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●文:ヤングマシン編集部 ●CG:SRD
開発者が足りないほどのニューモデル攻勢が来る!?
’21年10月に「カワサキモータース」として川崎重工から分社化されたカワサキの2輪部門(モーターサイクル&エンジンカンパニー)。そのスタートにあたり驚きの新戦略が進められていた! カワサキは現在、OBの再雇用や、定年を迎える技術者たちの雇用延長を積極的に行なっており、それがニューモデルの開発部隊をいくつも作れそうな人数らしいというのだ。
2輪をとりまく急激な時代変化に対応するため、カワサキは今後数年間、既存モデルのバリエーションモデル中心の展開にシフトし、その間に’20年代後半を見据えた次世代モデルを開発すると以前にもお伝えした。しかし、コロナ禍で巻き起こったバイクブームもあり、数年先の次世代モデルはもちろん、バリエーションモデルすら開発のリソースが足りない状況。
そこでOBたちの出番だ。既存のマシンを熟知した彼らにバリエーションモデルをバンバン開発させ、ラインナップを一気に超拡充。ユーザーの需要に最大限応えていく構えらしい。
その流れの中にあって登場しそうなマシンのひとつが、日本&欧州で商標を登録している「エリミネーター」だ。直4のニンジャ1000SXをベースとすることで、かつてのイメージと開発コストの削減を両立。さらにホンダ レブル1100の好調ぶりも登場を加速させる。大排気量らしいパワーや乗り味は持ちながら、足着き性が良くて扱いやすいクルーザーは需要が高いことを証明してみせた。品薄のレブル1100市場を直4の豪速クルーザーで一気に奪い取る。そんな野望が透けて見える!
エリミネーターとは?
’80年代にドラッグレーサーレプリカとして登場した初代エリミネーターZL900は、GPz900Rのエンジンをシャフトドライブ化して900版で登場。続いてGPZ1000RXベースの1000に進化した。漢気あふれる雰囲気が人気に。
【’85 KAWASAKI ELIMINATOR ZL900】■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 908cc 105ps/9500rpm 8.7kgm/8000rpm ■238kg(乾燥)
【当然キープ活用なるか?!】エリミネーターの商標は、日本で’29年、欧州で’27年までの延長が確認されている。これは活用の意図があるからと考えた方が理論的!?
〈YM未来予想〉’23? エリミネーター1000
【’23? KAWASAKI ELIMINATOR 1000|予想モデル】バイクらしいスタイルに足着き性の良さ、ほどよいスポーツ性能を兼ね備えるのに絶好なのがエリミネーターのフォルム。好調のレブル1100を追撃だ。価格はSX同等か、レブル1100との競合を考えれば直4のアドバンテージを踏まえても130万円少々だと理想。バルカンに次ぐカワサキクルーザーの新星になる!?
【BASE MODEL:KAWASAKI Ninja1000SX】車名にSXを追加しユーロ5にも対応したニンジャ1000のエンジンをベースに、バリエーション開発するのが新エリミの近道。直4ということで初代エリミのイメージも十二分に踏襲することが可能となる。■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1043cc 141ps/10000rpm 11.3kgm/8000rpm ■236kg シート高820mm 19L ■タイヤF120/70ZR17 R190/50ZR17 ●価格:148万5000円
カワサキの新潮流:内燃機関の最後を飾る?! “熟練OBの大規模再雇用”
カワサキが進めるOB&定年を控えた技術者の大規模再雇用は、内燃機関や既存のマシンを熟知するベテラン技術者にバリエーション機種の開発を任せることで一気にラインナップを拡充。直近のバイク需要に応えつつ、現役の若い技術者たちのリソースを次世代の商品群に集中させることで、来たるべき時の到来と同時に完全新規の超次世代モデル群が一斉に花開くという、まさに両面でビジネスチャンスをものにしようとするイケイケ作戦だ。ここ数年の急激な時代変化により、内燃機関の未来もどうなるか分からない。もしかしたら、これから出てくる熟練技術者の手によるバリエーション群たちが”ピュア内燃機関バイク”の最後を飾ることになるのかもしれない…。
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