる。そんな時は軸部がφ7.5mmと細く全長200mmと余裕のあるT形ハンドルが便利。ハンドルの両端を重くすることで早回し時に慣性力がつき、指で弾くとクルクルと回転するのが快感。もちろん、早回しによって作業スピードもアップする。
ビットとソケットでマルチな働き、握りやすさが魅力のドライバハンドル
ソフトグリップのドライバ型ハンドルには軸長70mmと20mmの2タイプがあり、さらにグリップが短いスタッビ型もある。ロングビットソケットの全長は92.7mm あるので、かなりのリーチ長を稼ぐことができる。
遠くのビスにはロングタイプのビットが適しているが、手元作業向けにはスタッビタイプがある。マイナスビットの全長はわずか30mm(マイナスの刃長は8.3mm!)なので、狙いを定めやすく掛けた力がロスなく伝わる。
クロス(プラス)ビットソケットは全長が異なるスタッビ/スタンダード/ロングの3タイプあり、作業内容によって使い分けが可能。ゴールドの表面処理は耐摩耗性を向上させるチタンコーティングで、長期間にわたり使用できる。
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